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中休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
「ぁ~……。疲れた。」
久々にグラウンドに行って友達と遊んだ。
いつもは教室の席に座り、若林や小鳥のさえずりを聞きながら、勉強をしたりしている。
「もう3時間目か。流れは早いにぇ…。」
ぽつん と独り言を呟くと数学の準備をする。
「それにしても…暑い……。」
頬に伝わった汗を拭う。
最近は、寒暖差が激しい事もあり、妙に季節に振り回されている感じがする。
ガラッガラガラッ…。
「授業を始めるぞ–。」
号令とともに先生が入ってくる。
だが、いつもの様子とは違い、少し慌ただしい様子だった。
どうしたんだろう…。と不安になるが、皆の噂が耳に入る。
「転校生が来るらしいよ~!」
「かっこいい女の子らしい……!」
「惚れちゃうかもー…」
転校生……。4月でもない。8月と言う時期に転校してくる。
不思議だったが、その気持ちが、「楽しみ」というデータに上書きされていく。
「皆の噂の通り、転校生が来る。仲良くしてやってくれ。」
ガラッガラガラッ…
「こんにちは~」
気怠げな声と共に登場した転校生。
「星街すいせいと言います。」
彼女は星街すいせいと言うらしい。
緩めのネクタイに低めの声、澄んだ青色の髪に夜空のように綺麗な藍色の目。
「かっこいい~!!」
「タイプすぎる~//」
と声が上がる。
「声が好み……。席が近くだったらいいにぇ……。。。」
だが、ないだろうと自分の中で否定する。が、やっぱりすいせいの方に目が行ってしまう。
どうしてだろう。今、一瞬目が合った気がした。微笑まれたような……。
「思い込みすぎか。」
そう思い、やっとの事で先生に目を向ける。
「席はー……。教室の隅っこにしようかな。」
「分かりました。」
と落ち着いた声ですいせいは返事をする。
「では次に、面倒を見てもらいたいのだが…。誰にしようかな……。」
「やりたい人、居るか?」
……どうしよう。すいせいの面倒を見たいが、手を挙げる勇気がなくてあげられない。
だが、すいせいが言葉を発した。
「そこのみこさんがいいです」
「みこ?指名が入ったぞ。やってあげてもいいんじゃないか?」
……………………
「みこがですか!?」
耳を疑うような発言に動揺してしまう。
「みこがだ。」
やっぱりこれは現実だった。
「もちろん任せてください!!」
そう言うと、教室からは一斉に拍手が上がった。
「じゃぁすいせいはみこと一緒に〇▶高校の中を回っててくれ。」
「みこ、よろしく頼んだ。」
「はーい。」
いきなりかよ……。
教室からは「いいなぁー…」だったり、
「私も回りたかったぁ」等との声が上がる。
だが気にせず、すいせいの手を引っ張り、
教室を後にする。
「始めまして。さくらみこって言うんだ。よろしくにぇ!!」
「さくらみこ……かぁ…。いっつも呼ばれているあだ名無いの?」
「大体…みこちとかかなぁ。」
「じゃあみこちってこれから呼ぶね!!」
元気で無邪気な笑顔は、こっちまで釣られそうになる。
「じゃあみこは~…すいちゃんって呼んでもいい?」
「その呼び方面白いね!いいじゃん」
彼女達は学校探検に向かった。