隠れて見ていたことを望に散々怒られた後、すぐにクラスの演劇が始まる時間となった。
本番が始まってしまえば私の役割はほとんどないので、宏忠さんと会場の一番後ろの席で見学することにした。会場内のライトが徐々と暗くなり、全てが消えると演劇美女と野獣がスタートした。
真っ暗になった舞台の真ん中にパッとスポットライトが当たり、そこにはかなりクオリティーの高い特殊メイクで恐ろしい野獣の姿になった優実が照らし出される。
優実を照らしているのは二階にいる照明担当の奏太で、会場が真っ暗になる前に手を振ると奏太は笑顔で返してくれた。
誰もいないお城で月を見上げ、哀愁漂う野獣の演技に、まだ少しだけ騒がしかった会場がシンと静まり返る。意外にというと失礼かもしれないけど、普段の優実からは想像が出来ない程、その演技力は素晴らしいものだった。
「思ったより本格的だな。優実は女優にでもなるつもりなのか?」
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