「…は?」
お父様とした約束?
いつの間に、そんな約束をしたんだ
あの人が国として表にいたのは
10年とちょっとくらいしか無かったはずなのに
それにお父様が生きたのは殆ど大戦の時。
それにイギソスとは敵対関係だったはずだ
“サッカーをする”なんて約束をする
間柄でもなかっただろうに
「何時、そんな約束をイギソスと…?」
俺は、生まれていないから。
此奴が当たり前のように話す話も、
俺は本を読み、知識として
頭に入れることしか叶わない。
だがそれは、実際に己の目で見てきた
イギソスや他の奴らとの間に
埋められない溝を作る。
だから俺は、こうして聞くことでしか
そういう話を知ることは出来ない。
「第一次世界大戦の頃です。」
“第一次世界大戦” となると尚更
お父様とイギソスは敵対していたのだから
そのような、娯楽に関する約束など、
する暇もなかったはずだ
「ドイツ、少し長くなってしまいますが
約束についての話聞いてくれますか?」
“何時ものうざったい昔話とは何か違う”
そう思った。
「構わない。
寧ろお願いしてもいいか?」
「もちろんです
では、話しましょうか」
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続きを楽しみに待っています……