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第14話『開戦』
ゴォォォォォッ!!
合従軍の進軍太鼓が大地を揺らす。
函谷関の外では数十万の兵が動き始めていた。
無数の旗。
無数の槍。
無数の兵士。
まるで大地そのものが迫ってくるような光景だった。
函谷関城壁上。
秦兵たちは息を呑む。
「来るぞ…。」
「始まる…。」
誰もが緊張していた。
軍議は即座に終了した。
各将軍は持ち場へ向かう。
騰はじゃぱぱへ振り返った。
「あなた方はどうしますか?」
じゃぱぱは迷わず答える。
「秦側で戦う。」
その場が静まり返る。
秦のためではない。
中華統一のためでもない。
今ここで秦が滅べば、多くの人々が死ぬ。
だから戦う。
王翦は初めて口を開いた。
「理由としては悪くない。」
短い一言だった。
しかしそれは事実上の許可だった。
城壁上。
虹桃軍団は配置につく。
なおきり。
たっつん。
うり。
シヴァ。
それぞれが秦兵と共に守備へ入る。
やがて…。
合従軍が射程へ入った。
「放てぇぇぇ!!」
無数の矢が空を覆う。
ヒュオオオオオ!!
黒い雨のような矢。
秦軍も応戦する。
「放て!!」
両軍の矢が空中で交錯する。
戦争が始まった。
その頃。
合従軍本陣。
李牧は函谷関を見つめていた。
「虹桃軍団は秦側ですか…。」
予想はしていた。
しかし問題はそこではない。
李牧は地図を見る。
函谷関。
そしてその周辺。
ある場所に印が付けられていた。
まだ誰も知らない抜け道。
史実でも秦を最も追い詰めた作戦。
「準備は整いました。」
副官が報告する。
李牧は静かに頷く。
「時が来れば動きます。」
その目は既に函谷関の先を見ていた。
一方。
戦場最前線。
楚軍の攻城隊が前進していた。
巨大な攻城塔。
破城槌。
長梯子。
数の暴力が函谷関へ押し寄せる。
「押し潰せぇぇぇ!!」
楚兵たちが叫ぶ。
しかし次の瞬間。
ドォォォォン!!
巨大な岩が城壁上から落下した。
攻城塔が粉砕される。
さらに熱湯が降り注ぐ。
楚軍の前列が崩れた。
「まだまだやで!!」
たっつん隊が城壁上から次々と反撃する。
なおきりも槍を振るう。
城壁へ登ろうとした敵兵が次々と落とされていく。
だが…。
敵は減らない。
倒しても倒しても。
次の兵が現れる。
さらにその後ろから。
また次の兵が来る。
まるで波だった。
終わりの見えない波。
夕刻。
戦いは続いていた。
双方に多数の負傷者が出る。
だが函谷関はまだ破られていない。
その時。
見張りの秦兵が叫んだ。
「敵将だ!!」
全員が振り向く。
楚軍の中央。
巨大な軍勢が左右へ分かれる。
その奥から現れたのは…。
圧倒的な巨体。
圧倒的な威圧感。
楚国最強。
合従軍最強の武将。
汗明だった。
汗明は函谷関を見上げる。
そして巨大な矛を掲げた。
「秦よ。」
「余が来たぞ。」
その一言だけで戦場の空気が変わる。
秦軍の兵たちは本能的に理解した。
本当の戦いは…。
今から始まるのだと…。
コメント
1件
わあ、第14話「開戦」、すごかったです……! 合従軍の圧倒的な数、そして李牧の不気味な抜け道の暗示——。もう函谷関が今にも落ちそうな緊張感がすごくて、手に汗握りました。汗明が登場した瞬間の空気の変わりっぷりも鳥肌でしたよ。虹桃軍団が秦側で戦う決断をした場面、すごく胸にきました。続きが気になりすぎます🍙さん!
#リゼロ
すず
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