勢いよく俺が吐き出したものは…
鳥だった。
そう、鳥。
綺麗な、小さめの、
鷹だった。
「ほえ?」
こんな声が出て、恥ずかしくないのは今だけだと思う。
鳥だぜ?
……まじで脳が(以下省略。
「おめでとうございます!鷹、ですね!」
「…おめでたい気になれませぬ。」
「これが先輩の 神獣 です!」
「しん…じゅう…?」
まじでわからない。
「簡単に説明すると…さっき先輩が飲んだ札、あれが先輩の中の神の力と共鳴してできた…ペットみたいなものです!」
「?????」
うーん…
ペットってなんだっけ。
それさえもわからない。
俺が吐き出した鷹はギャア?と不思議そうな声で俺を見つめている。
こう言う時普通オオカミとかだろ…
鷹て…
「この鷹…なんか肩についてるな。」
「その鷹は、銃系列みたいですね!」
「ちなみに自分の神獣は、こいつです!おいで、にゃんソード!」
んにゃっ!と言う声が聞こえて我炎の肩に小さな猫が飛び乗る。
「…可愛い」
「こいつは刀系列ですね。」
「爪を強靭な刀にできます。」
「能力可愛くなかった。」
「…で、鷹。」
「センパイ!名前くらいつけてあげましょうよ!」
「…はぁ?そんなこと言われても…鷹でいいだろう。」
「かわいそうですよ!」
「わあったよ…」
「………銃鷹。(マグナムホーク)」
「…さすがですね…!」
「無理して言わなくていいんだぞ…(泣)」
「わかってるよ!俺が厨二引きずってることは!」
さっきから適当に聞いてたけど、銃系列とか刀系列っていうのは…こいつらの大まかな分け方か…?
「ぎゃぎゃ!」
鷹が俺の肩に飛び乗ってくる。
「………ふふ。」
なんか可愛げがあるように見えてきた。
「で、次は何をすればいいんだ?」
「次とは?」
「いや、お前が言ってた試練ってこれのことだろ?」
「これで終わりってのは流石にないと思ってたんだが…」
「もう次の段階に進みますか?」
「なんかまだあんのかよ。」
「先輩の神具を作らなきゃですよ!」
「業界用語的なのやめてくれる?」
まじで神具って何?
「そうですね…まぁ、悪さをしている低級の神たちを封じる…武器、ですかね。」
「神ってそんな種類あったの?」
「はい。この世だけでも数百万体の神がいたはずです。」
「oh…」
「…どこで作るんだ?それ。」
「自分で作るんです。」
「冗談きついですよ…先生…」
「いや、本当にセンパイしか作れないんですよ…」
「神具って、どーやって作るの?」(学芸会風)
「先輩のイメージ通りにできるはずです。」
「目を瞑ってください。」
「虫くっつけてくるとかは洒落にならねぇからな…?」
「そんなのしませんよ。」
「………(瞑る)」
我炎が俺の眼に手を当ててくる。
…ホワホワする。
なんとも言えない…なんだこれ。
「センパイ。どんなものがいいですか?」
どんなもの、か。
…………………………………………………………………………………………………
「決めた。」
「ゆっくりと、言葉に出してください。」
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。」
「⁉︎」
目の前に何かが映る。
何かが書いてある。
しかし、それを読む暇はなかった。
「わああ⁉︎大変です!センパイ!」
我炎が急に叫び出す。
「驚かそうたってそうはいかねぇぞ…」
「そうじゃないんです!本来あるはずのないことが起こったんです!」
「というと?」
「神具は本来、何か一つの神の力が受け継がれている、神力が宿っているはずなんですが…」
「まさか入ってなかったとかいうんじゃねぇだろうな…」
「逆です…」
「神力が…全部入ってるんです…」