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「先輩はもう綾瀬さんのこと諦めたんですか？」
とある日の昼休み。
蕎麦をすする俺に向かってストレートに田中が聞いてきたので、盛大にむせた。
「ゴホゴホ……ッ、なんだよ、急に……」
「確か懇親会の日に告白して、完膚なきまでに振られたんですよね？」
どこか楽しそうに話す田中はズルズルと蕎麦をすすった。
俺が注文した蕎麦にいろいろなトッピングが乗っているのを見て、顔を歪ませた田中は、何も乗せずにここの蕎麦を食べるのが好みらしい。
「ああ、振られた……振られたけど！いいだろ、好きでいるくらい」
「チッ」
「今聞こえたぞ、舌打ちー何で一花ちゃんが絡むとお前はそんな態度になるんだよ」
「なんでって決まってるじゃないですかー。嫌いだからです」
「あのなぁ、理由もないのに嫌いって――」
「理由ならありますよ。まず、先輩の渾身のプロポーズを秒で断ったのが気に食わない。OKしてても気に＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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