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次に目を開けたと同時に、先程までの光景が変わっていた。
横を向くがトリスタはいない。
もしかすると離れたところにいるかも。
私は走りだし、彼を探しつつ発電機を修理していった。
「いないな…」
一向に見つからない。
彼はおそらく儀式に呼ばれなかったのだろう。
一人で大丈夫だろうか…。
「──きゃあっ!!」
数十メートル先から叫び声が聞こえた。
発電機は残り2つ。
助けに行こう。
「はっ…はっ…はぁ…」
フックに吊るされていたのはフェンミンだった。
私は彼女を降ろす。
「今回のキラー…ゴーストフェイスよ」
治療をしていると、フェンミンはそう言った。
「分かったわ。…よし、出来たわよ」
「ありがとう。私は向こうの発電機を直すわ。」
「ええ。気をつけて」
「それはお互い様でしょ」
そう言いながらフェンミンは走っていった。
彼女は相変わらずクールだ。
なんて呑気なことを考えていると…
「っ!」
私に『無防備』が着いた。
「(まずい…!!)」
私は全速力で走った。
このパークが着いたということは、アイツが近くに隠れて私を見ていたと言うこと。
完全に油断してたわ…!
この状態のまま私が攻撃させられればワンパンで瀕死になる…
トリスタが言ってたことは本当だったみたい。
『君の事、殺そうとしてる』
半ば信じて無い状態であんな調子に乗ったこと言ったけど今訂正するわ。
怖い。
怖すぎる。
ゴーストフェイスの場合、いつ後ろをつけられているのか分からないし、
足音も無く私たち同様にしゃがんで移動できるのが尚怖い。
「はっ…はぁ…はぁ…と、とりあえずここまで逃げればいいかな…」
無防備もそろそろ消えそうだし。
「あ、あんなところにトーテムが。壊しとこ」
そう言いながらトーテムにさわろうとした時…
背中に激痛が走った。
「あぁっ!!」
私は倒れ、顔を向けた。
いたのだ、ゴーストフェイスが。
私の真後ろに。
「惜しかったね。でも残念、僕の勝ちだ。」
儀式中に滅多に話すことの無い彼が話し出した。
「がはっ…ね、ねぇ…一つ聞いていいかしら?」
私は他のみんなが発電機を修理できる、ある程度の時間稼ぎをした。
「どうしてそこまで…トリックスターをキラーに戻したいの?」
「そんなの決まってるでしょ?僕が彼を愛してるから。それに、元々トリスタの立場もキラーなんだし当然の事でしょ?」
一方的な愛だ…私でも分かる。
「確かにそうだけどっ…はっ…少しくらいは、彼の気持ちも尊重してあげたら?」
「うるさいなぁ、そんなの必要ないよ。だって僕らは相思相愛なんだから」
思い込みも激しい…ジウンが可愛そうだ…。
「誰を好きになるかは否定しないけど…あなたは彼を一途に愛しすぎてる。彼も言ってたわよ、あなたが怖いって」
「そんなの僕が知るわけ無いだろ?もしかすると君が怖いって事かもしれないし。て言うか、もうメメントするから」
「は…?」
嘘でしょ…いつぶりのメメントだ?
嫌だ…
「やめてっ…」
そう言った瞬間、発電機が2つ同時に着いた。
ゲートに通電する音が鳴る。
「ちっ…君が余計な話をするから通電しちゃったじゃんっ!!」
彼は馬乗りになって私を何度も刺した。
背中、脇腹、そしてもう一度背中を貫通するまで刺す。
何気に脇腹が一番痛い。
というか全部痛い…。
「がはっ…あぐっ…あぁ…」
私は目の前が真っ暗になる。
一瞬だけ髪を掴まれた感覚はあったが、それ以降は覚えていない。
私は処刑されてしまった。
「トリスタと僕の邪魔をした罰ね。これからも儀式がかぶったら何度も殺してあげるから。はぁ…何で今日に限ってトリスタが来てないのか…。これが『お預け』ってことかな?」