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#普通
野々さくら
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ありあ
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それから数時間後。
諏訪部家の広い居間には、諏訪部家の人々をはじめ、数名の村人たちが集まっていた。
静まり返る室内で、信愛はゆっくりと立ち上がる。
「突然のお申し出にも関わらず
お集まりいただきありがとうございます」
深く一礼すると、村人たちは顔を見合わせた。
「勇さん?こりゃ一体何が始まるんだい?」
ざわめき始めた空気を、勇が低い声で制した。
「いいから黙って聞いとってくれ」
秋穂も優しく信愛へ微笑む。
「信愛ちゃん、続けて」
信愛は小さく息を吸い、頷いた。
「はい・・・」
居間を見渡し、一人ひとりの表情を確かめながら口を開く。
「私から話したい事はふたつ。まず祠について
それからおじろくおばさのわらべ歌についてです」
その言葉に、村人の一人が首を傾げた。
「祠とおじろくおばさ?」
信愛は視線を勇へ向ける。
「まず祠について話させていただきます
勇さんから聞いた話によると、祠は昭和40年に
奴隷制度が無くなってそれから建てられた
そうでしたよね?」
勇は静かに頷いた。
「ああ・・・村民みんなで建てたんだ
同じ過ちを繰り返さない為に弔いの気持ちでな」
信愛は真っ直ぐ勇を見据えた。
「本当に弔う気持ちはあったんですか?」
室内の空気が一瞬で張り詰める。
「なに?」
勇が低く問い返す。
信愛は一歩も引かなかった。
「本当に弔う気持ちがあったんなら
あんな酷い有様にはなってないと思います」
村人の一人が眉をひそめる。
「村民でもない君に何が分かるって言うんだ?」
「私たちは申し訳なくて、弔いたくて祠を建てたの」
その言葉を受け止めながら、信愛は静かに続けた。
「だったら、なぜあんな人が普段寄り付かない
森の奥深くに祠を建てたんですか?」
勇は押し黙る。
信愛は穏やかな口調のまま、しかし確信を込めて言葉を紡ぐ。
「祠というのは、普段から沢山の人が行き交って
お参りしやすい場所、尚且つ日光が差し込む清らかな
場所に建てるのがセオリーとされています
ですが、あの祠は薄暗くて
じめじめしている場所に建てられていました」
誰も反論しない。
「私には、先人たちが犯した罪から目を逸らしたくて
臭いものに蓋をしてる様にしか見えません」
村人たちは言葉を失い、ただ信愛を見つめていた。
信愛はさらに続ける。
「しかも普段人が立ち入らない森の奥深くにあるから
手入れも行き届かず、崩壊してました」
勇は唇を固く結び、何も答えられない。
しかし信愛は皆を見渡し、はっきりと言い切る。
「あんな祠なら建てない方がマシです。もっと
明るくて、人が集まる場所に建て直すべきです」
コメント
1件
うわあっ第106話読み終えたよ〜!!😭💥 信愛ちゃんが村人たちの前で「あんな祠なら建てない方がマシ」ってバッサリ言い切るシーン、マジで痺れた…!勇さんが押し黙っちゃうところも含めて、今まで隠されてきた罪の重みがズシッと来たよ。祠のセオリーとか知らんかったけど、信愛ちゃんの言う通り「臭いものに蓋」って言葉がすごく刺さった。おじろくおばさのわらべ歌の話も気になる…!次回が待ちきれないよ〜🌸✨