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「それにしても驚きましたね。あのファレル先生が俺の担当教官に選ばれるとは。この国で最も有能な魔術師の1人で、最高の名誉である王立騎士団からの引き抜きを拒否し続けた人間。俺個人としては、アルヴィアンに引き抜きたいのですがね。」これは俺の心からの本心だ。アルヴィアンの引き抜きは規模が大きい。王立騎士団や他の貴族家からの引き抜きを堂々と行った家はアルヴィアンくらいだ。近隣諸国から平穏や新しい生活を求めて移り住んだ人間も多い。アルヴィアンは彼らが望むものを、つまり金銭に名誉、裁量性と寛容性を、常に提供することができる数少ない家だ。
「残念ながら諦めた方が良さそうだな。」ファレル先生はぶっきらぼうに述べる。もっとも少しその対応がわざとらしいように思える。だが俺はそれに対して気がつかないふりをする。
「理解しています。でも未来は誰にもわかりませんから。先生の気持ちが変わる可能性は全くないわけではないかもしれないと、気休め程度に信じておきますよ
。」これも心からの本心だ。アルヴィアンは有能な人間に価値を見出してきた。だからアルヴィアンは繁栄したとも言える。他の貴族家や商会が馬鹿げていると考えたことを実現させるのがアルヴィアンだ。だからアルヴィアンは最もこの国で影響力を持つ家になれた。
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