病んでる岸ちゃんって最高ですよね?(?)と言うわけで書きます!
⚠︎キャラ崩壊、18禁表現あり、モブレ表現あり⚠︎
それでも良い方はどうぞ!
「…….(疲れた、わ…..)」
暗い顔をして路地裏に蹲っているのは天王寺組戸狩派の岸本隆太郎。外はもう暗く小雨も降っていた。岸本は地面をただじっと見つめてぼーっとしていた。岸本にとってはこの時間が勇逸休憩が出来る時間だった。
「事務所、帰りたないな…..」
岸本は既に守代を回収している為いつでも事務所に帰れた。だが岸本は事務所には帰りたくなかった。事務所に居たくなかった。だけど岸本はその悩みを誰にも明かさなかった。いや、明かそうとしなかった。
「……(でも、早よ帰らんと怒られ、る….)」
岸本は嫌々立ち上がり一歩、二歩とゆっくり事務所に向かい始めた。路地裏から出ると一気に景色が明るくなった。繁華街は夜でも栄えている為人も多かった。スカウトやナンパしている人など繁華街には色々な人がいる。岸本はそんな光景を遠目に見ていた。
「…..(眠い….)」
「そこのお兄さん、今暇?」
岸本が歩いている途中、声を掛けられた。一体何の目的かは分からなかったが岸本は一度立ち止まった。岸本は守代が入っている封筒をポケットにしまい男性の顔を見つめた。
「眠たそうやし、お兄さんがええ場所連れてったるわ」
「あ….ぇ….」
岸本はそのまま手を引っ張られどこかに連れてかれた。引き離そうとしたが今の岸本には力が入らなかった。疲労がたまっていたせいだろう。岸本はラブホテルに連れて行かれているのを知った瞬間に顔が青ざめていった。逃げようと抵抗してみる。
「や、めてや….」
「なんでや?きっと疲れも癒されると思うで?」
そう言いながら岸本を掴んでる男性の手の力が強まった。岸本は痛みで顔が歪む、抵抗も何も出来ないままラブホテルもチェックインされ部屋に無理矢理入れられ乱暴にベッドに投げ捨てられた。
「い”ッ….」
「今から撮影するから、大人しく言う事従ってな」
「はっ….さつ、えい….?」
「そうやで、やから抵抗せんといてーや」
岸本は両手をぎぅっと力強く握られ拘束されてしまった。岸本は足をじたばたさせ抵抗するがそのままズボン、シャツ、パンツなど服を徐々に脱がされて行った。
「やっぱり俺の勘は当たりやわ、めっちゃ身体綺麗やなぁ」
「ヒッ…..や、やめてや…..」
あれから朝方になるまで岸本は抱かれていた。岸本の腰はとうに砕けておりまともに歩けない状態だ。男性は満足したのかそのままお風呂に入りホテルから出て行った。ホテル代は払ってなと冷酷な目線でこちらを見て。
「はっ….はっ….(あかん、守代も取られてもう、た….)」
守代も取られ事務所にもちゃんと帰れなかった岸本は身体を穢されて怖かったと言う感情より兄貴達に怒られると言う恐怖で満たされていた。岸本は腰が痛みながらも無理矢理服を履き事後処理をしてからホテルに出た。
「…..(怒られる…..)」
「す、すんま、へん….守代取られてもう、て….」
「は?お前朝までほっつき歩いとった挙句に守代まで取られたん?はぁ…..」
岸本は事務所に渋々戻り渋谷に守代を取られた事を素直に報告した。が、渋谷はため息をつき僅かながらしか聞こえなかったが少し舌打ちをしていた。怒っているのだろう。岸本は渋谷が怒っているのを察して黙り込んでしまった。レイプされた事は誰にも岸本は教えてない為岸本の信頼や印象が下がるだけの誰も特しない事になってしまった。
「……ほんまにすんまへんでした….」
「もうええよ、早よ仕事し」
「へい….」
岸本は酷く落ち込んだ状態でデスクに座り資料の整理を始めた。寝不足や疲労のせいか少し視界が霞んでおり、岸本の体調はあまり良くなかった。
「…..(仕事….)」
「アホの岸本、お前大丈夫なん?体調悪そうやけど」
「え…..?えっと…..」
「….ちょっとこっち来てや」
そう言うと室屋は岸本の腕を引っ張り仮眠室に向かった。仮眠室に着くと室屋は岸本をベッドにそっと寝かせ岸本に問い詰める。
「昨日、なんかあったんやろ」
「!!!えっと、な、なんでもない、ですよ?ただ俺が寝てしもうただけです….」
「嘘つけアホの岸本はそんなミスは絶対せえへん」
「…!!」
室屋はもう勘付いていた。岸本が普通に寝て守代を取られたんじゃないと。室屋は岸本の瞳をじっと見つめ岸本の様子や視線などをじっくり見る。
「….お前、なんかされたやろ」
「は、はは何の事、ですか?」
岸本は冷や汗をかきながら必死に分からないフリをしていた。誰にも教えたく無いからだ。それでも室屋は再度じっと岸本をまた見つめる。
「ゆっくり話してもええから、教えて欲しいねん。俺の大切な舎弟やから」
「!!!…..(大切な、舎弟….)」
室屋の口から出た大切な舎弟、この言葉を言われた瞬間心がとても温まった、懐かしい感覚がした。岸本の目元が徐々に熱くなり鼻もツンとしてきた。
「ッ”……」
ギュッ…..
「?!岸本…..」
岸本は室屋に抱きついた。室屋はそんな岸本をみてとても悲しい気持ちになった。自分の舎弟がこんなにも声をあげて泣いているのだから。
「ん”ッ….グスッ…..」
「……(ずっと我慢、しとったんやろな….)」
室屋は岸本に今まで少し当たりをキツくしたり、仕事を押し付ける事が多くなった為後悔をしていた。岸本の心をこんなにもボロボロにさせてしまった…..室屋は自分自身が憎ったらしくみえてきていた。
「お”れッ…..兄貴、たちが、最近冷たくて”ッ….グスッ…..こわく”て…..ゲホッゲホッ……かえり、に”変な人に、おそ”われ、ッて…ズッ…..それ”で守代、取られて……ッぅ….グスッ…….」
「!!!レイプ、され、たん…..か…..」
聞き捨てならない言葉が次々と出ていく、まず自分達が岸本を追い詰めていた事。だがレイプされたと言う話を聞いた瞬間室屋は頭が沸騰するような怒りを感じた。自分自身も許せないが岸本をレイプした奴も許せない。室屋から徐々に殺気のオーラが漂ってくるのが岸本の肌からでも感じられた。
「ッズ……む、ろやのあに、き?」
「ごめんなぁ…..岸本の事追い詰めてしもて…..やけど、岸本の事穢すゴミも許せへんわ」
「!!!」
室屋は岸本の頭を撫でちょっと待ってなと言い部屋を出た。室屋が向かっている先は渋谷と馬渕が話しているところだった。室屋は渋谷に話しかける。
「渋谷の兄貴あの、今お時間空いとりますか?」
「あー今?今なら空いとるで」
渋谷はお好み焼きの材料を取り出しながら室屋に話しかける。馬渕はその隣で眺めているのだろう。室屋は近くの椅子に座り渋谷に本題を話す。
「…..渋谷の兄貴、最近俺ら岸本に冷た過ぎやないですか?」
「しゃあないやろ、守代もまともに回収出来ないんやし、仕事もミスばっかで俺らは甘やかしすぎたんや。やから厳しくせんとアイツなんも成長出来へんやろ」
「まあ、岸本最近調子こいとるしそんぐらいが妥当やないか?室屋」
岸本の現状の印象は二人ともあまりよくない印象を持っているようだ。室屋はその話を聞いてなんにも岸本の事知らないくせにと脳内で自然とそう思ってしまった。岸本がどれだけ辛い思いをしてるかもしらないのに。
「……そうですか」
「そやろ?岸本は俺らが居らんとなんも出来へんからええ加減どうにかして欲しいわ」
「……(岸本やって努力しとるわ….)」
馬渕の聞き捨てならないセリフに室屋はカチンと頭に来たが抑えていた。岸本は皆んなと仲良くしたいだけだし、仕事もそれなりにちゃんと出来ているはずだ。室屋は少し黙ってからもう一度話す。
「……岸本、守代取られた時何されたと思いますか?」
「?半グレに絡まれて喧嘩負けて取られただけやろ」
「一応説教はしといたんやけど反省したかは知らへんけどな」
渋谷と馬渕は半グレに襲われて取られたのではないかとと言う考えに至った。室屋はその回答を聞いて渋谷と馬渕を一瞬睨んだが室屋は冷静に岸本に何が起きたかを説明する。
「…..岸本、アイツ…..俺に泣きながら『兄貴たちが最近冷たくて怖い』とか『帰りに知らん男の人に無理矢理レイプられた』とか勇気出して俺に話してくれたんです。…..渋谷の兄貴、馬渕の兄貴、俺らが岸本の首を絞めてるようなもんです。ええ加減分かってあげて下さいよ。岸本も岸本なりで頑張っとるんです。知っとります?岸本が毎日夜中までぶっ通しで働いとんのもどうせ知らへんやろ?俺は岸本に冷たくした事、凄い後悔しとる。岸本、毎回俺らのために頑張っとったやないですか。なのになんで『俺らが居らんとなんも出来へん』とか勝手に決めつけるんですか?岸本がいつ死んだって、おかしない状況なんです…..舎弟が辛い時にカバーするのが俺ら兄貴分の仕事やないですか….?」
「……!(レイプ….)」
「……(レイプられたんか….)」
ずかずかと来る正論に渋谷と馬渕は黙り込む。室屋は立ち上がって渋谷と馬渕のところに接近し次の瞬間、渋谷と馬渕の胸ぐらを掴む。
「ええ加減にして下さい。あんたらこそ、岸本にばっかり仕事押し付けとるやないですか!あんたらの方が何も出来へんじゃないですか、人間性も、性格も、アイツの方がよっぽど出来とるのに何岸本の事見下しとるんですか?ええ加減にして下さいよ、あんたらがくだらん時間過ごしとる間にアイツは、岸本は…..」
「!!!室屋…..」
「……」
気がつけば室屋の目元から涙が溢れていた。室屋が泣く事なんてそうそうにない。渋谷と馬渕は室屋が泣いてるのをみて黙り込み沈黙が続く。室屋は手を離し二人に一言告げる。
「岸本に、謝って下さい」
あれから数時間後、室屋が岸本の事をレイプした奴を殺しに行くために外に出た。そのタイミングで渋谷と馬渕は岸本の居る仮眠室のドアをコンコンとノックする。
「岸本….俺や、渋谷や」
ガチャ….
「……どないしました、か?もしかしてこの前の資料、何処か間違え、とりました、か…..?」
「いや、えっとちゃうねん、その謝りたくて….」
気まずい空気が流れる。岸本は渋谷と話しては居るが視線はずっと逸らしている。怯えているのだろう。岸本の目元は泣いた跡があった。暫く時間が経った後岸本が話す。
「兄貴が謝らんでもええです、よ?全部、俺のせいなんです….俺が、無能で、役立たずで、何も出来へんから….ごめんなさい….」
「岸本…..」
岸本から出た言葉は自分の事を貶す言葉ばかりだった。渋谷や馬渕、室屋が岸本にプレッシャーをかけていた時点でもう、岸本はおかしくなっていたのだ。みんなに責められる度、自分が無能なんだなと日に日に思わされていた。
「ごめん、なさい….俺なんか、消えた方がええですよね….迷惑かけてごめんなさい…..兄貴たちの期待にも、答えれん奴なんか、要りませんよね….ごめんなさい….」
「!!そんな、事ないやろ….なんで自分の事そんな貶しと「….生まれて来て、ごめんなさい…..」
「…!!!」
「!!….」
岸本は渋谷と馬渕の顔を見て無理矢理笑顔を作ってそう発した。渋谷と馬渕は自分がどれだけ岸本を追い詰めたのかようやく、理解出来た。途端に渋谷と馬渕は後悔をし始めた。いつも笑顔で明るい岸本の事を、壊した事に気づいたのだから。
「….俺なんか要らへんのや。きっと兄貴たちからしたら邪魔やし….ほんなら今ここで俺死にますね」
「は….何言って」
「やって、俺は兄貴達の役にも立たへんゴミなんです!ゴミは消えた方がええですもん!やから俺死にます!」
岸本はずっと作り笑いをしながら渋谷と馬渕にそう告げた瞬間に自分の忍者刀を取り出した。岸本は忍者刀を自分の頸動脈に押し当てる。渋谷と馬渕は急いで岸本を止めにかかった。
「阿呆、早まるな…..」
「駄目や、岸本やったらあかん….」
「……なんで、なんで止めるんですか?俺が死ぬんですよ?ゴミがいなくなるんですよ?兄貴達からしたらええ事でしょ…..?」
岸本の目元から涙が溢れていた。岸本の精神がおかしくなっているせいか情緒不安定だった。岸本の目の奥は常に黒く濁っていた。あの時のあのキラキラ輝いていた目とはかけ離れていた。渋谷は咄嗟に身体が動いていたのだろう、岸本に抱きつく。
ギュッ…
「….!あ、にき….?」
「ごめんなぁ…..ほんまにごめんな…..俺たちが岸本の事追い詰めとったのなんで気づかなかったんやろなぁ….辛かったよな….俺らが助けてあげんかったから….一人で抱え込んどったんよな….俺たちに甘えたかったよな….やのに俺が突き放したから….ごめんな….ほんまにごめん…..」
「….俺も、岸本に雑務押し付けてばっかですまん….岸本の気持ち理解出来へんくて追い詰めてしもうて….どう言う顔して、お前と接せればええんやろなこれから….なんて詫びたらええか….」
「…..兄貴達が謝っとる、なんて、変なの….」
その言葉とは裏腹に岸本の目元から沢山涙が溢れていた。あの暖かい兄貴達が戻って来たような感じがして嬉しくなっていた。岸本の理想していたあの平穏な日々が実現されそうな気がした。
「…..俺らも仕事手伝うから、ちゃんとカバーするから死なんで欲しい….お願いや…..」
「….」
「…..兄貴達が、そう言うなら、もうちょっとだけ頑張ってみます」
渋谷は泣きながら岸本に話す。馬渕は涙が一滴ニ滴溢れていた。岸本は渋谷と馬渕に再度抱きついて本音を言った。
「俺….兄貴達の事…..大好きです、ちょっと厳しいところもあるけど、ほんまは優しいの、俺知ってます。やけど今回はしんどかったですね….多分、疲労も溜まって俺、おかしなっとったんやと思います….すんまへん…..」
「謝らんでや….俺らが悪いねん….」
「岸本はもう謝るなや….次謝ったら怒る…..」
岸本は兄貴達の温もりを感じながら次第に瞼が閉じていき、完全に閉じた数十秒後すうすうと眠りについていた。ずっと寝ていなかったせいかいつもより気持ちよさそうに寝ている。
「すう、すう…..」
「….当分と言うか、もう二度と岸本に仕事は押し付けんで起きますわ兄貴…..」
「嗚呼、そうやな….」
渋谷と馬渕は今回の事を踏まえ、岸本に二度と仕事を押し付けないことを誓った。
おまけ
「えっと、お、おはよう御座います….」
「岸本!お好み食べるか?それとも飴ちゃん舐めるか?」
「いやいや、渋谷の兄貴ここは岸本にマッサージしたった方がええですよ」
「はぁ?!岸本はぜっっったいお好みの方が喜ぶわ!!」
「疲労が溜まっとるならマッサージが一番でしょ」
「…..(兄貴達こわぁ….笑)」
「…..(こりゃよっぽど反省したんやろな〜…)」
親バカならぬ岸本バカになった渋谷と馬渕を呆れながら見ていた岸本と室屋であった。
コメント
7件
マジでティッシュめっちゃ使ったぐらい泣きましたわ、主さんとっても神です、
泣けました。。。。 まじで涙腺崩壊しました。。。。。
色々しっかりしすぎててすげぇ…その世界にいるんじゃないかって言うぐらい最高だった👍