「お忙しいと伺っておりましたが……お仕事は、もう落ち着きましたか? 村尾様」
穏やかな声音が、労わるような色を含んで問うた。
目の前の女性は、品のいいブラックスーツに身を包み、艶やかな黒髪を後れ毛一つ許さない丁寧さで纏め上げ、主役を立てるためにと薄く施された化粧には、しかし手抜きとは程遠い緻密さを感じさせる。
私達の担当プランナー・塩崎だ。
いくつか見て回った式場の中で、この塩崎が、他のどんなプランナーよりも真摯で親身で迅速だった。
頭の天辺からつま先、指先に至るまで、プロ意識の高さを感じる。
この女性の下なら、素敵な結婚式を挙げられるだろう、と直感で信じた。
その勘は恐らく正しく、これまでの準備は順調に進んでいると思う。
しかし、どういうわけか、労いの中に、ほんの微かな圧が掠める。
「ええ、お陰様で……」
私が感じる気配を、************************
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