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藤村がその牙を立てる直前
秋声は最後の抵抗のように彼の肩を弱々しく押し返したが指先にはもう力が入らない。
「…っ、島崎、君…本当に後悔しても…知らないからな…」
「後悔?僕の辞書に君を選んだことを悔やむなんて言葉はないよ」
藤村の中性的な声が鼓膜を震わせたと同時に熱い痛みが秋声の項に走った。
鋭い感覚が脳を突き抜け全身の血が書き換えられていくような感覚
秋声は声を上げる余裕もなく藤村の背中に爪を立て、仰け反るようにしてその衝撃を逃がそうとする。
「…あ、…ぁっ…!」
「逃げなくていい。全部僕に預ければいいんだよ」
注入されるアルファの意思が秋声の内側に満ちていた恐怖や孤独を塗り潰していった。
数秒、あるいは数分
藤村が唇を離したとき、秋声の瞳にはかつて見たことのないような虚脱と潤んだ熱が宿っていた。
「…はぁ…っ、…最悪だ」
「本当に君ってやつは…」
秋声の首筋には生々しく、けれど誇らしげな『番』の証が刻まれている。
藤村はその痕を慈しむように舌でなぞり秋声の腰をさらに深く抱き寄せた。
「これでもう君はどこへも行けないし僕も君を離さない」
「嬉しいでしょ?」
「…うぬぼれも…休み休みにしてよ…」
毒づきながらも秋声の顔は藤村の肩に埋められ、その指はシャツを固く掴んだまま離そうとしなかった。
オメガとしての本能がようやく見つけた安息地に安堵していることを秋声自身も否定できなくなっていた。
「…島崎」
「なに」
「…責任、取ってよ」
「一生…死ぬまで」
藤村は僅かに目を見開いた後、この上なく幸福そうに微笑み、秋声の瞳に優しい口づけを落とした。
「うん、約束するよ」
「僕の愛しい秋声」
どもパピコォォォです
いつも助けてくれるリア友には感謝しかありません…