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ラクの担当になってから1週間。
「お前のご飯よこせよ」
「嫌だな!囚人は大人しく囚人用の飯食っ
とけ!」
「クソが、お前にこのパン食わせてやろうか?」
「そんなパッサパサで固いパン俺には相応しくねぇな」
「俺には相応しいってか?巫山戯んな」
何故かこうして喋るくらいには仲良くなった。こいつが何者かは未だに分からないが特に問題ないので別にいい。
ラクは俺によく喋りかけてきてはからかう。よく分からない男だ。声を出して笑う事はほぼないが口角を上げた笑顔は少しだけ見た。何故笑ったのかは分からなかったがその笑顔は目が笑っておらず少し悲しそうだったのを覚えている。
「ぐちつぼ」
「はい」
「囚人に面会だ」
「は〜い」
飯を食う時間が消えた。それより面会か、人と関わる様には見えないが家族か何かだろうか。
「面会だとよ」
「は〜い」
ラクの腕に重い手錠を掛ける。腕が細いので折れてしまいそうだ。ラクを先頭にし面会室へ移動する。
「入れ」
「はいはい〜」
「ぐちつぼじゃ〜ん!」
中に入り、俺は驚愕した。面会者が俺の恩師、らっだぁだったのだ。らっだぁの隣には偉人である緑色が座っている。みどりくんはらっだぁの側近、『運営』の1人。何故英雄達がラクの面会に…..?混乱しているとらっだぁが話し掛けてきた。
「上手くやってんのか〜?」
「当たり前っすよ!」
「ぐちサン馬鹿ダカラ…..」
「なんてこと言うんすか!」
「、てか…..聞きたかったこと聞いていいっすか?」
「何?」
「ラクとお2人はどういう関係、?」
「あれ?知らないの?」
「ぐちサン戦争ニハ詳しいト思ってタ」
「ラク言ってないの?」
「言う必要ねぇと思って」
「なんなんすか?」
「らっだぁの兄で戦争に最前線で戦ってた、それだけだ」
「はぁッぁ”?!?!」
「煩い」
言われて見ればらっだぁとラクは似ている。!見ていて分かった。最初に『感じた誰かに似ている』というのはらっだぁの事だったのだ。青い髪に青い瞳。らっだぁより色が深いが似ている。
「面会、始めてイイ?」
「あ、はい」
自分が持っているタイマーで時間を測り始めると同時にラク達が話し始める。と言ってもラクは殆ど聞いているだけだ。たまに相槌と反応をして。らっだぁとみどりくんが最近あった事を話している。こう見ると兄という感じだ。
「あ、お前ら差し入れとか持って来れないの?」
「ダメでしょ…..」
「何欲しいノ?」
「ご飯、囚人用は不味い」
「持って来れないよ」
「、レウサンノご飯、ミンナデ食べたい…..」
か細く、凄く小さな声でみどりくんが言った。らっだぁは苦しそうな辛そうな表情をしている。みどりくんも同じような表情だ。その中で、ラクは笑顔に苦しみを混ぜた様な複雑な顔をしていた。
「、お前らで沢山食え、ご飯はちゃんと食べろよ 」
「、分かってるよ」
「…..」
「みどり、そんな悲しそうな顔すんな。案外ここも悪くない。それにお前らとも話せるしな」
「ッ、コンナトコ居なくてイイノニ…..ッ、俺達ト何時でも話せた筈ナノニ、…..やっぱり、可笑しい、コンナノ」
「しょうがない。俺は危険だ。戦争が終わった以上、俺の利用価値はなくなった。」
「、利用価値とか、皇帝の勝手じゃん。俺らに戦争行かせたくせに…..」
「反逆罪になるぞ」
「別にいいよ。そしたらラクと一緒にいられるし…..」
「、そんな寂しがるな。笑顔でいないと楽しくねぇよ?」
「、ラク、頭、撫でてヨ…..」
「、ごめんな」
ラクには手錠が掛けられている。頭を撫でるなんて出きっこない。
「ピピッピピッ」
「面会終了です」
「は〜い 」
「ラク、マタネ」
「はい、仕事頑張れよ。後どうにかしてご飯変えろ」
「それは無理w」
「ファイトw」
なんて、先程までの重い空気は消え、軽い冗談を加え別れる