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「短いっすね。」「”必ず迎えに行く” “待っていて” “ もうすぐだから”
なんだ、これは! ソフィア、こんな手紙読む必要はない」
グレッグは、手紙を取り上げるとぐしゃぐしゃに丸めて捨てようとした。
「あー!先輩、だめっすよ。それは、ソフィアちゃんの手紙なんですから。あ、そういえば先輩が破り捨てた手紙も持ってきてるっす」
キースは、補修した手紙をソフィアへと手渡した。
「ごめん、ソフィアちゃん。補修する時に読んでしまったというか、見えてしまった。これも似たような内容の文でした」
「えっ?補修?」
「だって、先輩が━」
グレッグは、これ以上余計な事を話されないように、キースの口を塞ぎ言葉を遮る。
「ソフィア、ちょっとした不可抗力があったのだ」
「そ、そうなのですね。でも、わざわざ補修していただいてありがとうございます。 この手紙には”近いうちに会いに行く”と書かれています。 えっと、どういうことでしょう……?」
「ソフィア、この手紙は、証拠品として預からせてもらえるか?それと、元ノーマン邸には近づかないように。今は一時的に国の管理となっているが、もうすぐ競売に出される。手紙の送り主は、あそこにソフィアがいると思っているようだから、絶対に近づさないように。やはり、ストーカーだったか。心配しないで大丈夫だ。私が、必ず片付けておくから」
「えっと、私は外に出ることはなかったので、ストーカーではないと思うのですが……」
ソフィアの呟きは、グレッグの耳には届いていなかった。
グレッグは早急に対処すべく、キースと共に三日月亭を後にした。
✳︎✳︎✳︎
グレッグは本舎へ戻ると、すぐに隊長室へと向かった。
ノックの返事を待つのももどかしく、室内に入室して早々に本題を切り出す。
「隊長、しばらく休暇をいただきます」
「グレッグ、ちょうどいいところに来たな。ん?珍しいな、休暇申請か?」
「はい、例の手紙の件で、早急に始末しなければならない者がいますので。(ソフィアの)命に関わる重要案件です」
「グレッグ……。手紙を届けたことは褒めてやる。が、始末しないといけないような相手だったのか?」
「隊長に褒められても嬉しくありません。キースを、見張りによこしていましたね。信用されていないのがよく分かりました。なので、個人的に重要なことなので、しばらく休暇をいただきます。」
「お前なぁ、もう少し目上の者を敬え。まぁ、休暇は構わないが……。一応、お前の耳にも入れておく。アンジェリカ嬢の乗った馬車が、事故にあったそうだ。安否も含め調査中だ」
「事故?今どこに?」
「不明だそうだ。峠を越える途中、カーブを曲がりきれずに、崖下の川に転落したそうだ。遺体の可能性も含めて川を捜索している」
「護衛は何をしていたんですか?」
「ちょうど死角に入った時で、護衛の者も転落の瞬間は見ていないそうだ。」
「逃亡の可能性は?」
「まぁ、かなり憔悴していたし、その可能性はないだろう」
「車内に一緒に乗っていた者がいるはずですよね?その者は?」
「ん?あー、確か……」
隊長は、手元の資料をパラパラとめくり、確認する。
「名前の記載はないな……。女性職員が同行の予定だった。が、急遽変更となっている。まぁ、関係ないだろう。 きっと、天罰が下ったんだな」
「この件も含めて、しばらく調査に向かうので戻りません。アンジェリカ嬢のことは、ソフィアには言わないでください。無駄に心配をかけたくないので」
「あぁ。止めても無駄だろうから、好きにしろ」
「失礼します」
グレッグは、その足で三日月亭へと再び戻ることにした。
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