「あ、あの!ここが願いを叶える雑貨屋さんだと聞いたんですけが!」
『ぇ!?な、何言ってんの!?ゆり!?』
いきなり初対面の人にこんなおかしなことを言うだなんてどうかしている。ましてや、ここの店員さんに。この女の人だって変な噂がたって迷惑しているだろうに、どうして、いつも、この子はこうやって1人で突っ走るのだろう
『馬鹿!何言ってんの!店員さん困っちゃうじゃん!』
「ふふ、大丈夫よ。そちらの長髪のお嬢さんあなたは何を叶えたいのかしら?」
「やっぱり!ここの噂は本当だったんだ!」
「えっ…と、私は、」
ちらりと私の方を見る。私がいると話しにくい、そういう事なのだろう
「お願いは奥でお姉さんだけに話してもいいですか…?」
「えぇ、もちろん」
ニコリと笑みを浮かべる彼女はまるで逸話からでてきた魔女のようだった。
結局百合は奥で話して、何か買ったようだけど私はそんな怪しい代物を買う勇気はなかった。あの後百合はずっとぼぅっとしていて何かあったのかと聞いたけど何も無いの一点張りだった。
(まさか、
本当に信じているわけじゃないよね…?)
胸に残るしこりを抱えて学校に向かった。
「おはよう!」
いつものように話しかけてくる百合になんだか拍子抜けしてしまう。
『お、おはよ』
「うん!もう行こー」
それから一日ゆりと一緒に居た。 でも、何かおかしい。 こう、何がおかしいかは分からないけれど決定的に何かがおかしい。 へばりついて拭えない違和感があるのだ。
「…ち、…ちゃん、あきちゃん!!」
『へ!、は、、ぁ、ごめ、ん何?』
「何?じゃないよ!今放課後だよ?寝てたの?今日なんか変だよあきちゃんなんかあった?」
『え、ぁ〜いや、なんもないよ』
軽く笑って否定をする。
全くもっておかしいのは百合の方だという本音を飲み込みながらゆりと帰る準備をする。
百合といつも通り帰り、自室であの違和感がなんなのか考えている。
(何かわからないけれど何かがおかしい。)
(何かを見逃している感じ…なんなのよ。)
そう、今日の百合はいつもと同じ生活をしていたはずだ。
いつも通り朝、
百合が家の前に来て一緒に登校して、
それで、学校では当たり障りのない会話をした今回テストの点が良くて、学年で高い順位に着けたとかなんとかそんなようなごく普通の話。
放課後は、ゲームセンターとかに寄り道してひとしきり楽しんでから帰った。
(ん、あれ?朝…いや、夕方もだ…!)
おかしい、、、。
だって百合は朝が苦手で私が来なければ絶対に目を覚まさない。テストだって、少しやればそこそこの点数を取れるのにやらないで泣きべそをかくのに。
放課後だって…、あの子は、ゲームセンターとかあまり音がでかいところが好きじゃなかったそれに、放課後は、ゆっくり歩いて帰るのが好きだったはず…、
(いや、今日は、たまたま…そうだっただけ、考えすぎ、そうだよね。)
それからこの前のことはたまたまだと思って1週間様子を見たが戻るどころかおかしな所が増えた。
外見は百合なのに、まるで、誰かが変わりに入っているような、百合じゃないようなそんな気がするのだ。
元々クラスメイトとは仲が良かったけれど仲がいいと言っても、あんなにぺらぺらと話すような間柄じゃなかった。
百合はあれほど目立つのを嫌っていたのに自分から発表や、立候補をするようになった。
(やっぱり、あのお店で買ったものの効果?)
(本当に、魔法の代物だったってこと?)
(馬鹿馬鹿しい…そんなことあるわけない…)
魔法などあるわけないとわかっていてもあの代わり用は、信じざるを得なかった。
(行って、確かめないと。)
あの日百合は何を願ったのか、それを確かめないと取り返しのつかないことになる。
そんな気がして、あの日向かった場所へ向かう
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