TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

岩本照編

一覧ページ

「岩本照編」のメインビジュアル

岩本照編

6 - 🩷💛

♥

180

2026年02月06日

シェアするシェアする
報告する

雑誌撮影の合間。スタジオの隅で、岩本照がパイプ椅子に座り、ペットボトルの水を飲んでいた。

そこに、ピンク色の髪を揺らして忍び寄る影があった。


「ひーかーるっ!!」


助走をつけて、佐久間大介が岩本の背中めがけてダイブした。

普通の人間なら椅子ごと転倒しかねない衝撃だ。

しかし、岩本照は違った。


「……おっと」


岩本は水を持ったまま、体幹だけでその衝撃を受け止める。

そして、背中に張り付いた佐久間を振り落とすどころか、自然と後ろに手を回して、佐久間の太ももを支えてやった。


「危ねーな、佐久間。水こぼれたらどうすんだよ」

「えへへ、大丈夫っしょ! 照なら絶対受け止めてくれるもん!」


佐久間は岩本の背中にのしかかり、首元に腕を回して顎を乗せる。

完全なる「おんぶ」の体勢だ。


「……重い」

「嘘つけ! 『佐久間、軽くなった?』とか思ってるくせに!」

「思ってねーよ。……で? 何?」


岩本は口では文句を言いながらも、佐久間を背負ったまま立ち上がった。

そして、まるで亀の甲羅のように佐久間を背負った状態で、スクワットを始める。


「うわっ、揺れる! アトラクションだ!」

「トレーニングの重り代わり」

「扱いひどくない!? 俺、先輩だよ!?」


ギャーギャー騒ぐ佐久間だが、その顔は満面の笑みだ。

岩本の広くて厚い背中は、佐久間にとって世界一安心できる場所。

そして岩本にとっても、背中で騒ぐこの小さな体温は、不思議と心を落ち着かせるものだった。


数回スクワットをした後、岩本はふぅと息を吐いて動きを止めた。


「……満足か?」

「んー、もうちょっと」

「なんだそれ」


佐久間は岩本の首筋に顔を埋め、クンクンと匂いを嗅いだ。


「照、いい匂いする。なんか落ち着くわ〜」

「お前は犬か」

「照の犬ならなってもいいよ〜! ワンワン!」

「うるせぇよ(笑)」


岩本の顔がクシャッと崩れる。

背中に張り付く佐久間の鼓動が、トクトクと伝わってくる。

言葉にしなくても「信頼してる」と伝えてくるこの距離感が、心地いい。


「……ずっと乗ってていいけどさ」

「おっ、マジ?」

「次の撮影、佐久間からだぞ」

「えっ!? 嘘! やばい、メイク直さなきゃ!」


佐久間が慌てて背中から飛び降りる。

岩本はその軽くなった背中に少しだけ寂しさを感じつつ、バタバタと走り去る佐久間の背中を見送った。


「……元気すぎだろ」


そう呟く岩本の口角は、自分でも気づかないほど柔らかく上がっていた。

騒がしくて温かい、ニコイチの通常運転。

岩本照の背中は、いつだって佐久間大介のための特等席として空けてあるのだ。

loading

この作品はいかがでしたか?

180

コメント

1

ユーザー

元気いっぱいのさっくんにこっちまで元気もらうわ そんなさっくんが好きなひーくんも健気で可愛い!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚