俺のとんでもない勘違いで、クロノアさんに迷惑と心配をかけてしまったことをとりあえず起きてすぐ土下座して謝った。
「いいよ。俺の言い方も悪かったし、……ただ、付き合ってると思われてなかったのはショックだな…」
「ゔぐっ……本当にすみません…。許してもらえるなら何でもしますから」
いや、許してもらえなくても何でもしなければならない。
「………何でも?」
情けないというか自分がアホ過ぎて顔を上げられず、そう返してきたクロノアさんに言葉を続ける。
「え、…はい。煮るなり焼くなり、クロノアさんの好きなようにしてください…」
「煮もしないし焼きもしないけど……そう、俺の好きにしていいんだ?しかも何でもしてくれる?」
「…⁇、だって、俺が悪いですし」
「へぇ?……じゃあ、とりあえず顔上げて」
素直に顔を上げると、その瞬間肩を押されて床に倒された。
「……へ」
「じゃあ好きにするね?」
「!!、ひ、ゃ⁈」
服の中に入ってきたクロノアさんの手に驚いて素っ頓狂な声が出る。
「触っただけで?」
「い、今のはびっくりしただけで…っ!」
「…ふぅん?」
精一杯の虚勢は意味深な返事で返されてしまった。
「それなら、これも?」
「ぁ…ッ⁈」
クロノアさんのひんやりした手が横腹を撫でる。
「待っ…!」
慌てて手を掴んで服の中から出そうとした。
それをじとりと据わった目で見てくるクロノアさんに焦る。
「トラゾー言ったじゃんか。俺の好きなようにしてもいいって、何でもするって」
「言いましたけど、まさか…っ」
「それに我慢しないって言っただろ」
首筋にクロノアさんの吐息がかかる。
「ひ、…っ」
「俺、めちゃくちゃ葛藤して我慢してきたんだから褒められてもいいんじゃないの」
喉仏を甘噛みされてびくっと体が強張った。
「トラゾー、俺がどんだけ我慢してきたか教えてあげるよ」
「ひゃ、ぅッ」
ちくりと小さな痛みがしたかと思ったら、口を塞がれた。
勿論、クロノアさんの口で。
「ぅ…!!?」
驚いて口を開けてしまい、その隙にクロノアさんが舌を入れてきた。
「ふぁっ⁈」
肩を押して離そうとしたけど、口内を我が物のように動くクロノアさんの舌に段々と力が抜けてきて冷たいフローリングに落ちた。
その俺の手を縫い付けるようにしてクロノアさんが手を絡めてきた。
「ん、ッ…ぁ、ンぅ…!」
酸欠なのか気持ちいいからなのか頭がぼんやりしてくる。
「はッ、ふ…っ」
口を離された時には軽く肩で息をするくらいになっていて。
飲み込めなかった唾液が口の端から垂れていた。
「感じやすいんだ。…可愛い」
絡められた指の股を爪で引っ掻かれる。
「ゃ、うッ」
「擽ったいって思うところって性感帯になるらしいよ?」
片手を離したクロノアさんは俺の耳を撫でる。
「ひぅ」
「トラゾー、全身性感帯になっちゃうね?」
「ひぁッ⁈」
耳の中に指を入れられてなぞられた。
擽ったいというより、ぞわぞわと背中が震えている。
マジで感じてるのか。
「ゃ…やめ…クロノアさ…」
「だーめ。何でもする、好きにしていいって言ったのはトラゾーなんだし」
耳の形をなぞるようにしてまあ片方の耳元で囁かれた。
「てか、男の前で簡単に何でもするとか、好きにしてくださいなんて言っちゃダメだよ?」
「ン、ぁッ⁈」
不意打ちで下を膝で押さえられた。
「クロノアさん以外には、言いません…っ!」
「当たり前だよ。他の奴に言ったら閉じ込める」
ぐりっと押されて、腰が浮く。
「ひッ、や、ゃ…、それ、だめです…ッ」
「気持ちいいから?」
「っっ!」
「服の上でこんなんなら直接触ったらトラゾー爆発しちゃうかもね」
絡めていた手を離したクロノアさんは力が抜けた俺の下を一気に脱がした。
「!!?」
「反応してくれてる。…嬉しいよ」
「ま、っ、見ないでくだ…ッ」
恥ずかしさで体温が上がる。
少し前の自分の発言に後悔を今更し始めていた。
「前言撤回は…?」
「ダメ」
「せ、せめて…見えないように…」
「目隠し?随分、マニアックだね。俺は別にいいけど」
そういう意味じゃないし、本当に目隠しできる物を探しそうになったからそこは全力で止めた。
「トラゾーは俺とするの嫌?」
「嫌とかじゃなくて…その、は…恥ずかしいと言いますか…」
「裸なんて見慣れてるのに?」
「ノンデリカシー!」
この人たまにこういうことある。
「なんか失礼なこと考えてない?」
「エ、カンガエテマセンヨ」
翡翠色がじっと俺を見下ろす。
「まぁ、いいけどね」
クロノアさんは俺の足を割開いて間に入り込む。
「っ!」
「恥ずかしがり屋のトラゾーに選ばせてあげる」
「ぇ?」
「ここと寝室とお風呂場、何処がいい?」
「へ、え、はい…?」
恥ずかしい格好のまま半ば放置されたかたちに困惑する。
「ここだと体痛めるけど、今すぐに触ってあげれるよ」
「ふ、ゃっ」
太腿の際どいところを撫でられる。
「寝室だと体は痛めないし暗くしてあげれるけど、その分俺抑えないよ?」
「あぅッ」
耳朶を甘噛みされる。
「最後、お風呂場だけど。トラゾーの思う見えなくしてほしいってお願いは叶えてあげられないかな?その代わり体はすぐ綺麗にできるけど。……どうする?」
よくよくクロノアさんを見れば余裕なんてないのに、俺の為に必死で抑えた表情をしていた。
「ぁ…え、っと…」
「余裕ないよ、俺」
意を決して、クロノアさんの服の裾を引っ張った。
「…ぃ、言ったはず、です…クロノアさん、の好きにしてくださいって…俺、何でもするって…」
「っ、」
「お、れに…選ぶ権利は、ないです…俺のこと、好きにしてください…ッ」
「……男に二言は?」
「あり、ません…」
クロノアさんはふっと息をひとつはいて、にっこり笑った。
この場に合わないほど爽やかに。
「じゃあ、全部」
「ぁ、え?」
「(待って、思ってたのと違うぞ)」
「全部。俺の好きにしていいんでしょ?さっきからずーっとそう言ってるじゃん」
「ゔ…」
すると急に真顔になって、顔を近付けた。
「それとも、やっぱり誰かいる?らっだぁさんの断ったやつも嘘?」
「い、いませんし、ちゃんと断っ…ひゃえッ⁈」
両脚を抱え上げられてとんでもない姿になる。
「……痕とかはなさそうだけど」
内腿に噛みつかれて、吸われた。
「ひゃッ!」
「ココ、俺以外に見せたらダメだからね。この部屋にマジで繋いで閉じ込めるから」
「そ、そこで喋らないでくださいぃい…っ」
「感じるから?」
「んゃっ」
反応している俺のモノをクロノアさんが撫でた。
「ひゃぁ…ッ!」
クロノアさんの綺麗な指で。
そう思った瞬間、何とも言えない優越感を感じていた。
俺だけと言ってくれた、その言葉も。
今更、じわじわと嬉しさが込み上げて自然と身体もそれに応えようとしていた。
「く、クロノアさ…」
「ん?どうしたの?」
「も、…もっと、…ちゃんと触ってほしい、です…」
見開かれる翡翠はすぐに細められた。
「それがトラゾーのお願い?」
「は、はぃ…」
恥ずかしい格好を戻されたかと思ったら腕を引かれて、抱えられた。
「⁈、クロノアさん…⁈」
「ベッド行こっか?俺もいっぱい触りたいし、体を痛めさせるのは本意じゃないからね」
「お、重いでしょ…⁈、俺自分で歩けますから…っ」
「離れたくないんだよ。一分一秒でも」
耳元で囁かれ素直な身体から力が抜ける。
「ふふ、いい子」
目的の部屋は奥のところにあって。
ドアが開けられ俺はベッドにゆっくりおろされた。
「トラゾー」
クロノアさんは余裕のない、謂わば”雄”の顔をしていた。
俺はというと本能が食べられると悟ったようだった。
「クロノアさん…好きです、」
「うん。俺も好き、」
そうして、俺は上に乗る彼の背中に手を回した。
──────────────、
「ゃ、やれす…ッ、も、もぅ、はいっ、んなぃい…ッ♡」
「どうして?トラゾーのココはもっとって俺のこと誘い込んでるよ?」
トラゾーの奥。
誰にも許したことがない場所をわざと弱く突く。
「ひゃぁあッ、それだめッ、♡」
「弱い方がイイの?」
そう背後から囁くと、首を横に小さく振って否定してきた。
背中も項も真っ赤になっている。
「それとも強い方?」
ぐりっとソコを押すと身体が大きく跳ねた。
「ゃぁあ゛ッッ♡」
「ははっ、トラゾーはどっちも好きっぽいね」
ぎゅっとシーツを握る手に自分の手を重ねる。
「くろのぁさ、いじわるだ…ッ」
「好きな子はいじめたいって言うだろ?」
「しょう、がくせぃか…っ」
「へぇ…そんな言い返す余裕があるなら、まだまだ苛めても大丈夫そうだね」
真っ赤に染まる項を甘噛みすると猫みたいな声が出た。
「トラゾーって人懐っこくて従順な犬っぽいのに、たまに警戒心強くなってツンデレな猫になるよね」
俺以外は不可侵な場所を抉るように突けばまた高い嬌声があがる。
「ひぅ、だめっ、らめれす、♡それッ…いじょ、はいったら、ぉれ、…だめになう、なっちゃいます…ッ♡」
「駄目になってよ。だって、俺以外はココ入らないんだから。ちゃんと俺の覚えて?」
「んやぁあッッ♡♡!!」
緑は快楽で溶けて潤んでいる。
今は見えないけど。
「トラゾー」
一度抜いて、体の向きを変える。
「やっぱカオが見えた方がいいね」
「や、んぅうッ♡」
正常位だと、また違うところを突くようでトラゾーは嫌々をしていた。
顔を隠せなくなったから両手で覆い隠そうとするのを目敏く気付いてシーツに縫い付ける。
「隠したらダメだよ。俺にちゃんと見せて?」
「ッッ〜〜♡♡!」
身体をくっつければ腰が跳ねて、ナカも連動して俺のモノを締めた。
「はっ♡、可愛いね、トラゾー♡」
「かゎいく、なぃいッッ♡♡」
小さく跳ねる身体に口角が上がる。
「そういうとこも可愛いよ♡」
何をしても可愛い。
俺に応えてくれる全てが。
「はぅッ♡」
「トラゾー、ココ弱いんだね。俺も覚えとこ」
「おぼえなくて、いいれすッ…!」
縫い付けた手を握りしめて弱々しく押し返そうとするその反抗的な態度にぞくりと背筋が震えた。
「ッッ!!、くぉのあ、さっ…わ、わるぃかお、してます…っ」
「え?自分じゃどんな顔してるか分かんないけど、…まぁ、だろうね?」
「ッッ────〜〜♡♡!!?」
トラゾーはもう入らないって言ってたけど、俺を受け入れようと身体が無意識に応えているのに気付いていない。
それが嬉しくて、心身に自身も反応しているのが分かっていた。
「ゃ゛ッ♡⁈なんれ、まだッ、おっき、く…っ♡⁈」
「(一生、気付かないまま困惑してたらいいよ)」
「ンぁ、あ゛あッッ〜〜♡♡!」
トラゾーの身体中には俺のつけた噛み跡や鬱血痕が至るところ、他人には見えないところまである。
それを見て、自分の独占欲や所有欲、執着心が満たされていく感覚になる。
俺のモノだと。
誰にも渡さないと。
そう昏い感情が埋まっていく。
「気持ちいい?トラゾー」
「は、ひッ♡、きもちいぃれす…っ」
何度イカせたかは分からないけど、何も出なくなったソコを触ると見開くトラゾーの緑。
「あ、ゃ゛ッ♡、りょ、ほっ…だめれ、ふッッ♡♡」
「何で?ナカすごい締め付けだけど?」
「ぅゔッ♡、くろのあさんのえっち…ッッ♡!」
「、、っ!」
「は、っ♡⁈な゛ン、ぅんンン〜〜ッッ♡⁈」
こいつ、ホントにどうしてやろう。
「物言い、小さい女の子みたいだね」
「は、へ?、なん、♡?」
「ハジメテだから手加減してやってたけどやめた。…もう手加減しねぇ」
突然のことにトラゾーは慌て出す。
「ぅ、うそ…ッ⁈ぁれ、てかげん…してッ⁇」
「嘘じゃないし、傷付けたいわけじゃないし。俺って優しいんだろ?好きな子には特別優しくするのは鉄則じゃん」
「ヒッ⁈ま、まっ、も、もぅッ、むり、っむりですッ!おく、はいっ、ちゃだめ、…だ──────ッッッ!!!!??〜〜〜♡♡♡!!?」
「生憎、俺はそんな優しい人間じゃないもんで。だいぶ重たいよ?」
「、♡♡⁇、ヘ、ァ♡♡♡⁇⁇」
「人間の体ってすごいね。いや、脳か」
ダメだと言いながらも更に奥まで俺を受け入れて。
「痛い?」
「ぃ、たい…♡♡⁇、きもちいい、れす…ッ♡?」
「そう。じゃあ、動くね」
「っっ♡♡⁈な、ん、待っ、くろのぁしゃ…ッッ♡♡⁈」
対面にした途端、思考が戻ったのか溶けきった緑が強すぎる刺激のせいで細められた。
「こ、こわっ、♡こわぃい…ッッ♡♡!おぇ、じゃ、なくなっちゃい、ます、っっ♡♡」
俺にしがみついて、上擦った声で泣き始める。
耳元でそんな声で啼かれたら、反応するのが男ってもので。
「ぅ、そうそっ、うそッ♡♡なんで、ぇ〜〜♡♡⁈」
「いや、普通だろ。トラゾーの声って唆られるもん」
「ばっ、ばかですかッ、♡あんたっ…!」
「たまに口悪くなるとことかも可愛い♡」
「あなたも、ゎるくッ♡、なってますけど…ッッ♡!」
腰を掴んで揺さぶるとぎゅうっと、快楽から逃げようと俺に密着した。
力も入ってるから俺のを締め付けてるし。
「誘ってんの?」
「〜〜♡♡ちがぁ…ッ!!」
「ご期待には応えなきゃね?」
「も、ぉ、ッッ♡♡!」
これを他人に逃げとしてさせようとしていたことに苛立つ。
ましてや、らっだぁさんになんて。
例え、一瞬のことだとしても許せない。
「俺は別に抜いてもいいけど、トラゾーが離してくんないんじゃん。人のせいにするのダメだろ?」
「う、ぁ、ひゃあ゛ぁ♡♡!!!」
「俺のこと、もっと♡って離さないくせに」
「ん゛ン〜〜〜ッ♡♡!!」
目の前の汗の伝う首筋を強く噛む。
「あ゛っ♡⁈」
「俺以外じゃ満足できない身体にしてやるからね♡?」
「に゛ゃッッ♡♡」
背中に痛みがはしった。
トラゾーの爪が皮膚に食い込んでいる。
それすらも嬉しい。
気遣いの塊みたいなトラゾーが相手を気にする余裕がないくらい必死になってる証拠だからだ。
「く、くろのぁひゃっ、ん…!」
「うん?」
「せ、せめへ、きゅッけ、ぃ…を…っ」
時間の感覚は分からないけど長いこと、こうしてる気はする。
「そ、それに、ぺいんと、たちに、ちゃんと、ぁやまんなきゃ…、!!?ひゃ゛う♡♡⁈」
「俺以外の男の名前出したらダメだろ。特にここでは」
「!!、そ、ぅいう、つもりじゃ…ッッ♡」
「………ま、でもいいよ?連絡しても。休憩も兼ねてね」
あからさまにホッとした表情をするトラゾーに頭の隅でムカついてる自分がいた。
「けど、このままだよ」
動きを止めて手を伸ばす。
「は…ッッ⁈」
「動かなきゃいい話だし。はい、俺のスマホ貸してあげるから」
ベッドサイドのチェストに置いていたスマホを渡した。
「うそ、ですよね…?」
「嘘じゃないよ。ほら」
持たせたスマホの連絡先からぺいんとの名前をタップする。
「!!、待っ…」
3コールくらいしてぺいんとが出た。
『はい、もしもし。どしたんすかクロノアさん』
「お疲れ様。今、大丈夫?」
『大丈夫ですよ。編集もひと段落ついて休憩しようと思ってたとこなんで』
無理無理と首を振るトラゾーに笑みを返す。
「今、トラゾーといるんだけど。ぺいんとに謝りたいらしくて。代わるね?」
『あ、了解です』
トラゾーにバレないようにスピーカーにして、スマホを持たせ耳に当てる。
落とさないように俺の手を添えて。
「ほら、ちゃんと言わなきゃ。トラゾーが言ったんだよ」
あいた片方の耳にぺいんとには聞こえないように囁く。
「っ、…」
『トラゾー?大丈夫か?』
「だ、だいじょぶ…あのさ、ぺいんと…っ」
『うん』
「ぁの、さ…っ、いっぱい、心配かけたみたいで、ごめん…」
『いいって。お前の鈍感さはみんな知ってることだし、いいように落ち着いたなら安心した』
照れてるけど嬉しそうなトラゾーに悪戯心が働いた。
「うん、…ごめん、…あと、あり…」
言いかけたところで必要性もないのに落ちかけていた枕を直すために動いた。
「ふぁ⁈」
『⁈、どした⁈』
慌てるぺいんとにトラゾーは同じように慌てて弁解を始めた。
「ぃ、いや、ちょっと、クロノアさんに、脇腹つつかれて…っ」
信じられないと俺を睨むトラゾーににこりと笑う。
続きをどうぞと促した。
「〜〜!、あ、…ありがと、ぺいんと…俺、お前が友達で、よかった…」
『そんなん、俺だってトラゾーが友達でよかったって思ってるよ』
「…うん」
俺に対してとは違う優しい嬉しそうな表情。
好意のベクトルは違えど、ホントにぺいんとのことが好きなんだと分かる顔をしている。
「あと、…そのさ、」
『うん』
「次、遊ぶとき、…俺の、相談とか、聞いてくれる…?」
『!、あったりまえじゃねぇか!何でも、いつでも、何時間でも聞いてやるよ!』
「ありがとう…俺、ホントに、ぺいんともしにがみさんのことも、好きだ」
『俺もトラゾーのこともみんなこと好きだぜ!』
「ふはっ、相思相愛だな、俺ら日常組」
その無防備な笑顔に、また自分のモノが反応した。
「!!、うひゃっ⁈」
『!!、……俺、もしかしてお邪魔?』
スマホをもう持ってられないトラゾーの代わりにスマホを手に取る。
口を押さえて震えながら睨みつけてくるトラゾーをぎゅっと抱きしめる。
「ッッ♡♡〜〜〜!!」
「邪魔はしてないけど今は、…もう、切るね?」
『……お楽しみのようで、…クロノアさんってやっぱ怖いわ』
「えぇ?」
『あんま、無理させちゃダメですよ。トラゾー、すぐ熱出す変な虚弱体質なんすから』
「努力するよ。じゃあ、今度、遊んだ時はトラゾーの話聞いてあげてね」
『うわ、後方彼氏面だ』
後方じゃなくて前面だけど。
「ん?」
『イエ、ナンデモナイデス』
「じゃあ、トラゾー我慢できそうにないから切るよ」
『ハイ、シツレイシマス』
通話が切れて、スマホをチェストに置き直す。
「ぁ、あなたっ、信じられねぇ…!」
「いや、素直に信じるトラゾーも凄いよ」
「だって、動かないって…、ぅあッッ♡♡⁈」
「動かないとは約束してないよ。それに枕直しただけなのを勝手にトラゾーが反応したんだろ」
「そ、それは…っ、ひぅ゛ッ♡」
「俺の前で可愛く笑うトラゾーに俺のが反応しただけで、言った通り意図的には動いてねぇじゃん」
正論を言われて、言い返せなくなったトラゾーは俺を睨むことしかできなくなった。
可愛らしい反抗だ。
「睨んでも可愛いだけだよ」
「つぎ、ぺいんとに会うとき、どんな顔すれば…っ」
「ほら、また俺以外の名前言ってる。もう許さないよ?」
後ろに倒れて、俺の上に乗っかる格好になったトラゾーは顔を仰け反らせた。
「〜〜〜────ッッッ♡♡♡!!?」
自身の自重でしっかり奥まで咥え込んだトラゾーは、白濁の代わりに水っぽいモノを勢いよく出して、はくはくと口を開けていた。
震える手には全く力は入ってなくて俺のお腹にただ置かれてるだけだった。
「ハジメテで潮まで吹くなんてトラゾー、どんだけ俺のこと悦ばせるの」
「ぁ♡、ふぇ…ッッ♡♡⁇」
「て、聞いてないか」
腰を掴み下から突き上げれば、嬌声が上がる。
普段の声とのギャップがあって、更に唆られた。
「身体、ドロッドロ♡」
「くりょのぁ、しゃッッ♡♡」
「あとで、一緒にお風呂入ってきれいにしてあげるね♡」
ハートの浮かぶ緑はドロリと溶けて俺のことだけを映し出していた。
「きれぃに、ッ♡、するらけ…ッッ♡♡⁇」
「うん、きれいにしてあげる」
そこでしないという保証はないけど。
「くろのあ、さん、おふろばッ♡れも、する…の…♡⁇」
「…シて欲しい?」
ふにゃっと笑ったトラゾーは小さく頷いた。
「はは♡…めっちゃ可愛い♡」
ぺいんと、約束守れそうにないや。
無理させるけど、トラゾーが求めたことだからね。
物申しはトラゾーに言って、と頭の隅でこの場にいない彼に小さく謝った。