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iоは、ただ、そこの場に唖然と立ち尽くすしか無かったんね。


「伊華、お姉さんと一緒に飯を食うといい」


独華に半ば強引に姉さんの隣にiоを座らせたんね。


「イタ王さん、あんたは俺と一緒に、な」


独華は、iоを座らせてから、イタ王さんを独華と相席させたんね。なんだか、iоはちょっとだけもやもやしちゃったんね。これは、姉さんのことでのもやもやじゃない、別のなんね。何かはまだ、よく分かんないけど。


​このもやもやはなんなんね?何か、ちょっと、苦しいような、そんな感情なんね。姉さんに感じてた、寂しい感じのもやもやじゃないんね。


iоが一人で悩んで、姉さんとの間に流れた沈黙を打ち破ったのは、姉さんだったんね。


「伊華、ごめんなんね」


「伊華は、ioが伊華の事置いていったの怒ってるんね?」


姉さんの声は少し震えてて、不安そうだったんね。


「iоは、怒ってるよりも、寂しかったんね」

「教えて欲しいんね。どうして、姉さんは、ioを置いていったんね?」


寂しいって感情で、今にも溢れ出そうな涙を堪えて、姉さんの包帯の下にある目をしっかりと見据えながらiоはそう言ったんね。


「理由は、ニつあるんね」


そう姉さんは言ってから、一息ついて話し始めたんね。


「ーつ目は、連合軍のせいなんね。彼奴等にイタ王様が連れて行かれた時、ioはそのドールとして行かないといけなかったんね」


「ニつ目は、伊華を守る為なんね。もし、あの時、 ioが変な抵抗をしたら伊華が巻き込まれる事になるんね」


そう話す姉さんの声はだんだん悲しそうで、苦しそうになっていったんね。


「本当に、ふがいない姉で申し訳ないんね」


最後に姉さんはそう言って頭を下げたんね。


「じゃ、じゃあ、なんで、行く時にioに酷いこと言ったんね?やっぱりioの事嫌いだからなん ね?」


もう駄目みたいなんね。さっきまでは我慢できてた涙がどんどん込み上げてきて、ゆっくり、iоの手の甲に落ちて行ったんね。


「そんな事ないんね!」


ガタッと音を立てて姉さんは勢いよく立ったんね。でも、直ぐに我に返ったのか、申し訳なさそうに下を向きながら座ったんね。


「ioが、もし、死んでも、伊華が悲しまなくて済むように、居なくなってせいぜいしたって言えるように、ioは、あんなことを言ったんね」


姉さんは、悲しそうに、申し訳なさそうに、苦しそうに、そう告げたんね。​

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