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※本作品と御本人様達は一切関係ありません。
※検索避けのため伏せ字を使用しています。
※本作品は時代パロとなっていますが、作者の個人解釈を含みます。
 
 「 ci 」   『 syp 』
● ci side
 
 sypとの喧嘩から4年 。
 
 姉ちゃんもsypもいなくなって 、
 
 俺の世界は灰色と化した 。
 
 どーせあと1年だ 。
 
 もうすぐ 、
 
 この家と離れられる 。
 
 でも 、
 
 今日は朝から母さんに怒られたから 、
 
 授業をばっくれて繁華街に来てみた 。
 
 お金も少しあるから団子でも食べようかと思ったが 、
 
 自分の草履の紐が切れてることに気付く 。
 
 「 うわ 、 最悪や … どうしよ 、 」
 
 ふと 、 1つの看板が目に留まる 。
 
 [ 草履直します 。 ]
 
 ちょうどええ 。
 
 あそこで直してもらお 。
 
 「 すいません 。
 
 草履の紐が取れてしまって … 。 」
 
 『 紐の修理ですね 。
 
 少し見せてもらってもいいですか ? 』
 
 若い店の人が出てくる 。
 
 同い年ぐらいだろうか … 。
 
 … 何処かで見た気がする 。
 
 あれ 、 誰や … ??
 
 俺が考えていると 、
 
 俺の草履を見ていた店の人が
 
 俺の顔を見てくる 。
 
 『 … ci 、?』
 
 「 … え 、 ? syp … !? 」
 
 そこには身長も声も少し変わっているが 、
 
 4年前に喧嘩sypだった 。
 
 俺の世界が一気に色づいた気がした 。
 
 「 なんでここに 、 !? 」
 
 『 いや 、 こっちの台詞なんやけど … 。 』
 
 「 … 」
 
 『 … 』
 
 「 ま 、 まぁええわ 。 とりあえず草履直してくれ 。 」
 
 『 あ 、 うん 。 』
 
 sypは俺の草履を取り 、
 
 手際よく紐を修理していく 。
 
 久しぶりに見るsypをガン見してしまう 。
 
 あれから元気だったか 。
 
 なんでこんなところで働いているのか 。
 
 あの時はごめんって 、 言いたい 。
 
 いっぱい 、 話したい 。
 
 『 ほい 、 できたで 。 』
 
 「 あ 、 う 、 うん 。 ありがと 。 」
 
 『 お代は3銭で 。 』
 
 「 はい  。 」
 
 ポケットから銭を出し 、
 
 sypに渡す 。
 
 『 毎度あり 。
 
 … ci 、 そこの腰掛けで待っとってくれんか ?
 
 あと少しで終わらすからさ 。 』
 
 「 !! わかった … !!  」
 
 俺はsypに言われた通り 、
 
 店近くの腰掛けに座って待った 。
 
 15分くらいしたら 、
 
 sypが来てくれた 。
 
 
 『 待たせてごめん 。
 
 昼休憩だけだけど 、 話そ ? 』
 
 「 うん ! 団子でも食う ? 」
 
 『 いや 、 お金ないし 、 俺はええわ 。 』
 
 「 おごったるよ ! お金あるし ! 」
 
 『 え 、 いーの ? 』
 
 「 ええって ! 」
 
 半ば強引にsypを団子屋に連れていく 。
 
 三色団子とお茶を頼み 、
 
 sypと腰掛けに座る 。
 
 「 … 元気に 」
 
 『 ごめん 。 』
 
 「 え 、 ? 」
 
 
 
 ● syp side
 
 『 ごめん 。 』
 
 ずっと言いたかった 。
 
 たった1回の喧嘩で 、
 
 4年も会えなくなるなんて思ってなかった 。
 
 あの時 、
 
 離れなければよかった 。
 
 ばいばいなんて言わなければよかった 。
 
 何度も後悔した 。
 
 4年間のずっと思ってた 。
 
 そしたらciは驚いた 。
 
 「 え 、 ? 」
 
 『あの時のこと 、
 
 ずっと謝れんでいたから 。 』
 
 「 いやいや ! 謝るんは俺の方やで !
 
 sypせっかく励ましてくれたのに … 。 」
 
 『 … ほら 、 俺の母さん死んだ時 、 ci励ましてくれたやろ ?
 
 その時のお返しがしたかったんやけど 、
 
 ciみたいに上手く言えんかったわ … 。 』
 「 十分励ましになっとったよ 。
 
 でも 、 あのときの俺は現状を理解するのに必死やったんよ 。
 
 だからってsypにあたっていい理由にはならんけど 。 」
 
 『 俺にくらい 、 あたってええんちゃうん ? 』
 
 「 え 、 ? 」
 
 『 お前の両親イかれてるやん 、 だって 。 』
 
 「 … プハッ 笑 確かに 、 そーやな 笑 」
 
 4年ぶりのciの笑顔 。
 
 やっぱり 、 ciの笑顔はあったかい 。
 
 4年間の塊も解かすようなあったかさや 。
 
 『 この4年間 、 何してたん ? 』
 
 「 え ー 、 何してたってな … 。
 
 親の言いなりになって生きてたとしか …  笑 」
『 そっか 笑 』
 
 「 sypは ? 」
 
 『 あ ー 俺は色々あったなぁ 。
 
 まずばあちゃん死んで 』
 
 「 え !? そうなん !? 」
 
 『 え … あ 、 そ 、 それは 』
 
 『 そんな堅苦しくならんくてえーよ 笑
 
 病気じゃないし 。
 
 寿命全うしたみたいな 。 』
 
 「 そっか 、 」
 
 『 あとは 、 父さんが戻ってきてくれたんやけど 、
 
 酒に溺れ始めちゃって … 。
 
 生活が苦しくなるから俺はここで働いてるってわけ 。 』
 
 「 そうだったんや … 。
 
 お父さん 、 そんな酒癖悪いんか 。 」
 
 『 まぁ 、 暴れ散らかすくらいには … 笑 』
 
 「 大変やな … 。
 
 俺にできることがあればなんでもするで !
 
 遠慮しないで言ってや 。 」
 
 『 ありがと 。
 
 まぁでも今は 、 生活できるお金と
 
 自立できるお金がほしいくらいやから 、 ええよ 。 』
 
 「 そっか … 。 … 。 」
 
 『 そういえば 、 なんでciはこんなとこ来てんの 。
 
 また勉強いやんなって逃げ出したん ? 笑  』
 
 「 ん ー 、 まぁ 、 それもあるっちゃある 笑 」
 
 『 あるんかい 笑
 
 他にはどんなのが嫌なの ? 』
 
 「 母さんが口うるさくてさ ー 、
 
 朝も怒られたから逃げてきた 笑 」
 
 『 あ ー 、 ciの母さんちっちゃい時からうるさいもんな 。 』
 
 「 助けてくれる姉ちゃんもいなくなったからね 、 」
 
 『 そっか 。
 やっぱ金持ちって大変やな ー 。 』
 
 「 まぁね … 。
 
 … あのさ 、 俺あと1年で 」
 
 『 あ 、 やば 。
 
 もう休憩終わりやわ 。
 
 ごめん 、 ci今なんか言いかけた ? 』
 
 「 いや ! 大丈夫 !  」
 
 『 そうか 。
 
 また時間ある時話しかけてや 。
 
 大体ここにいるから 。 』
 
 「 分かった 」
 
 『 じゃあな 。 』
 
 「 がんばって 」
 
 途中ciがなにか言いかけた気がするが 、
 
 仕事に戻らないと 。
 
 俺は手を振り 、
 
 仕事に戻った 。
 
 久々のci 。
 
 なんか元気がない気がしたが 、
 
 大人になって落ち着きが出てきたのか 、
 
 4年も会ってない俺には分からなかった 。
 あけましておめでとうございます!
2025年も、せんたくばさみをよろしくお願いします🙂↕️
 
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