コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
世界を敵に回しても _ Girlside.
⇢ start
「 … 信じてたのに 」
「 私も信じてたよ 。 」
「 なんで 、”また” 俺を助けたんだよ 」
どうしてそんなことを聞くの?
そんなこと聞いて何になるの?
返す言葉に迷うな …
君を助けた時 、強く惹かれた 。
助けたことはその時の “1回” だけだし 、
その時は初対面だったのに
君は一瞬 、目を見開いて
懐かしい友人にでも会ったような
暖かい眼差しを私に向けて笑った 。
その眼差しが今でも忘れられない
「 … そうしたいと思ったから 」
出てきた言葉はとても単純なものだった
だけど 、決して嘘ではなかった 。
「 なんだよそれ… なにか変わったかもしれなかったのに 、」
「 関係ないよ 」
あの時助けても助けなくても 、
君か私のどちらかが死ぬというのは
きっと 、変わらなかった 。
何故だか分からないけど 、そんな気がした
だから、今更悔やむことはなにもない
心の底から幸せだったと言える
「 関係なかったんだよ 」
精一杯 、落ち着いた声で繰り返した 。
どうして涙が溢れるんだろう
拭っても拭っても溢れる涙は 、
私になにを伝えようとしてるのか 。
無理やりでも笑顔を作らないと 、
子どものように泣きわめいてしまいそうだ
「 …ね 、撃たないの?」
君は 、震えた手で拳銃を支えて
私に銃口を向けたまま
引き金を引こうとはしない
「このままじゃ君 、死んじゃうよ?」
私の言葉を聞いて酷く辛そうに目を伏せる
「…ごめん」
世界で1番好きだった声が 、
あまりにも苦しそうに私の耳を通り過ぎる
静かに銃声が響いた
物語の中の話だったら
私は助かったのだろうか
君は 、助けてくれたのだろうか
そんな都合のいい話は物語の中だけ
そんなことはわかっているけど 。
世界を敵に回してでも守ってくれる人なんて
きっといない
分かっていながらも 、
ほんの少しだけ期待していた
もしかしたら _
君なら _
そんな自分が馬鹿みたいだ 。
だけど 、
そんな気持ちの奥底で
「よかった」とどこか感じていた自分に
私はずっと前から気づいていた 。
あと1分でも 、君と居たかったな …
Girlside _ fin.