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今から百年程前、第一次世界大戦の時
私達はどちらも最前線にいました。
最前線というからには
いつも銃弾が飛び交っている様子などを
想像されるかもしれませんね
しかし戦争は予想より長期化していたため、
最前線でもだいぶ戦意は失われており、
戦場には“持ちつ持たれつ” の雰囲気が
広がっていたのです。
まぁ、それでもあの人と私は敵同士でしたので
その場にいるだけでも、
いつ撃たれるかも分からない恐怖に怯え
神経をすり減らしていたのですが…
そんな状況で私達は
12月25日、クリスマスを迎えました。
家族がいて暖かい家ではなく、
いつ殺されるか分からない寒い冬の戦場で
クリスマスくらいは、
暖かい家で、着心地の良い着慣れた服を着て、
美味しいご飯を囲み、
家族と笑って過ごしたかった。
そんな事を考えていた時、
塹壕の胸壁越しに手を振る姿が見えたのです
貴方の父、十チスとドイシ兵が
手を振る姿が。
そんな事したら、狙撃されてタヒぬ。
殺さられるかもしれないのに
塹壕から乗り出し手を振ってきた。
彼等の恐怖は、勇気は計り知れません。
しかしこちら側で彼等に銃を向ける者は
誰一人としていませんでした。
そして次々と兵士達は塹壕から出ていきました
もしかしたら貴方も
知っていたかもしれませんね
クリスマス休戦と言われるものが
おこったのです。
それからは本当、楽しかったです
物資を交換しあったり
サッカーをしたりしました。
サッカーはそれはもう白熱しましたよ
今の私と、貴方のように。
こんな時間が、幸せな時間が続けばいいのにと
どれだけ願ったでしょう
でも続きはしない。
だから私達は約束をしました
『また一緒にサッカーをしようと』