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#めめこじ
雫
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ゆんしょ
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絶対辰哉
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土曜日。
約束の午前十時。
辰哉は家の前でそわそわしながら腕時計を見た。
(何の話なんだろう……)
仕事のこと。
それとも。
別のこと。
考えていると、一台の車がゆっくり止まる。
運転席の窓が開いた。
💛「おはよう」
💜「おはよ」
辰哉は助手席へ乗り込む。
ドアが閉まる。
少しだけ緊張した空気。
💜「どこ行くの?」
💛「着いてからのお楽しみ」
💜「何それ」
思わず笑う。
照も小さく笑い返した。
────────
車は街を離れ、小高い丘へ向かっていた。
二十分ほど走ると、大きな公園へ着く。
休日なのに人は少ない。
展望台まで歩く。
風が心地よく吹いていた。
街並みが一望できる。
💜「すご……」
💛「ここ、好きなんだ」
二人はベンチへ腰掛けた。
しばらく景色を眺める。
静かな時間。
照がゆっくり口を開く。
💛「ここ」
💛「五年前にも来たことある」
辰哉は驚いた。
💜「え?」
💛「一人で」
💛「別れた次の日」
辰哉は何も言えなかった。
照は遠くの景色を見つめたまま続ける。
💛「あの日」
💛「何回も電話しようと思った」
💛「でも」
💛「辰哉が決めたことだからって」
💛「連絡できなかった」
風だけが二人の間を通り抜ける。
💜「……俺も」
照が辰哉を見る。
💜「毎日スマホ開いてた」
💜「照とのトーク画面」
💜「消せなくて」
💜「文章打っては消して」
💜「結局一回も送れなかった」
照は小さく息を吐いた。
💛「似てるな」
💜「ほんとだね」
二人とも苦笑する。
────────
少し沈黙が流れる。
照はゆっくり立ち上がった。
辰哉の前に立つ。
真っ直ぐ見つめる。
💛「辰哉」
その声は少し震えていた。
💛「五年前」
💛「ちゃんと向き合えなかった」
💛「仕事を理由に逃げた」
💛「傷付けた」
辰哉は静かに聞いている。
💛「もう同じことはしない」
照は一度息を吸う。
💛「だから」
💛「今度は逃げない」
辰哉の鼓動が速くなる。
💛「辰哉」
💛「もう一度」
💛「俺と歩いてほしい」
恋人になってほしい。
その言葉はあえて使わなかった。
五年前、一緒に歩く未来を失った二人だから。
照が願ったのは、まずその未来を取り戻すことだった。
辰哉は俯いたまま笑う。
目には涙が浮かんでいる。
💜「……ずるい」
💜「そんな言い方」
💛「本音だから」
辰哉は何度も涙を拭く。
五年間。
何度も想像した。
もしもう一度会えたら。
もしやり直せるなら。
その答えは、もう決まっていた。
辰哉はゆっくり立ち上がる。
照の目を見つめた。
💜「俺も」
💜「もう逃げない」
💜「照と」
💜「もう一回、ちゃんと歩きたい」
その返事を聞いた照の表情が、ふっと柔らかくなる。
嬉しそうに笑うその顔は、五年前と少しも変わっていなかった。
照はそっと右手を差し出す。
恋人だった頃のように強引ではなく。
返事を待つように。
辰哉はその手を見つめ、小さく笑う。
そして。
自分の手を重ねた。
ぎゅっと握る。
二人の手は、五年ぶりにもう一度繋がった。
その瞬間。
止まっていた時間が、ようやく動き出した。
コメント
1件
お疲れ様です、第12話読みました……! 「もう一度、ちゃんと歩きたい」っていうチューニング、めっちゃ好きです。照くんがあえて「恋人になってほしい」って言わなかったのも、五年前の重みがあって、とても響きました。 二人がそれぞれスマホのトーク画面を消せなくて、打っては消してたっていう描写、めっちゃリアルで胸がギュッてなった。五年ぶりに手が重なるシーン、じわじわ来ましたよ。素敵な再会エピソードでした、ありがとうございます!