次の日、仕事の空き時間にスマホを開いた。
亮平くんと会えていない日が続いている。
このままじゃダメだと思うのに、どうすればいいかわからない。
『今度のオフ、いつになりそう?』
勇気を出して送ったメッセージ。
けれど、すぐに返ってきたのは曖昧な言葉だった。
『まだ分からなくて、ごめん』
仕方ないってわかってる。
でも、心のどこかで期待してしまう自分が嫌になる。
『そっか。仕方ないね』
そんな風にしか返せなかった。
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夜、ベッドに横たわりながら天井を見つめる。
亮平くんと出会った頃のことを思い出した。
最初はただの知り合いだった。
共通の知人を通じて知り合い、話す機会が増えるうちに、亮平くんの人柄に惹かれていった。
アイドルとしての阿部亮平ではなく、一人の人間としての亮平くん。
気遣いができて、ちょっと不器用で、だけどすごく真っ直ぐな人。
「こんな俺でいいの?」
付き合い始めたとき、彼はそんなことを言っていた。私にはもったいないくらい素敵な人なのに。
あの頃の距離が懐かしい。今はこんなにも遠く感じてしまうのに。
スマホを握りしめたまま、眠れない夜を過ごした。
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