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#異世界転移
花月夜れん
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花梨
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金木犀がふわりと薫る、10月の秋の頃俺は会社帰り、いつものコーヒー屋に立ち寄った。
俺はサラリーマンしている、しがない会社員「田中 朔太郎」30歳だ。
今日もコーヒーやスイーツに想いを馳せて
コーヒー屋に立ち寄り、いつもの定位置である
店に入り向かって左にある。
四角形になっていて窓ガラスがあり、マスターも見えて、人々も見える。
俺の大好きな位置である。
そんな中、コーヒーが来た。相変わらず
マスターのコーヒーは赴きがあって最高だ。
豆の深く苦い香りが鼻腔を満たし、やがて口の中にまで残る。
その濃厚な余韻が、たまらなく好きだ。
ふと、マスターの方向を見たら可憐な子が居た。茶髪のロング、色白の背丈は165と少しに見える。これが「綺麗」なのだと理解した
瞬間だった。
「アッ…」
後に理解する事になるのだが、
一目惚れだったのだ。
いやいやいやいや、、俺はおっさんだ
引かれるだけだ。落ち着けと気持ちを沈め
コーヒーに意識を集中させた。
朔太郎
「そうだ、ただの気まぐれだ。おっさんの俺には関係ない問題だ。気にするな」
今日はすぐ帰ろう。それがいい。
電車に揺られ、人に揉まれ、帰るだけでも疲れる。あの頃の若さが欲しい。何事も興味が湧き
自ら進み行動出来ていた。今は動くだけで体が痛いのだ。
俺はそこそこ、待遇がいい。綺麗なマンション
綺麗な部屋、空調設備も完備。有り難いの感情と共に、粉骨砕身して仕事をこなしたかいがあるといえばいいのか。
それは俺には分からなかった。
朝飯を喰らい家を出て汗水垂らし営業をする
帰宅後、晩飯を作り喰らい湯に浸かり寝る
日々、これが俺のサイクルである。
さて、、寝ようか。
朔太郎は23時に布団に入り寝る
スマホを見るのはアラーム設定だけだ。
質素な部屋だった、鉢植えに木があるだけ
家電製品も必要なものだけ、皿もきちんと洗われており、干されてた。
朔太郎
「よし、行くか」
朔太郎は7時に仕事に向かい1時間30分かけ
職場に到着だ。
今日の営業は最悪だった。直属の上司に理不尽に怒鳴られ八つ当たりをされる。
人にぶつかられ謝罪もなく唾を吐かれ、年に1度
あるかないかの災難だ。
俺はペコペコと謝り、帰路のコーヒー屋に寄る
やはり居心地が良いのだ。
穏やかな曲調にコーヒーの燻された匂い
マスターは必要な事以外を話さない。
客が話しかけてもきちんと会話のキャッチボールをしてくれる。声色も穏やかなのだ。
これが長年愛される理由なのだと理解した。
そんな中、30分か、、経った頃
またあの子が来店した。
目と目が合い、手のひらでひらひらと挨拶をしてくれた。
今日はそれだけだった。だが
久しぶりに胸が暖かくなった、俺はいつから
感極まりやすくなったのか。はたまた
単純なだけなのか、自問自答しても答えは
出ない
その日以来、彼女と会う日が増えた。
まあ、俺はコーヒー屋の常連だから
決まった時間、決まった位置、決まった注文だからマスターにも「いつもの」で伝わってる。
少しだけ話す日が出来た
彼女の名前は「竹中 桜子」24歳
春産まれだから桜子だという。
彼女は桜なのに竹中だと自虐ネタをした。
桜子
「おかしいですよね、桜子って4月ですよ?
竹が成長してグングン伸びる。私、かぐや姫ですか?!伸びすぎて167cm健康優良児過ぎます
って話ですよ。あ〜おかしい」
彼女は明るくて眩しすぎた。
ケラケラと笑う彼女に俺は不覚にも釣られて
笑ってしまった。
桜子
「あ!ようやく笑ってくれました!
嬉しい嬉しい!今日奢りますよ笑ってくれた
記念ですからね。マスター!パンケーキ2人分
お願いします」
マスター
「はいよ。朔ちゃんはツンデレさんだからね
久しぶりに見たよ笑った顔、、桜子さん
お代無しでいいよ。今、客は2人しかいないからね。特別だよ」
朔太郎
「え?、、、ツンデレ?俺が?」
桜子
「かぐや姫の私は1人の男性を笑顔にしました。ってな!!」
俺は久しぶりに笑ったらしい。おかしいな俺はきちんと人前でスマイル精神だと自負してた
つもりだったはずだ。
その日を境に俺の中の歯車が狂い始めた
朝飯から始まり、寝るまで彼女の顔が浮かぶ
なんなのだ、コレは。
心臓が早く脈打ち、、、裂けるような変な痛み。この感情が分からぬまま冬になった。
12月の半ばだ。
雪がしんしんと降りアスファルトや壁に雪が積もる。雅な風情だけどとにかく寒いな。
今日は同僚の女性に言われた。
「田中、表情柔らかくなったよね」
「いきいきするようになったね」
と意味が分からなかった。俺は生きてる人間ですら認知されて無かったのか?
桜子
「あははっ、、おかしい、、おかしい」
桜子さんはヒーヒーと涙を浮かべ笑い始めた。
桜子
「確かに2ヶ月前の朔太郎さん、死にかけた
魚みたいな顔してましたもん。」
死にかけた魚?!、、まあ、いい聞くか。
桜子
「まさか、、恋しました?」
朔太郎
「、、、、恋?ですか。」
桜子
「あ〜、分かりましたわ。恋してるな
コレは、はいはい。桜子分かりました。
朔太郎さんって好みありますか?」
朔太郎
「味わいが深く、噛めば噛むほ、、」
桜子
「ちがーーう!それはコーヒーですよね
もう!!質問変えます!!同僚さんに言われてなんて思いましたか?」
朔太郎
「なんか、俺はまだまだいきいきしてなかったのかなって反省した。」
桜子
「あーー!そこですよ?すぐマイナスと反省
分かりました。クリスマス私と出かけてくれません?」
朔太郎
「クリスマス、、、ですか。分かりました」
桜子
「しゃーー!」
マスター
「若いねぇ。」
クリスマス、、世の中、、、
想い人や夫婦が蔓延るイベントだ。
悪いイメージはないけど、ガヤガヤしてて少し苦手だ。俺は昔付き合ってた子がいたけど
沢山縛られて、お金目当てだったからいい
記憶がないのだ。
クリスマス当日。
俺は格好が良く分からなくて無難にスーツ系の
格好をして笑われた
桜子
「朔太郎さん、なんで堅苦しい格好なんですか?、、もっとこう気楽にいきましょーよ!」
笑われてしまったが彼女が笑ってくれた
だが不思議と嫌な気分にはならない。
俺の予想は外れてた。
高級料理や眺めがいい場所にはいかなかった。
桜子
「へ?料亭?まさかまさか、、私が?
ないない。だって朔太郎さんと居るの楽しいんですもん!!逆に格式高けーーってなりますよ!」
小さなファミレスだった。桜子はハンバーグを貪り頬がパンパンになっている。
なんか、、可愛らしい人だな。
俺はブラックとパンを食べていた
桜子
「朔太郎さんって必ずコーヒーなんですね。
飽きないんですか?」
朔太郎
「いや、こだわりがなかった。だから適当に
コーヒーしか頼まなくなってしまった。なんだマスターのコーヒーが美味いってのもある。」
桜子
「なあんだ!なら、私と一緒に沢山外出しましょうよ。美味しい場所を巡り、楽しい場所にいって、充実しません?」
俺は初めて人に「誘われた」。今まで金がある
俺が「与える」側だった。本当に初めて等身大で接してくれたんだと理解した。
この人は裏表がないのだなと、、、、
桜子
「はい!これクリスマスプレゼント」
桜子はガサガサゴソゴソと、、
包が豪華な縦長のプレゼント。
桜子
「帰ってからのお楽しみですよ?」
朔太郎
「あぁ、、分かった。ありがとう
桜子さんのクリスマスプレゼント。今から
買いに行きません?」
桜子
「ありがとうございます!だけど
朔太郎さんの今の顔みたから。、、、
最高のプレゼントもらっちゃいました!」
顔。俺は今どんな顔をしているのだろうか
コメント
1件
これ、めちゃくちゃいいな……! 朔太郎さんの「死にかけた魚」からの「いきいきしてきた」って変化、コーヒー屋と桜子さんの存在がじわじわ効いてるのが伝わってきたわ。特に「与える側だった」と自覚するシーンで、心の扉が開いた感じがすごくリアル。桜子さんの明るさに釣られて笑う朔太郎さん、こっちまでほっこりしたよ。続きで2人がどう変わっていくのか、すごく気になるな。