俺はぐちつぼ、帝国で刑務官をしている。 本当は軍人になりたかったのだが土管学校での恩師が勝手に推薦状を書きここになってしまった。
恩師とはかつての英雄、『青鬼』ことらっだぁだ。
らっだぁが英雄と呼ばれるのは数年前終結した大きな戦争で前線に立ち多いな貢献をしたからだ。他の戦争に活躍した偉人達も土管学校や軍に就職している。
俺は英雄、偉人達に憧れを抱いていたが実際はちゃらんぽらんな大きくなった子供の様な人達だ。稀に見る真剣な表情は英雄という名に相応しい気もするが普段からは英雄のえの字もない。
「ぐちつぼ!」
「は〜い!」
上官に呼ばれてしまった。仕事の時間だ。
「今日からお前には別の囚人を担当して貰う」
「誰すか? 」
「そうだな、…..まぁ、見れば分かる、」
見れば分かる…..有名なのだろうか?まぁ、誰でも変わらない。俺は仕事をするだけだ。
上官に案内されたのは薄暗い地下。少し埃っぽい。
「こんな所あったんすね」
「ここのスペースはお前が担当する囚人しか居ない 」
「えッ?!」
どれだけ危ない人物なんだ。そんな奴を新人の担当にするか?
そんな事を考えていたら扉の前に着いた。上官が止まり俺の横に来る。ここからは1人で行けということらしい。扉の横には独房という文字。少し怖いが怖がっていても何も変わらない。俺は重い扉を開けて入った。後ろから上官が
「ちゃんと仕事しろよ」
と言ってきた。俺をなんだと思ってるんだ。
さっきの通路も薄暗かったが中はさらに薄暗い。少し歩いたら直ぐに牢屋があった。牢屋の奥の方は完全に暗闇だ。その暗闇から薄汚れた服を着たボサボサ頭の男が出てきた。
「お前が新しい看守?」
「そうだ。俺はぐちつぼ」
「俺はラク」
上官が見れば分かると言っていたが…..全く分からない。誰かに似ている様な気がするが誰だろうか。