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青山の兄貴視点… 空龍街で、この後で出会ったら…どうなるんでしょうね……
続きぃん
いいですか皆さん。みんな生きてます。死んでません。北岡くんも冨樫ニキも死んでません。(ただ天京戦争前に死んだ人達はいません)
今回かぶちゃ視点とちゃいます
どぞ
あの日は、俺は生涯で一番絶望した日だったと思う。
空龍街で爆発が起きた。
発端は小林の兄貴からの電話。会話内容を聞く限り、2人は別行動をしていたようで、とりあえず小林の兄貴の安否確認はできたとホッとした。
確か街には小林の兄貴、そして華太が出ていたはずだと、急いで華太のスマホに電話をかけた。
いつもならワンコールで出てくれるのに、出なかった。
住民の対処で出られないのか?それとも携帯が壊れた?
でも今はそんなことどうでもいい。とにかく華太の安否確認、そして街の住民をなんとかしなければと、俺は矢部の兄貴、香月、飯豊と事務所を飛び出した。
そして到着した頃には、街は阿鼻叫喚の地獄になっていた。
飯豊「ひでぇ……」
ところどころに火が燃え移っていて、建物は半壊している。
矢部「呆けてる暇なんかねぇ!街の住民が先だ!」
香月「はい!」
俺たちは救助活動をしながら、同時に小林の兄貴と華太を探した。
そして香月と住民の人たちをあらかた避難させた時だった。
壊れかけた建物の奥から誰か歩いてくる。
目を凝らすと、小林の兄貴が何かを抱えてこちらに歩いてきていた。
小林「…………………」
香月「小林の兄貴!ご無事でなによりで…す……」
香月の顔が真っ青になる。俺はその後ろから小林の兄貴が抱えていたものを見た。
その瞬間、全ての音が消えた。
青山「ぁ……………ちゃん、かぶ……?」
体の所々が抉れ、真っ白だったスーツと肌は真っ赤に染まり、完全に致命に至っている。
指先から真っ赤な血が滴り、地面に落ちる。
そして力無く垂れる腕を見て、確信した。確信させられてしまった。
あぁ、もう、戻ってこないんだ。
あの綺麗な横顔も
たまに見せる泣き顔も
怒った顔も
笑った顔も
舎弟達に向ける慈愛の顔も
俺たちに向ける尊敬の顔も
たまにへにゃりと綻ぶ顔も
全部全部大好きだった。
でも、もう見れない。
そう思った瞬間、もうダメだった。
俺と香月は膝から崩れ落ち、空龍街には俺らの咆哮が響き渡った。
このことは天羽組にすぐ知れ渡った。
華太の下に着いていた舎弟達は泣き叫び華太の遺体に縋り付き、兄貴分達でさえも全員とめどなく涙を流していた。
この前皆で花見をやって、これから先の未来の幸せを願ったのに。
ずっと誰も欠けることなくこのまま歩んでいけると思ったのに。
天羽組の庭にある桜。
まるで今までの幸せを、思い出を少しづつ、じわじわと奪ってゆくように、儚く散っていった。
そしていつのまにか何ヶ月か過ぎていて、夏になった。
そろそろ華太が大好きだった空龍街の夏祭り。
今年も天羽組が警備をするのだろう。
楽しみだけど、どうしても華太を思い出してしまう。
ほかのみんなも多分同じだ。
でもやらない訳には行かない。俺に出来ることを精一杯やろう。
青山「…今年も一緒に行くはずだったのに」
誰もいない室内で、俺はぽつんと呟いた。
さぁ、時間だ。
夏祭りに行くとしようか。
やはり、さすが空龍街と言うべきか。
色々な場所からお客さんが来て大繁盛だった。
その分良からぬ輩が出てくるが、俺とカチあったやつは全員地面と一体化してもらった。
その時、花火が上がった。
宇佐美「綺麗ですね」
青山「…ああ」
隣にいたジュンが、目を見開いて感嘆の息をもらす。
青山「……ジュン、ちょっと着いてきてくれるか」
宇佐美「…?わかりました」
俺はジュンを連れて、あいつの、華太の大好きだった店へと足を運ぶことにした。
華太の好物を買って、墓に供えてやろう。
ひとりぼっちは寂しいもんな。
おのずと店へ向かう足が早くなったような気がした。
to be continued……