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午後の授業に彼奴は出席しなかった。俺の後ろは空席になっており、俺の心には小さな穴が空いたような気がした。何時もならば、授業中は授業のことしか考えないのに、彼奴は今どこで何をしているのだとか……そんなことばかりが気になって集中できなかった。幸い、現代文の授業だったため、聞き流しても問題はなかったのだが、無駄にモヤモヤする時間を過ごしてしまったと、俺はグラウンドを見ながらため息をついた。
(あいつ……今頃何処にいるんだろう)
俺は朔蒔のことを考えている自分に気がつく。あんなにも嫌いで、関わるのだって嫌で仕方なかったはずなのに、今は彼に会いたいと思っている自分がいて困惑してしまう。
(いやいや、会いたいわけじゃないし、俺とあいつは昨日知りあったばっかだし……)
そう自分の中で言い聞かせながら、授業の終わりの号令を聞き逃し、一人タイミングがずれながら挨拶をし着席をした。
自分らしくない。こんなの俺じゃ無い。
そう思いながらも朔蒔のことが頭から離れなくて、俺は机に突っ伏すと目を閉じる。
「星埜くんどうしたの? 具合悪い?」
「え、ああ……楓音、ううん、違う。大丈夫、ちょっとぼーっとしてただけ」
ホームルームも終わり、部活に行く人やら教室に残る人やらバラバラだったが、楓音は心配そうに俺に声をかけてくれた。楓音の優しさに感謝しつつ、俺は生徒会の仕事があったことを思いだし鞄に教科書類をつめると楓音に帰りは如何するかと聞く。楓音は今日は塾だからと残念そうな顔をして帰っていった。
そして俺は一人で生徒会室に向かう。生徒会室の扉を開けると、中には誰もおらず電気だけがついていた。奥の棚から書類を取り出し、自分のデスクに座り作業をする。といっても昨日の残りを片付けるだけだったため以外と早く終わり、生徒会室を出たタイミングで教師に声をかけられ、体育倉庫を見てきて欲しいと頼まれたため俺は体育館に向かった。
薄暗い体育倉庫に足を運び、中に入るとボールのカゴやらマットやらが乱雑に置かれており、埃っぽかった。
目的の場所に着くと、俺は早めに済ませて朔蒔でも探すかと、倉庫の奥へと進んでいく。
そういえば、この辺りは滅多に人が来ないと誰かが言っていた。まあ、人が滅多に来ないだけで外周している陸上部の生徒が通ったり、何かとものの出し入れは頻繁に行われているため、滅多には間違いなのかも知れないが。
そんなことを思いながら俺は今度の体育祭で使うもののチェックをしながらまわっていると、ガシャンッ!という大きな音が聞こえてきた。その音の発生源であろう場所に足を運ぶと、そこには先程まで探し求めていた人物がいた。
彼は俺を見ると、一瞬驚いた表情を浮かべたがすぐにいつもの余裕のある笑みを浮かべる。まるで、宝箱を見つけた子供のように。
「星埜発見~」
「朔蒔……お前、午後の授業サボって何処行ってたんだよ」
「ん? 保健室?」
彼は悪びれもなくそう言うと、俺に近づき俺の腰に腕を回してきた。突然の行動に俺も驚いてしまい、思わず朔蒔から距離を取ろうとしたが、彼がそれを許してくれる訳もなく、そのまま俺は壁に押し付けられてしまう。
「放課後になって教室いったら星埜いねェし、楓音ちゃんに聞いても生徒会室にいったんじゃないとか言われるし、そしたらまたいねェしで、俺との約束破ったのかと思った」
しゅん……と悲しむような素振りを見せてくる朔蒔だが、それは演技だ。だって、目が笑っていない。
本気で、俺が置いていったと思っているらしく、首を傾げて白い歯を見せて笑う。
「俺さァ、結構傷つきやすいんだよなァ」
「知るかッ! お前から、何処か行ったくせに……俺は、お前のこと」
「俺の事? 何?」
俺の言葉を遮るように、朔蒔が俺の耳元で囁いてきて、ぞくりと身体が震えた。
そんな俺の反応を楽しむように、彼は舌なめずりすると俺の耳に口を寄せたまま話を続ける。
吐息が、かかる。彼の言葉が、直接脳に響いていく。
何だか、言いようにされているようでそれが悔しくて、俺は唇を噛み締めると彼に反抗するように睨みつける。でも、それすらも彼の興奮材料となるのかニタァと朔蒔は笑って、俺の頬を撫でた。
「って、俺は今仕事してんだよ! あっち行ってろ!」
「えェ、そうやって逃げる気じゃん」
「……終わったら、お前につきやってやるから」
「ハッ、言ったな?」
そう言って、朔蒔は俺から離れ近くの跳び箱の上に陣取ると、そこから俺を見下ろしていた。
俺は、彼の機嫌が良い内に仕事を済ませようと朔蒔を横目で見ながら倉庫内を確認してまわる。なんで、俺が彼奴の機嫌を考えないといけないのかと思うけど、まあ約束した以上は仕方がない。
「……早く終わらせよ」
俺はままならない気持ちを抱えながら、歩いているとすっかり頭が朔蒔のことで一杯だったためか柄にもなく足を滑らせてしまいそのまま床に尻餅をついた。
「星埜~すっげェ音したけど無事か?」
「ちょ、来るなッ! 来るなというか、来るならこれどうにかしてくれ」
と、俺は自分がどうなっているかを彼に伝えるべきかと考えている内に朔蒔は俺の前まで来て、俺の状況をすっかり理解してニヤニヤと笑いながらしゃがみ込むと、俺の頬をつついた。
俺は、転んだ拍子にネットのようなものに絡まって身動きが取れなくなっていた。一体どうしたらこんな絡まり方をするのかと自分でも思ったが、動けば動くほどに絡みついてくる。
「うわ~絶景」
「馬鹿なこと言ってないで、これどうにかしてくれ」
「どうしよっかな~」
朔蒔は笑うばかりで、助ける気など微塵も感じられない。かといって、本当に助けて貰えなければこの人気のない倉庫で俺は助けが来るのを待つか、この醜態をさらしながらはって外に出るかの二択を迫られることになる。それだけは何としても避けたいところだった。どちらにしても、この醜態をさらさなければならないわけだし、一日放置もキツすぎる。
俺は、助けてくれないであろう朔蒔を置いてどうにか絡まったネットをほどこうと悪戦苦闘するが、こんがらがるばかりで解決には向かわない。寧ろ酷くなっていく一方だった。
そんな俺を見ていた朔蒔は、終始笑っていたがいきなりピタリと動きを止めて何度か瞬きしていた。俺は如何したのかと彼を見上げると、その時には既に彼の顔には笑顔が戻っており、その笑顔も悪寒を感じるもので、これから予期せぬ事が起きると本能的に察してしまった。
そして、それは見事に的中することになる。
「ヤベェ、勃った」
「は……? お前、何言って……」
「いや、だって星埜が悪いんだし」
意味不明なことを言い出す朔蒔に困惑していると、彼はうつぶせになって倒れている俺の上に乗っかると、そのまま腕を押さえつけて動けないようにしてくる。そんな朔蒔の行動に、俺の頭は真っ白になり、抵抗することも忘れてしまう。俺の反応を見て、朔蒔が笑っているような気がしたが、今は確認できない。
だが、堅く熱いものを自分の尻に当てられているのが分かると、俺の頭はさあぁと血の気が引いていく。
(え……ま、本気で、勃って……っ)
朔蒔の言っていることが本当だと悟ってしまうと、恐怖で身体が固まってしまった。そんな俺の反応を楽しむように朔蒔は俺の耳元で息を吹きかけてくると、そのまま首筋へと舌を這わせてきた。生暖かい舌が肌の上を這いずり回る感覚にぞわりとして、声が漏れそうになるのを必死に堪えた。
「やめろッ!」
「えェ、星埜だって、乗り気だったじゃん」
「誰がッ!」
「またまたァ」
「ふざっけんな! いい加減にしろよ」
そう怒鳴っても、朔蒔は聞く耳を持たず、それどころか更に興奮していくようだった。全く思考回路が理解できない。
俺が思考をぐるぐると回し続けている間にも、馬乗りになった朔蒔は俺の尻に堅くなったモノをぐりぐりと当ててきて、愉しそうに笑っている。此奴は矢っ張り頭が可笑しいと俺は、ネットが絡まった身体を捩るが、余計に絡んできて身動きが取れなくなるだけだった。
俺はもう諦めて、この状況を受け入れるしかないのかと半ば絶望していた。でも、受け入れれるわけがなく、俺は男だし朔蒔だって別にホモではないはずだ。何故、こんなことになってしまったのだろうか。
朔蒔が何を考えているかなんて、分かりたくもない。ただ、一つだけ言えることはこのままでは確実に犯されるということだけだ。
俺は、力を振り絞ってどうにか朔蒔の下から抜けようともがく。
「あ~逆効果だって。もしかして煽ってる? 才能あんね、星埜。俺、抵抗されると興奮すんだけど」
「……ひッ」
抵抗など虚しく、俺は朔蒔に下着事ズボンをずらされ、朔蒔に露わになった尻を晒すことになってしまった。
「ッ、つめたッ! お前、何垂らして……」
「ん~? ローション?」
疑問形で答えられても困る。というより、何でこんなものを持っているのか。
俺は嫌々ながらも、後ろの穴に冷たい液体が垂れて、それが流れ込んでくる感触に耐えていた。気持ち悪い。早く終われと念じながら目を瞑っていたが、突然ぬるりと指を挿れられたことで現実に引き戻された。
「や、だ……抜いて、くれ」
俺は弱々しく訴えるが、朔蒔は俺の言葉など聞こえていないかのように、中を探るようにして動いていた。
ぐちゅ、ぐちっと厭らしい音が耳に届く度に羞恥心が込み上げてくる。そこは、排泄にしか使わない場所なのに、そんなところを弄られる日が来るとは思ってもいなかった。
暫くすると、朔蒔の二本目の指が挿入され、バラバラに動かされて解されていく。
正直、痛くて仕方がない。異物感と嫌悪感がぐっちゃぐちゃに混ざって、それでも、痛みを耐える為に唇を噛み締めていると、視界がぐるんと一気に回転した。
「やっぱ、顔見てェなって思って」
「……は、え……?」
「こっちの方がヤリやすいし。星埜の顔見れんの嬉しいかもしんない」
嬉しそうな声でそう言うと、朔蒔は俺の足を掴んで仰向けにさせた。
「だって、初めてなんだろ? 男とヤルの。んまァ、俺も初めてだけど♥ だから、ちゃんと見とかねぇとなァ。俺のコレが星埜の中に入るんだぜ。しっかり目に焼き付けとけよ」
そう言って、朔蒔はズボンから自身を取り出すと、それはもう既にガチガチになっていて、先走りで濡れていた。
それを見た瞬間、恐怖で身体が固まってしまった。
無理だ、あんな大きいの入らない。絶対に裂けてしまう。それに、そんなものを突っ込まれたりしたら俺はどうなる? 恐怖で身体が震え、呼吸の仕方を忘れてしまったようで息苦しくなる。朔蒔は俺の足を掴むと、左右に大きく開かせてきた。そして、その中心にある穴へと自分のモノを宛てがった。
「やだ、ぃやだ、そんなの無理、無理、無理ッ! 裂けるって」
「大丈夫だって。星埜って優等生だし、すぐ飲み込めるって」
「こんなの、強姦だぞ」
は、マジでやめろ。
そんな俺の願いが通じるわけもなく、朔蒔はニタリと笑っていた。