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「遥!!陸!!まさかゲームにmiカちゃんに勝ったのか?!」
そう言いながら駆け寄ってくる海夏人と菜々。
「そのまさかだよ海夏人」
「まじかよ〜」
「ありがとな!」
そう言いながら海夏人は陸の肩をポンと叩く。
そんな中、一言も話さない菜々が不思議に思い、
チラッと見ると私を睨んでいるように見えた。
だけどすぐに
「あの後、遥逃げれたんだ!!」
「ナイス〜」
と言いながら私の隣に立つ。
さっきのは気のせいだろうか。
それよりこの鳥居、
今度こそ “ 日常 ” に帰れるのだろうか。
それとも、また前みたいに
**『生き返りのデスゲーム』**をしなければ
ならないのだろうか。
そしてまたみんなは別れを告げ、
各々、決められた鳥居に入って行った。
だけど私の鳥居には南という文字は無く、
代わりに “ 真 ” という文字が書いてあった。
みんなが鳥居に入って消える際、
一瞬だけ見えたみんなの家の景色。
てことはもう終わったってこと?
でも結局ぬいぐるみの使い道はなんだったんだろうか。
それに、あの時発した『ライ』という言葉。
心残りのような不思議な出来事が
頭から離れない。
そんなことを考えながら私は鳥居をくぐった。
鳥居の奥はいつも見なれた自分の家の中の風景。
だが、違うところが一つあった。
それは色が無い。
全てがモノクロだった。
玄関もリビングも内装も。
全てが白黒だった。
「何これ..」
そんな情景に私はただ声を漏らすことしか
出来なかった。
もしかして私だけまだゲーム終わってない?
そんなはずは…
その時、
私の部屋から禍々しい黒い靄が見えた。
私は戸惑いながら部屋に向かうと
そこには私が幼い頃に描いた、
あの化け物たちの図鑑から竜巻のような
靄の渦の姿があった。
「うそ…」
このままじゃ私も飲み込まれてしまう。
一刻も早くここから逃げなければ。
そうして私は逃げようとした。
が、あることに気づく。
それはどこに逃げたらいいのか。
逃げたとて何をすればいいのだろうか。
ということ。
そう頭の中で考えを巡らせると、
もしかしたら渦の中に入ることが正解なのかもしれない。
あの本になにかヒントが書かれているのかもしれない。
と次々に色んな考えも浮かんでくる。