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#裏主
ピノノワール@ちょびっと低浮上
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1939年9月1日。
第二次世界大戦が始まった、この世界の歴史が大きく動き出した日。
当時、優真はHELLSING機関に所属していた。
いつもと変わらない任務の最中、突如として激しい爆発音が響き渡る。
「――っ!?」
次の瞬間、爆風が優真の身体を襲った。
視界が大きく揺れ、身体は宙へと投げ出される。何が起きたのか理解する間もなく、優真の意識は遠のいていった。
どれほどの時間が経ったのだろうか。
優真が倒れていたのは、見知らぬ場所だった。
身体を起こすことさえできず、意識も朦朧としている。遠くから聞こえてくる足音に気づいたときには、もう目を開けていることすら難しかった。
「おい! こっちに人が倒れているぞ!」
駆け寄ってきたのは、ナチ党員たちだった。
彼らは倒れている優真を発見すると、すぐさま保護した。
そして、その出来事が優真の運命を大きく変えることになる。
保護された優真は、やがて少佐のもとへと導かれた。
少佐は優真を引き取り、自らのもとで育てることにした。
最初は、何もかもが分からなかった。
見知らぬ場所。知らない人々。
そして、かつて所属していたHELLSING機関から遠く離れてしまったという現実。
それでも、優真は少佐のもとで生きていくことになった。
少佐は優真にさまざまなことを教え、成長を見守った。
優真にとって、少佐は命を救ってくれた恩人だった。
やがて時が流れ、優真はナチ党員となる。
かつてHELLSING機関に所属していた過去を持ちながら、今では少佐のもとで生きる道を選んだのだ。
しかし――。
優真が少佐に抱く感情は、恩義だけではなかった。
命を救われ、育てられ、そばにいるうちに、いつしか優真は少佐に恋心を抱くようになっていた。
そして、その想いは優真だけのものではなかった。
少佐もまた、優真を育てていた頃から、彼に対して特別な感情を抱いていたのである。
ただし、少佐はそれを大げさに表現することはなかった。
いつもどおりの余裕ある態度。いつもどおりの笑み。
けれど、優真に向ける言葉だけは、ほんの少しだけ柔らかかった。
優真は、それが少佐なりの優しさなのだと思っていた。
少佐もまた、自分の気持ちをすべて言葉にすることはなかった。
互いに想い合っているのに、まだその心を確かめ合ってはいない。
こうして、HELLSING機関に所属していた一人の人間は、爆発によって運命を変えられ、少佐のもとで新たな人生を歩み始めた。
そして、二人の間には、誰にも知られていない特別な感情が静かに育っていたのだった。
コメント
1件
読了しました…!優真の過去。1940年の接点、そして少佐の過去が静かに流れる感じで重厚でどこか儚くて、特に「そばにいるうちに恋心を抱く」と少佐の柔らかい言葉が沁みました。まだ確かめ合えてない二人の距離感が切ない…第8話だからこの先も気になる展開になりそうで続きが待ち遠しいです。丁寧に描かれた感情の機微が素敵でした。