※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File81:ロマンスの作法〉
「智世だ、智世。あの野郎、捜査協力を断ったぞ」
「そう……」
智世が捜査協力を断ったのを、私はあまり意外には思わなかった。
それくらい私の言葉は智世にとって重いものだった。
「なんだ。もっと意外そうな顔すると思ったんだがな。俺はちと驚いた。アイツは放っておけないタイプだからな。特に身元もわからんような奴は」
「……私がひどいこと、言っちゃったから」
法医人類学者としての矜持や私への思いやりを、ひどい言葉で切り捨てた自覚がある。
それでも、あの時あの言葉は本心だった。
私は臆病で、卑怯者だ。
もう苦しむのが嫌で、なのにまだ私を苦しめるのかと智世を傷つけてしまった。
智世が法医人類学者を辞めてしまったのは、私のような人間が彼を苦しめたからか*******************
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