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ちゅ、ちゅぱ。ちゅ~…っ。
は…あふ、はぁっ…。…はっ。
どのくらい、そうしていただろう。
いやらしい水音と熱っぽい息が、吸い吸われる唇が、時間の概念を曖昧にして行く。もっと、ずっと、もっと…けれど終わりは果たして来た。 名残惜し気に覗く舌先へ小さく口付け微笑む。愛する人も微笑んでくれる。俺を蕩かす、一番大好きな笑顔で。
…こつん。
額と額をくっ付け、襟足をかりかり甘掻く擽ったさに身を捩る……と、体内をナニかが蠢いた。
「ひゃ…あんっ!」
思わず高い声が綻ぶ。…恥ずかしい。固く口を噤み、恐らく赤いだろう顔を目の前の肩へ伏せて隠す。くっくっ…掠れた笑い声をさも愉しげに響かせるめめは、俺の髪を掻き混ぜながら耳打つ。薄い朶を淡く噛んで。
「……離れたくないけど抜こっか。阿部ちゃん、腰上げられる?…ゆっくりでいいよ」
撫でで背中を労り促す言葉に頷き、力なく震える腰を擡げてみる。内壁を擦り抜け出る快感で顎が上向く。
「…あ、あ…あっ。~…んっ」
また声が…!きゅっと唇を引き結び、めめの首へ絡めた腕へ体重を預け気を取り直す。
ぬちゅ…ごぷっ。何度聞いても慣れない粘着音に体温が跳ね上がる。耐え切れなかった生理的な涙が垂れた時、
「あっ…そっか、やべ。ちょっと待った」
「っは……どう、したの…?」
突然の抱き竦めで動きを止め、伺う。弱った感有り有りで渋面を作るめめ。小首を傾げて待ってみる。僅かな沈黙の後、放たれたのは意想外な言葉。
「えー……とさ。二回も出しちゃったから、今抜くと…多分、絶対マズいかも。うーんと…、…ごめん、阿部ちゃん。また無理させる」
「……え、どういう…────っ!あっ…ああ!」
「マジでごめん…!なるべくそっと行く。着くまで…頑張って」
真意が読めず傾げが深くなった俺を、唐突で激しい衝撃が襲った。ふわりなんてものじゃない浮遊感、繋がった箇所から体中を痙攣が走る。めめが俺の尻を抱え立ち上がっ……たっぽい。早歩きをしているのだろう小刻みな突きが甘く苛む。助けを乞う一心でめめにぎゅっと掴まり、声ともつかない音を立てながら、揺れる中で何時しか意識を手放した。
温かい。ぼう…と霞む視界を瞬きで徐々にクリアにして行く。ど…こ、此処。お湯?もしかしてお風呂に入って…る?状況を把握し切れない…。混乱に身動ぐ俺の耳元へ囁きが降った。
「あ……起きた?良かった…目、覚ましてくれて。具合悪いとか、痛いとかない?大丈夫…?」
これは…めめの声だ。じゃあ、後ろから抱き締めているのもめめ?何があって、何故こうなったんだっけ…こんがらがった糸を一本一本解いてみる。
「────…~っ!!」
……バッチリ思い出した。羞恥で火照る顔を両手で覆い、湯面ギリギリまで伏せて思いっ切り隠す。恥ずかしいなんてもんじゃない。いっそお湯に潜って見えなくしてしまいたい、でも出来ない。溺れちゃうから。そんなもどかしさに足をバタ付かせた。
「えっ、阿部ちゃん…!?ちょっ…苦しいの?辛いのどこ、教えて?」
暴れる不審者な俺のあちこちに、優しい掌が這う。無理に落ち着かせるでもない仕草は気遣いの表れ。心配掛けちゃ駄目だ…葛藤と一悶着の末、めめの指先を握って首をブンブン振って見せる。
「…ごめん、ちょっと動揺してて。でも大丈夫、だから。体も…~じ、じんじんはしてるけど、痛くも苦しくもないよ。…有り難う、めめ」
「はー……うん、安心した。やっぱ準備しないでするの、今回切りにしよう。阿部ちゃんが怪我でもしたら俺、自分で自分が許せなくなるし」
「えっ…今日のは俺がいいって言ったからでしょ?めめが自分を許せなくなるのは違うよ。…でも、そうだね。どっちも責める事がないように、準備はちゃんとするようにしよう」
耳を擽る長く深い嘆息に心底からの安堵を知り、漸く俺は微笑めた。覆い被さる大きなわんこへ気持ち凭れ、スリスリ頬擦る。こめかみへキスが落ちた。
「ふふ、優しいね…ほんと。ん…あ、そう言えばさ、何であんな無茶したの?俺の為だとしても他に方法あったでしょ、手とか口とか素股とか」
「………へっ?………」
甘ったるぅい雰囲気と愛しい人とへ浸る夢見心地を、予期不能が打ち砕く。…手?…口?最後のは分からないけれど、言われてみれば……。
素っ頓狂な声の後が続かない、完全思考停止だ。固まったままの俺に気付いたらしいめめの肩が震えている。…嫌~な予感。手をぎゅっと握り返され、ついに爆笑し始めた。
「あっはっは……マジでらしい!あ~…阿部ちゃん、阿部ちゃん本当に可愛いね。好きだわ、そういうとこ。堪んない」
「ゔっ…~しょうがないじゃん、思い付かなかったんだから!か…可愛くないし、そんな好きは嬉しくないっ!」
「はいはい、思い付かない阿部ちゃんは可愛いの。認めてね?…ふふふ、じゃあ……好きだよ。愛してる」
さっきまで余裕なかったのに、今は色気と包容力たっぷりに愛を紡ぐめめ。何時も言われる可愛いだって、俺に言わせればめめの方が可愛い。でも格好いいって思う時も勿論沢山あって、魅力に満ち溢れている素敵なめめ。
囁いてくる熱の篭った愛の言葉が、俺の心も体も溶かしていく…貴方に愛されて、とても幸せだよ。有り難う…。
握る手の甲へ己のもう一方を添え、目と目を確かに絡めて恋慕を伝える。
「…俺も、愛しています。めめがだぁ…い好き」
続
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ルカ🐬💤
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