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不器用な癖に器用で、名前を呼ぶ訳でもないのになぜだか酷くしっくりと耳の奥が揺れる。
グイッと腰を引き寄せられて、片手は後頭部に回す。
軽いリップ音をたてる。それを数回繰り返してほんの少しこちらを見あげる。
冷たい濁りすらもない宝石のような、そんな瞳がこちらを見つめる。
その冷たい綺麗な瞳が俺だけを写している。
(んはっ、今ボスの頭ん中俺だけだ。)
なんてそんな優越感に頬が緩む。綺麗で穢れさえ知らない
もっと、もっと俺をボスでいっぱいにしてや。
俺だけでいっぱいになって奏斗。
「…雲雀」
「ッ…ぁ”?!…ぁ、”へ、♡ぅ…っぼ、すそこ、へ…しゃぇ、んなぁ”ッ!!」
耳元でしたいつもより低くそれでもどこか甘さを含んだ声にビリ、と電撃が走るような感覚がして腰が反れる。
「…ボス?」
「っ!…ッ♡…っかな、と!」
「…ッあぁ」
グポッ、なんて人間の体からしていい音では無くて腹の奥が突き上げられる感覚に思わず、視界がチカチカとして身体を捩る。
グリグリと押し付けられる感覚に逃がしていたはずの快楽が逃がせなくなって、ボロボロ視界が溶ける。
ベッドのシーツを握って快楽を逃がしたいのに、ほんの少しの刺激でダメになっていく。
「…っぁ、へあ…ッ♡ぉ”ぐ、っ、か、な”と、っむ、ひ…ま、っ、ぁ、っへッ”♡、はっ」
「…ッ」
「ッひぅ、…は…っ♡んは、かな、との、♡は…んは//、め、ちゃきも、ちッ♡」
「…ふは、雲雀」
あ、え?
「ん”…ぅ、…けほ…ぼすぅ、?」
「起きたか、水は」
「い、る…ぼすが、の”まして」
そう言って腕を伸ばせば軽く抱き寄せられて口を付けられる。
こく、と飲み込んだのを確認して口を離される。
手袋はまだはめてないからヒンヤリとした手が背中を撫でる。それから近くの毛布を酷く優しい手つきで羽織らせてくれる。
「…ぁえ、…かたづけ、やらせた?」
「それは良い、…覚えてないのか」
「だぁって…」
「…お前が中に生で欲しいってゴネて中に出したらそのまま気絶したんだろ」
「あぇ、じゃー俺のお腹ボスの?」
「出したに決まってんだろ」
「…そぉ」
ぼふん、とだるい身体をベッドに沈みこませればボスから適当にタオルやら綺麗な服やらを投げられ、布団をかけられてそのまま出ていく背中を見送る。
「シャワー浴びたあと髪は乾かすこと」
「…へーい」
わざわざ服まで用意してる。
「…そーぞーもできんかったなぁ」
あの冷たいボスがこんなやもんな。まぁ、所詮あのタヌキじじいに言われて、性処理としても使える便利な駒でしかないのだろうけど…
それでもいいと受け入れたのは自分だ。それに勝手に特別感を覚えたのも俺だ。
触れることさえ許さないこの風楽のボスに好きに触れて、表情を緩めさせて、話して十分特別なはずだけど。もっと、もっといっぱいになって欲しい。
「なぁに、残念がってるん俺は」
前までヤリ方さえ分からなくて小さな子供みたいだったくせにさぁ…ばーか、ばかやん
「……ばかなと」
雲雀は痛む腰を軽く叩きながら体を伸ばす。シャワー室へペタペタと裸足のまま歩いていく。