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子供の泣き止ませ方なんて知んねぇぞ!
「ええっと、と、取り敢えず、これで涙拭け」
そう言って俺は、半分テンパりながら白地に金色のデイジーの、刺繍のしてある俺が作ったハンカチを差し出す。
「へ?ぅ、ね”え”さ”ん”〜」
さらに激しく泣き出した。何で?
この子の言ってる「姉さん」がなんか関係あんのか?
「えぇっと、なんかあったのか?俺はお前の姉さんじゃないが話は聞いてやれるぞ」
俺がそう言って数分後、やっと、この子、は泣き止んだ。
やっとの思いで一息ついて、少女をもう一度よく見る。何処かで見たことあるような髪の色、そして、赤と、緑のオッドアイ。
この子は多分俺の同族、ドールだ。そして、さっきまで俺が説教してたイタリアのドール。
「お前、ドールだったのか」
感心したような声を俺は出す。
「俺は独華。ドイツ様のドールで女だ。お前は?」
主が主になってから少し視力が落ち、見づらくなったから、最近は黒縁の眼鏡をかけている。さっきのパニックでちょっとズレた眼鏡を元の位置に戻して俺は自己紹介をした。
「独華、、、?独、、、あ!イタリー様の言ってた人なんね?」
一人知りなのだろうか、少しもじもじしながらそういう。
「多分」
「イタリー様が言ってたほど怖くないんね」
「ioは伊華なんね。イタリー様のドールなんね」
このドールは伊華っていう名前らしい。恥ずかしいのか、人見知りなのか、声が小さく、ずっともじもじしている。
公園の片隅に座っている二人を夕日が優しく照らす。