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私たちは今現在、川から戻っている最中だ。
「ねぇねぇ!これって食べられるキノコ?」
トリスタは木の下から生えているキノコを指差しながらそう私に聞いた。
「それは食べたらダメなやつ。ほら、白い斑点があるでしょ?これ毒キノコだから」
「へぇ~!君は物知りだね!!」
まるで新しいことを知った子どものような純粋な発言をしながらトリスタは笑った。
「いや…普通に分かると思うけど…まぁいいわ。速く戻りましょ」
「うん!」
先程薪を切った場所へと戻ると、ローリーとドワイトがいた。
「おはよう、ローリー、ドワイト」
「おはよう二人とも。」
「川で水浴びかい?」
「まぁそんなところ」
「さっきね、僕がこれなんのキノコ?って聞いたら、君が『それ毒キノコだから』って言ったんだ!本当に物知りだよね!!」
「そこまで褒めなくても…」
誰でも分かると思うけどな…そんなに凄いのか?
「まぁあんたは私たち以上に森に詳しいわよね。」
「ちなみに、なんのキノコだったんだい?」
ドワイトがそうトリスタに聞く。
「白い斑点のついた赤いキノコ!」
「…毒キノコね」
「うん。流石に僕でも分かるよ」
「ええっ!?本当!?」
「トリスタって都会っ子なのね。羨ましいわ」
「うんうん」
「えぇ~!?」
彼は赤面して地面にうずくまった。
「ははっ、そんなに恥ずかしがることじゃないわよトリスタ。」
私は彼をあやす。
「本当?」
「もちろん。これからもっと教えてあげるから。ね?」
「うん。」
「あ、そういえばフェンミンは?」
「さぁ?彼女の事だし、きっと本でも読んでるか寝てるのどっちかでしょ」
「そうね」
私たちはフェンミンが外に出てくるまで丸太に座って談笑をした。
「─キラーで一番大変だったことってなに?」
私が不意にそう聞く。
何気に気になっていたことだった。
「そうだね…ナイフを投げても君たちが全く負傷しなかったことかな?」
「そうなのね。」
「何だか申し訳ない気持ちになってくるよ。」
「いいんだ。僕が力不足だから…」
まずい、彼の自虐タイムが始まる。
私はそう察知し、話題を変えた。
「今日の焚き火で使う薪、全部トリスタが割ったのよ。」
「そうなの!?凄いじゃない!!」
「本当なの!?見てたら良かったなぁ」
「そんなに褒めないでよ、恥ずかしいじゃん…」
両手で顔を隠しながらそう言った。
良かった、フラグ回避できて…。
私が一息着いたと同時に、フェンミンの姿が見えた。
「みんな何の話してたの?」
「トリスタが薪を割ってくれたっていう話さ。」
「へぇ!凄いじゃない!」
「やめてぇ…!恥ずかしすぎてもう死ぬ…」
彼がさらにうずくまる姿に、私たちは和んだ。
「…ん?」
下を向くと、霧が立ち上っていた。
「…そろそろね」
「え?…あ」
「今回は誰が行くんだろ。」
「とりあえず、今日も全員生存目指そう!」
フェンミンがそう言う。
「もちろん」
「大丈夫かな…」
「トリスタは私が守るから安心して。」
「そうよ、彼女に任せておけば絶対に助かるわ!」
「それは言いすぎじゃ…」
「みんな、始まるよ。」
ドワイトの言葉に全員の雰囲気が変わる。
流石は上級者。
臨機応変が完璧すぎる。
まぁ私もだけど。