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意識が戻ると、見知らぬ部屋の布団の中にいた。

厚めのかけ布団が1枚自分の身体に掛かっており、敷布団も極普通のものだ。

少し力をかけると年季の入った音のなる黒いベッドで、ベッドには引き出しらしきものは一切ない。

木製の椅子が2つと、その間に長方形の薄茶色の机がある。

白い壁と床は材質が同じだ。

扉と窓は外側から鍵がかけられていて、天井近くの壁には監視カメラがこちらを向いている。

(マタールナとの化合に使えられそうな物質はないか……)

扉の鍵が解錠される音が聞こえて、開く。

最初に見えたのは私と対峙した紫髪の男で、その後ろから着いてきたのは私より1歳程若そうだけど身長は私より高い緑髪の少女だ。

「アンタが、5日間行方不明になっとった紙塔來雨やな?」

紫髪の男は窓に近い方の椅子に、緑髪の少女はもう1つの椅子に座ってこっちを見る。

「あ、はい。」

私は取り敢えずベッドに座っておいた。

「7年前にあたし___草薙家の可愛い幼女から、マタールナを騙し盗ったのもお前でしょ?」

7年前の自分のことを自ら可愛いと言う、緑髪の少女の精神性が理解できない。

「……記憶にあります。」

「これで、陽翠がアホかましたせいでマタールナを盗んだ奴と、家にレーザーぶっ放して商業施設と軍艦島に逃げた奴が同じちゅうことがわかったな。」

緑髪の少女は草薙陽翠という名前のようだ。

「ア、アホじゃないもん!そもそも5歳のあたしがマタールナを勝手に持ち出せるような状況にしたのが悪いでしょ!?その頃まだ5歳だったんだから騙されて当然よ!」

「騙したのも当時6歳のガキやけどな。……さて、アンタは今後どうしたいかについて聞きたい。本来なら普通に家に帰すつもりやった。難儀なことにアンタが随分前からマタールナのことを色々知っとるから、口外する可能性が高いんや。」

「マタールナに記憶操作の性質はないから、マタールナのことの記憶を消してから日常生活に戻させることもできないのよね〜。幻覚を見せるやつで良い感じに洗脳すれば記憶は消せそうなのよ。でも倫理的にアウトだし、覚えられると都合の悪い記憶だけ上手く消せることなんて確率が低すぎるわよ。」

「陽翠、コイツの前でマタールナの情報を話しちゃアカンやろ。」

「やべっ」

「えっと……まだ義務教育を受けなければいけない年齢ですが、マタールナ関連の職につかせてマタールナを知らない一般人との関わりを隔てるみたいなことってできませんか……?」

「確かにそれもアリやな。ええんちゃう?」

「でも友達は勿論、お前のお父様とお母様にも会えなくなるのよ?それは流石に酷だと思うわよ。」

草薙陽翠が『お前』という二人称なのに対し、私の父母のことは『お父様とお母様』と呼んでいることが、乱暴な奴なのか丁寧に話せるような奴なのか分からない。

でも言葉遣いは荒くて感情的な面もあるから、前者に近いのだろう。

「別に二度と会えなくても全然大丈夫です。」

それに友人は元からいない。

「ほな、マタールナに関係した仕事に着かせてアンタがここで生活するよう上司に提案してくるか。マタールナを知っとる人の中にも教員免許を持っとる人もおるから、勉強も教えてもらえるかもしれん。」

邪悪物質MatterLuna

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