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#ギャグ
色々するオタク
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#銀魂夢
こま
237
「なぁ、団長」
数日後の夜。
神威が「やっぱりなんか違う気がするんだよねー」
と、まだ首を傾げているのを見かねて、阿伏兎は居酒屋のカウンターで声を落とした。
銀華はちょうど、厨房へ追加の生ビールを注文しに行っている。
「なんだよ阿伏兎。俺の殺意に何か文句でもあるの?」
「いや、文句っていうかだな……。万が一、それがお前の言う【殺意】じゃなかった場合、俺たちの胃袋と第七師団の存続に関わる大問題になりかねねぇと思ってな」
阿伏兎は懐から帳面を取り出し、まるで医者が患者に問診でもするかのような真面目な顔で神威を睨んだ。
「一度、お前のその『症状』とやらを詳しく聞いてやる。いいか、嘘偽りなく答えろよ。……まず、心臓がドクドク言うってのは、銀華が【何をしてる時】に一番激しくなるんだ?」
神威は箸でトントンと机を叩きながら、少し記憶を遡るように目を細めた。
「んー、そうだね。銀華が裏切り者の処理から帰ってきて、返り血を拭いながら『あー、今日も疲れた。ビールが美味い』って笑った時とか。あと、俺が冗談で後ろから不意打ちした時に、アイツが一切こっちを見ずに、持ってた煙管の吸い殻を俺の目に正確に弾き飛ばしてきた時かな。あの瞬間、すっごく心臓が跳ね上がるんだよね」
「……お前、それただの戦闘興奮じゃねぇか。完全に『いい動きするじゃねぇかコイツ』のドクドクだろ」
阿伏兎は呆れて帳面にバツ印をつけた。だが、まだ検証は終わらない。
「じゃあ次だ。拳を強く握りしめるってのは? どういう衝動が乗っかってんだよ。いつも通り、殴り殺したい、骨を叩き折りたいっていう衝動なのか?」
「それがさぁ、ちょっと違うんだよね」
神威は自分の拳をじっと見つめた。
「いつも強者と戦う時は、相手を木っ端微塵に壊して、俺の足元に転がしたいって思うじゃない? でも、銀華を見てる時は違う。……なんて言うのかな、アイツのあの細い手首とか、大人っぽいチャイナ服の隙間から見える脚とかをさ、俺のこの手でめちゃくちゃに強く掴んで、どこにも行けないように床に組み伏せたいっていうか。アイツが痛そうに顔を歪めて、俺のことだけを睨んでる姿が見たいなーって思うんだよね。……これって、殺意にしてはちょっとぬるくない?」
「…………」
阿伏兎のペンがピタリと止まった。
隣に座る少年団長の横顔を見る。
その瞳はいつも通りの不気味な笑顔のままだが、口にしている内容は、どう考えても健全な18歳の男子が年下の少女に対して抱く、ドロドロとした暗い【独占欲】と【支配欲】――すなわち、歪みに歪みきった恋情そのものだった。
(おいおいおいおい……マジかよ。コイツ、本気で自覚がねぇのか……?)
阿伏兎の脳裏に冷や汗が流れる。
もしここで「団長、それは殺意じゃなくて『愛』だ。お前は銀華を女として自分のものにしたいんだよ」なんて教えようものならどうなるか。
ただでさえ加減を知らないこの戦闘狂が、その夜兎の本能に「欲情」という最悪のブースターを組み込んで銀華に襲いかかる未来しか見えない。
銀華が貞操の危機に陥るだけでなく、最悪、照れ隠しとバグを起こした神威によって第七師団の拠点が半分消し飛ぶ。
「……阿伏兎? 顔色が悪いよ。やっぱり俺、病気なのかな?」
神威が純粋な目で覗き込んでくる。
阿伏兎は深く、深くため息をつき、帳面をパタンと閉じた。そして、今までで一番強い意志を込めて、神威の肩をガシッと掴んだ。
「いいか、団長。よーーーく聞け」
「うん」
「お前が言ったソレはな、【新種のめちゃくちゃタチの悪い殺意】だ」
「えー、やっぱり殺意?」
「そうだ、殺意だ!! 相手をただ殺すんじゃなく、なぶり殺しにして精神的に屈服させたいっていう、超ドSの変態が抱くタイプの暗殺衝動だ! お前は今、銀華に対してそういうサディスティックな殺戮欲求を覚え始めてる! だから絶対にその衝動に身を任せるな! いいな、手を出したらお前は夜兎の誇りを失ったただの変態クソ野郎になるぞ!!」
「あはは! 阿伏兎、必死だね。分かったよ、夜兎の誇りが失われるのは嫌だから、まだ我慢しておくね」
神威がケラケラと笑った瞬間、後ろから冷ややかな声が響いた。
「おい、誰が誰をなぶり殺しにするって?」
振り返ると、ジョッキを両手に持った銀華が、生ゴミを見るような目で二人を睨みつけていた。
「あ、銀華。おかえり」
「銀華、お前、今すぐそのビールをこの団長にぶっかけて正気に戻してくれ……」
阿伏兎が頭を抱える横で、神威はまた「ドク、ドク」と煩くなる胸を押さえながら、銀華の細い手首をじっと見つめるのだった。
コメント
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寺島あおいです🤍 第3話、めちゃくちゃ面白かったです…!阿伏兎の「それは殺意じゃない」と気づきながら、あえて「新種のタチの悪い殺意」って言いくるめる必死さが笑えて、でも同時に第七師団の未来を本気で案じる阿伏兎の苦労人感が沁みました。神威が無自覚なまま銀華さんを見る目がどんどんヤバくなってるの、読んでてドキドキしました…これからの展開が気になります!