テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
昔は七夕の願い事を学校で書いて、友達と見せあって笑っていたのに今日はなんだか寂しくてそんな気持ちを物語に落とし込みました。
病み注意
他メンでてきません
ご本人様とは関係ありません
ねえ
もし七夕の願いが本当に叶うならなにを願う?
桃視点
もうすぐ俺は死ぬ
でも病気でも殺されるわけでもない
自ら死ぬんだ
今日は7月7日 七夕の日
空には天の川が広がっている
綺麗だ……
って俺は感動なんかできない
あんなに光る天の川の下にいると自分がもっともっと弱く見える
俺はあんな輝きなんか微塵も持ってない
なのに自分の力を過信して突っ走った
5人の人生をかけてもらった
リスナー、スタッフ、他にも色んな人の人生をかけてもらった
でも俺じゃいけなかったんだ
俺なんか人生を預けられる価値もなかったんだ
俺はただ誰かに認められたかった
生まれた時から俺を愛してくれる人なんかいなかった
親に捨てられ、施設で息が詰まるかのような毎日を過ごし、いじめられ、社会人になっても罵声を浴びる
自分が悪いやつだからこうなるんだって思ってた
でもお前らだけは俺を認めてくれた
「え!すご!!」「めっちゃかっこいいじゃん!!」「頼りにしてるな!」「めっちゃ頑張ってるやん」「お疲れ様」
あいつらが俺を見る目はいつもキラキラしてて俺は認められた
もっと多くの人に認められたい
だから活動を始めた
でも世界はそう優しくないんだとだんだんと知っていった
日に日に増える攻撃的なコメント
取引先からの罵声
自分の実力が5人より劣っていると感じる毎日
でも1番辛かったのは
俺がみんなを愛せなかったこと
俺は愛し方がわからなかった
みんながどれだけ優しく接してくれても
俺はどう返せばいいのかわからなかった
どうやってリスナーに好きだと伝えればいいのかわからなかった
そもそも
本当にメンバーのことが好きなのかもわからなかった
それに気づいてしまったときに
俺は結局なにも変わっていないし、ダメなやつなんだと思った
あいつらが俺を見るキラキラした目は
俺を見て輝いているのではなく、もともとあいつらが光っているだけなんだ
俺は結局誰からも認められることなんてなかったんだ
そう思ったら屋上に立つのは容易だった
そして今俺はこの世界から消え去る
でもせっかく七夕の日なら願い事を書いて死のう
ピンクの短冊にお世辞にも綺麗とは言えない字で、でも叶うように強く強く必死に願って書いた
最後に 「ピンク頭の出来損ない子」と左端に書いて屋上のフェンスに括り付けた
笹じゃないから願いは届かないかもな と微笑してから息を大きく吸った
そのまま前へ1歩踏み出した
身体は抗うこともできず重力に従って急降下する
頭もぼーっとしてくる
でもそんな中強く強く両手を握って先程短冊に書いたことを願う
「あいつらが幸せで笑ってますように」
end
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!