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「ただい、」
今、なにか聞こえた
嫌な予感がしたとても鳥肌が立つような
「んんっ!嫌ぁっ♡」
最初息が詰まるほど息苦しくて吐きそうだった
行きたくない
どうしようどうしようどうしよう
俺は意を決して入った
いつか、いやきっとこんな日が来るだろうとは思ってた
知らない人の髪の毛や
昔は吸ってなかったタバコも
知らない人の名刺も
普段着ないような服も
仕事疲れたかな、間違えて持ってきちゃったのかな?きっとセールしていたんだ!
という、薄く今にでも切れる淡い期待
「み、心琴?」
何でだろう、逃げ出したかったのに足が震える
「なんだよこのクソガキ?お前ガキいんの?」
「……違うのよっ!多分近所の子」
俺の目を見てくれなかった
「うっ」
吐きそうだ
「おいお前どっか行けよ?」
「うっ……あっ、」
声が出なかった
俺だって今すぐにでもここから去りたい
足が動かないんだよ
「すみません!私の子が邪魔してしまったみたいで!」
周さん、
今にでも泣きそうだった
「あぁ?早くどっかいけよ?」
「あはは、すみませんね。心琴行こう」
「心琴くん私の車に乗ろうか」
やっと安心できた
「はっ、うぅ……」
声にならない声とはまさにこういう事かと初めて実感できた
周さんはずっと俺の気が済むまで抱きしめてくれた
「安心してあの子たちは私の車で寝てるよ。
一旦、私の家に行こうか」
その優しい声にいつも救われてる
「すみません………」
「謝ることじゃないさ」
今じゃ前抱っこされても何も言えないほどに貴方にずっと触れていたかった
「ここは、」
「私の家だよ」
「えっ!?」
抱っこされてからの記憶が無いっ!
「よく寝たね!朝ごはんはパンケーキでいいかな?」
「は、はい!あの、妹たちは、?」
「もう朝食を食べて庭で遊んでるよ」
「そうですか」
綺麗な部屋だ、ここは、周さんのベッドかな?
家族みんな寝れるぐらいのでかいベッド
そして整頓されている書斎
「美味いかな?」
「はい、とっても美味いです」
そしてふわふわのパンケーキ
この人はなぜ僕たちにこんなに優しくしてくれるのだろうか
「すみません、ありがとうございます」
「だから謝らないでくれ」
そう優しく言う周さんは微笑んでいた
「私の家に住むかい?」
「え?」
耳を疑った
俺たちを哀れんでの言葉なのか
いつも嫌な方向に考える自分が嫌になる
「いや、迷惑ですよ」
「迷惑なもんか 私は心の底から歓迎するよ?
それともあの家に戻りたいかい?」
戻りたくない
「なにか俺に出来ることはありますか」
不思議だ、周さんは俺に対して笑顔を崩したことがない
とても完璧な存在
「今妹さんたちが庭にいるって言っただろ? そこにペットの犬が2匹猫が1匹庭とは別に馬が一頭居るんだ、その子たちの相手をしてくれないかな?」
「動物好きなんですか?」
「いや、色々事情があってね 今は私の家にいるんだ」
馬……本当に飼ってる人初めて見た
「心琴くんは動物を飼ったことがあるかい?」
「俺は、無いですね一度も」
「そうか、きっと心琴くんを気に入ってくれるよ」
そういう周さんは優しくもあり心が読めなかった
「お兄ちゃん!見て!猫!」
そう言って見せてきた猫はオッドアイの毛並みが白いとても綺麗な猫だった
「猫種はカオマニーと言ってね白い宝石って言われる猫なんだよ名前はリリーだよ」
「普通の猫と違うんですか?」
「カオマニーは純血種で普通の猫の大半は雑種だからね、でもどちらも美しいよ」
初めて見る猫だけど人懐っこそうでとても綺麗な目で白い宝石と言われることには十分納得出来た
「ワンッ」
「うわっ!」
「ビックリさせてしまったね、白い方がサモエドのシェリで黒い方がドーベルマンのシエルね」
「皐月様、来客でございます。」
「分かった今すぐ行くよ、代わりにこの子達をよろしく頼む」
「承知いたしました。」
凄い、これがメイドさんか、
今メイドをみたら文化祭でのおぞましい出来事が蘇る…
「心琴様と奏汰様と絃葉様ですね、 お部屋をご案内致します。」
「ここが_」
凄い、部屋がいっぱいある…
「あっ………」
そうだ今日
「心琴〜?居るか?」
「もぬけの殻ですね」
「家にいないってことか?」
「電話も出ませんし、どうしたんでしょうね」
「一旦連絡入れてコンビニ行くか」
「どうしました?心琴様」
「あのっ!すみません俺の携帯ってありますか」
「皐月様のお部屋にあると思います。先程心琴様が寝ておられた場所ですね。」
「少しすみません!戻ります!」
「うっわぁ、めちゃ電話来てる… もしもし?」
「おい!心琴どこにいるんだよー!」
「本当にごめん…ごめん今すぐ行くから」
「わかっ…ておいっ!誰?待って怖い怖い怖いっ!ちょっみこ…」
切れた……
「心琴様」
「うわっ!」
びっくりしたぁ……廊下でもすれ違ったけどメイドの人達足音しないんだよなぁ、
「廊下を走ってはなりませんよ。
そんなに焦らなくとも、お友達はもうすぐここまで来ますよ。」
「え?」