💙「なんでぇ???」
のんびり飯を食ってから風呂に行こうとしたら、無情にも風呂場への扉が閉まっており、『本日は終了しました』の札が掛かっていた。
体育もその後の課外授業も頑張ったせいで、身体が汗でベトベトで気持ち悪いというのに。
部屋風呂がないので、今日は我慢するしかないのか…。
風呂大好きだから、入らないとかありえないんだけど…。
💜「何してんの?翔子ちゃん」
肩を落としてため息をついていたら、通りすがりに深澤に聞かれた。
💙「風呂、閉まってて…」
💜「ここ男風呂だよ?女風呂はあっち」
💙「あっ」
深澤に指を差された先に、ピンクの暖簾がかかっている入口があった。そちらは扉が開いている。
💜「男風呂は、時間制限があるけど、女風呂はそういうのないからよかったね」
💙「まじか。助かった〜」
すると、終了したはずの男風呂の扉の中から、めめとラウールが出て来た。
🖤「あ。こんばんは、渡辺先輩」
🤍「……ばんは」
相変わらず対照的な2人だ。
爽やかで明るいイケメンと、かなり陰を背負ったハーフイケメンと。でも、今日一日でキャラクターが掴めて来たから面白かった。
めめは何でもそつなくこなす優等生タイプ。
ラウールは物静かだけど、勉強が得意そう。阿部先生に一番頼りにされていて、上級生の勉強の世話も焼いているのを見た。
💙「2人とも今上がったとこ?」
🖤「いいえ。風呂掃除の当番だったんです」
💙「風呂掃除?」
🖤「はい。みんなで持ち回りで掃除するんです。今日は俺たちでした」
💙「女風呂はあたしがやるのかな」
🖤「佐久間先輩と渡辺先輩で交代するんじゃないかな?」
💙「えっ、佐久間と!?」
🖤「はい。佐久間先輩、女風呂使ってるんで」
💙「なんでだよ」
🖤「さあ?…それでは、先輩、お先に失礼します」
💙「あ、うん」
一礼すると、めめとラウールは、掃除用具を片付けて部屋へと戻って行った。
するとちょうど入れ違いで女風呂から、佐久間がピンクの可愛らしいパジャマ姿で出て来た。
顔にパックらしきものを付けている。
見た目に違わず美容に余念がないらしい。
色は白いし、小柄だし、見てるとマジで女の子みたいでちょっとどきどきする。
🩷「あ。渡辺じゃん。これから風呂?」
💙「なんで女風呂に…」
🩷「俺は一人で入りたいんだよ」
💙「わがままー」
今まで女生徒がいなかったから、佐久間は個浴として自由に女風呂を使っていたらしい。
今日からは俺とシェアだと言って明らかに迷惑そうにしている。
これだから社長の御曹司とやらはいけない。一人だけ個浴で自由に入れるなんて。集団生活の重要性というものを認識していないらしい。
🩷「出たら、掃除しとけよ」
💙「はいはい」
それでもまあ、風呂に入れるなら文句はない。
俺はいそいそと女風呂へと入って行った。
コメント
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翔子ちゃんけっこう男が出てるけど周りがそれを気にしてないのも良いなー😊⟡.· あーそれにしても翔子ちゃん可愛いな〜^^ふっかさんに気をつけてね‼️1番手が早そう笑お風呂場で襲われるかと思ってた笑