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深夜、スマホが震えた。亮平くんからの着信だった。
「もしもし?」
「ごめん、今時間大丈夫?」
優しい声。でも、その優しさが胸を締めつける。
「うん。どうしたの?」
「最近、あんまり会えてないよね……」
亮平くんの言葉に、思わず胸が痛む。
「そうだね」
本当は、「寂しい」って言いたかった。でも、言えなかった。
「本当は、会いたいって思ってる。でも……」
「でも、忙しいんでしょ?」
自分で言った言葉が、思った以上に冷たく響いた。
「……ごめん」
亮平くんの声がかすれる。謝ってほしいわけじゃないのに。なのに、どうしてこんなにすれ違ってしまうんだろう。
「別に謝らなくていいよ。仕事、頑張ってるの知ってるし」
そう言ったのは嘘じゃない。でも、本当の気持ちは違った。
(会いたい)
その一言がどうしても言えないまま、電話は切れた。
電話を切った後、天井を見つめたまま動けなかった。
このままじゃいけない。そう思うのに、どうすればいいのかわからない。
亮平くんを責めたくないのに、心が追いつかない。
こんな気持ちになるくらいなら、いっそ——。
目を閉じると、最後に会った日の亮平くんの笑顔が浮かんだ。
やっぱり、嫌いになんてなれない——。