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遥 ℎ𝑎𝑟𝑢𝑘𝑎
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第四十七章 雨の匂いが消えるまで
大介🩷「うめぇな」
ピザを頬張る翔太の後方から伸びる白い腕。
シルバーのブレスレットに、指先のアクセサリー。
綺麗に整えられた爪は、色鮮やかなマニキュアで彩られている。ピザに腕が届かないのか、翔太の背中にピッタリと身体を密着させて伸ばした腕は、翔太の肩に乗っけられた佐久間の口に運ばれて行った。
ソファの下に小さく蹲る翔太を、後ろから抱き竦めるように座った佐久間は、翔太の髪を指で梳いて耳に掛けた。
大介🩷「可愛い耳してんな」
翔太💙「あのぉ……少し離れません?」
大介🩷「あ?寒いじゃんくっ付いてた方が良くね?」
翔太💙「じゃぁ先にお風呂入りましょ」
〝ピザが冷えちまうだろ〟そんな理由で二人上裸のまま寄り添って頬張ったピザは、味がわからないくらいには翔太は緊張していた。
大介🩷「えらく、大人しいじゃん」
翔太💙「佐久間さんのせいです……やっぱりそろそろお風呂入りませんか?」
大介🩷「なに?誘ってんの」
翔太💙「ちっ……違いますよ!オレは帰ったら入るので、佐久間さん先どうぞ」
大介🩷「は?」
翔太💙「だって泊まるわけじゃないですし……」
大介🩷「ふふっ冗談だよ。風呂入ってくるわ」
翔太💙「のぼせないでくださいね」
浴室の扉が閉まる。
その瞬間、部屋から一つ音が消えた気がした。
さっきまで背中へ触れていた体温も、耳元で笑っていた低い声も、湯気の向こうへ隠れてしまう。
ザーッと響くシャワー音だけが、静かな部屋へ薄く広がっていく。
翔太は膝を抱えたまま、テーブルへ置かれたピザの箱をぼんやり見つめた。
熱いはずなのに、指先だけが妙に冷たい。
胸の奥が、そわそわして落ち着かなかった。
翔太💙「……佐久間さん?」
返事がない。
雨音はもう止んでいる。
その静けさが余計に不安を煽った。
翔太💙「のぼせてませんか?」
心配になって、脱衣所の扉を少しだけ開ける。
白い湯気がふわりと流れ出た。
大介🩷「……なに」
低い声。
濡れた前髪をかき上げながら振り返った佐久間に、翔太の喉が小さく鳴る。
肌を伝う水滴。
湯気越しに滲む睫毛。
熱を帯びた裸の肩。
見ちゃいけない気がして、慌てて視線を逸らした。
翔太💙「わっ……びっくりした……具合悪くないですか?」
大介🩷「心配しすぎ」
くすりと笑う声が、柔らかく鼓膜を撫でる。
大介🩷「オマエさ、患者全員にこんな感じ?」
翔太💙「当たり前です」
大介🩷「……そりゃ勘違いするわ」
翔太💙「えっ?」
湯気の向こうで、佐久間がゆっくり笑った。
大介🩷「そんなとこ立ってたら濡れるぞ」
翔太💙「だ、大丈夫です」
そう言った瞬間。
ぬるり、と。
浴室の中から伸びた濡れた腕が、翔太の手首を掴んだ。
翔太💙「わっ……!」
熱い。
指先まで熱が移るみたいに、佐久間の掌が離れない。
大介🩷「心配なら中で見とけよ」
翔太💙「む、無理ですっ」
大介🩷「なんで?」
翔太💙「なんでって……」
言葉に詰まる。
薄く開いた扉の隙間から、湯気が逃げていく。
濡れた鎖骨。
滴る水滴。
低い視線。
見られてる。
そう思った瞬間、喉の奥が熱くなった。
大介🩷「顔赤」
翔太💙「赤くないですっ」
大介🩷「ふーん」
くい、と。
掴まれたまま、もう一度手首を引かれる。
翔太💙「さ、佐久間さんっ」
大介🩷「逃げんなよ」
低い声が、湯気より甘く耳へ落ちた。
大介🩷「おい、ちゃんと立てよ」
破裂しそうなほどバクバクと胸が鳴り、腕を引かれて入ったバスルームの洗い場に、ぺたんと座り込んだ。
翔太💙「だって……足に力入んない。腰抜けちゃった」
大介🩷「可愛いかよ」
くつくつと喉の奥で笑いながら、佐久間が濡れた指先で翔太の顎を軽く持ち上げる。逃げ場みたいに逸らした視線が、簡単に捕まった。
大介🩷「そんな顔で見上げんな」
翔太💙「……っ」
熱い。
浴室の温度なのか、身体の奥なのか、もうよくわからなかった。
滴った水滴が、翔太の鎖骨をゆっくり滑り落ちる。
その軌道を追うみたいに、佐久間の視線がゆっくり下りた。
熱を持った指先が、濡れた肌へそっと触れる。
びくり、と。
肩が小さく揺れた。
翔太💙「……っ」
怖いわけじゃない。
でも、どうしていいのかわからない。
そんな矛盾みたいな熱が、胸の奥でぐちゃぐちゃに混ざる。
濡れた指が、鎖骨の水滴を掬うみたいに滑っていく。
そのままズボンへ掛かった手に、翔太が小さく息を呑んだ。
翔太💙「さ、佐久間さん……」
大介🩷「今更戻れないけど?」
湯気越しに笑った佐久間の表情は、ひどく艶っぽかった。
大介🩷「これ以上煽んなら、知らねぇよ」
翔太💙「あおってないもん――やだぁ」
潤んだ翔太の瞳を見た途端、佐久間の手が止まった。
濡れたタオルがぽすんと頭へ落ちる。
大介🩷「……なんてな。悪かった……立てるか?」
両手を取って立ち上がらせた佐久間の腕にしがみ付き、ふらつく身体を佐久間に預けた。
大介🩷「はぁーそういうことするから止まんなくなるつってんの」
翔太💙「へっ?……ンンンッ」
顎を上げた瞬間、目の前には佐久間の顔があった。
触れた唇は、水に濡れて生暖かい。
佐久間の髪から滴った雫が、ぽたりと首筋へ落ちる。
大介🩷「口開けて」
低い声。
何を言われたのか理解するより先に、唇が深く重なった。
割り入るみたいに入り込んできた熱へ、翔太の肩がびくりと震える。息が上手く出来ない。
逃げなきゃいけない気もするのに、押し返す力が入らなかった。舌が触れるたび、頭の奥がぼんやり熱くなる。
翔太💙「……っ、ん……」
何をされているのか、ちゃんと理解出来ていない。
ただ、近すぎる熱と、逃がしてくれない腕の強さだけが、妙に現実感を持って身体へ残っていた。
その瞬間、力が抜けたみたいに、また膝がかくんと崩れる。
翔太💙「……ぁ」
支えようとしても、足に全然力が入らない。
熱い。頭も、胸も、息までぐちゃぐちゃで、上手く立てなかった。
大介🩷「……やば」
抱き留めた佐久間の声が、少し掠れる。
大介🩷「なにそれ。反則だろ」
翔太💙「だ、って……なんか……また腰、抜けちゃった……」
自分でも情けないと思うのに、膝が震えて止まらない。
そんな翔太を見下ろした佐久間が、困ったみたいに笑った。
大介🩷「可愛すぎだろ……煽ってない顔でそれやんの、ずるすぎ」
手を差し伸べた佐久間に、〝一人で大丈夫です〟と言った翔太は壁伝いに脱衣場に座り込んだ。
翔太💙「ちゃんと看てますから。ゆっくり入浴されてください」
大介🩷「……悪かったよ――」
さっきまでの熱を誤魔化すみたいに、佐久間はシャワーへ背を向けた。
その広い背中を見つめながら、翔太は自分の呼吸がまだ乱れていることに気付いた。
何に緊張しているのか、自分でもよくわからなかった。
シャワーの音だけが、静かな浴室へ響いていた。
翔太は渡されたタオルを頭へ被ったまま、脱衣場に膝を抱えて小さく丸くなった。
火照った身体が、なかなか冷めない。
大介🩷「……のぼせるぞ」
翔太💙「佐久間さんに言われたくないです」
大介🩷「ははっ」
湯気越しの笑い声。
さっきまでの空気が少しだけ薄れて、翔太は小さく息を吐いた。
その後、二人並んでリビングへ戻る。
ドライヤーの温風が、濡れたピンク色の髪をさらさらと揺らす。
生暖かい風と一緒に、蓮と亮平とは違うシャンプーの香りが鼻を掠めた。
ふと、テーブルの上へ置かれた小瓶が目に入る。
翔太💙「……マニキュア?」
大介🩷「ん?」
翔太💙「綺麗ですね」
佐久間が、自分の爪先を眺めながら笑う。
大介🩷「塗ってみる?」
翔太💙「えっオレ!?」
大介🩷「暇だし」
半ば無理やり掴まれた手。
細い指先。
翔太は困ったように眉を下げながら、されるがままソファへ座らされた。
大介🩷「動くなよ」
翔太💙「……なんか緊張する」
大介🩷「なんで」
翔太💙「だって、こういうの初めてです」
小瓶の蓋が、コト、と小さく鳴る。
その瞬間。
ぐい、と腕を引かれた。
翔太💙「わっ」
バランスを崩した身体が、そのまま佐久間の胡座の間へ落ちる。
翔太💙「さ、佐久間さん!?」
大介🩷「じっとしてろって。人に塗んの慣れてねぇから、この方がやりやすい」
背中へ当たる体温。
逃げようと少し肩を動かした瞬間、佐久間の腕が横から伸びた。
大介🩷「動くと失敗する」
翔太💙「うぅ……近い……」
大介🩷「今更だろ」
耳元で笑う声。
指先を取られるたび、さっき浴室で乱れた呼吸を思い出しそうになる。
透明な液が、ゆっくり爪へ塗られていく。
大介🩷「オマエ指綺麗だな」
翔太💙「男の手ですよ?」
大介🩷「だから?」
さらりと返されて、翔太は困ったみたいに視線を落とした。
乾かすために、佐久間が翔太の指先へふっと息を吹く。
その柔らかい風だけで、胸の奥がまた落ち着かなくなる。
大介🩷「似合うじゃん」
翔太💙「……変な感じ」
大介🩷「可愛い」
翔太💙「またそういうこと言う……」
熱くなった耳を隠すみたいに、翔太はテーブルのUNOへ手を伸ばした。
翔太💙「……乾くまで、これやりません?」
大介🩷「話逸らした」
翔太💙「逸らしてませんっ」
大介🩷「ふはっ」
カードの箱を開ける音。
まだ少し熱の残る指先へ、透明な艶が静かに光っている。
蓮 🖤「おい……着いてくるなよ」
亮平💚「あ?俺の目を侮るなよへんたい」
カチャッ――
カードキーを翳す無機質な音が廊下に響いた。
傘の柄から滴る水がカーペットを濡らす。
二人の長身の男は周りを気にするように左右を確認すると、雪崩れ込むように部屋へと入って行った。
ホテルの一室。
広い部屋にクイーンサイズのベッドが一つ。
部屋に入った途端――
亮平💚「やだエロい〜……ってお前どういうつもりだよ!」
蓮 🖤「身体拭いたら、早く帰れよ」
亮平💚「あっ?嫌だね!どうせ翔太とイチャつくつもりだろ?」
蓮 🖤「はぁ……嫉妬とかみっともない」
〝どの口が言うんだよ〟そう言って透明傘を振り回した亮平は、相当怒っている様子だ。
亮平💚「……は?」
振り回した透明傘が、ベッドの端へばさりと落ちた。
亮平💚「今なんつった?」
蓮🖤「うるせぇな」
亮平💚「えっ……まさか最初から泊まる気だった?」
蓮🖤「……」
沈黙。
その数秒だけで、答えは十分だった。
亮平💚「……うわ」
蓮🖤「何がだよ」
亮平💚「重」
蓮🖤「翔太は一人じゃ泊まれない」
亮平💚「はっ?翔太も知ってるの?」
蓮 🖤「……」
舌打ち。
濡れた黒髪を掻き上げながら、
蓮は苛立ったみたいにネクタイを緩めた。
亮平💚「クイーンサイズで何する気だったんですかね〜先生!職権濫用じゃない」
蓮🖤「うるせぇ」
亮平💚「信じらんない」
その瞬間。
――バンッ。
壁へ押し付けられたのは、亮平の方だった。
亮平💚「……っ、は?」
蓮🖤「面白がってんじゃねぇよ」
低い声。
近い距離。
雨に濡れたままの体温が、まだじっとり熱を持っている。
亮平💚「本気なのは……蓮、お前だけじゃないんだよ?」
ぎり、と。
壁へついた拳へ力が入る。
蓮🖤「帰れ」
亮平は少しだけ目を細めた。
さっきまで怒っていたくせに、今は妙に静かだった。
亮平💚「……ほんと重症」
蓮🖤「うるせぇ」
短く吐き捨てられた声。
けれど、壁へ押し付けた腕は離れない。
ホテルの空調音だけが、静かな部屋へ低く響いていた。
亮平は逃げるでもなく、ただ真っ直ぐ蓮を見返している。
濡れた前髪。
雨の匂い。
近すぎる呼吸。
数秒前まで降っていた雨が、まだ二人の服へ残っていた。
亮平💚「……で?」
蓮🖤「……何が」
亮平💚「翔太、迎え行く気だったんでしょ」
その瞬間。
蓮の眉が、ほんの少しだけ動く。
図星だった。
亮平は小さく笑う。
亮平💚「ほんっと分かりやす」
蓮🖤「黙れ」
亮平💚「でも残念でした〜」
わざと煽るみたいに、亮平がカードキーをひらひら振った。
亮平💚「今日は俺も泊まるから」
蓮🖤「は?」
亮平💚「一人にしたら絶対暴走するじゃん、お前」
蓮🖤「しねぇよ」
亮平💚「クイーンサイズ取っといて?」
沈黙。
そのあと、蓮が盛大に舌打ちした。
亮平💚「図星」
蓮🖤「……帰れ」
低く落ちた声。
けれど、壁へ押し付けた腕は離れない。
亮平は逃げるどころか、むしろ面白がるみたいに薄く笑った。
亮平💚「なにその顔」
蓮🖤「……黙れ」
亮平💚「やば。ほんとにキレてんじゃん」
近い。
雨に濡れたシャツ越しの熱が、じわりと肌へ伝わってくる。
近すぎる熱のせいで、息の逃げ場がない。
亮平💚「……で?翔太にこういう顔すんの?」
その瞬間。
蓮の目が、僅かに細くなる。
空気が変わった。
本能的に、
「あ、これ以上は危ない」
そう思う温度。
なのに亮平は、視線を逸らさない。
亮平💚「……っ」
ぐ、と。
壁へ押し付ける腕に力が籠る。
蓮🖤「お前さ」
掠れた低音が、耳元へ落ちた。
蓮🖤「ほんと変わらない……昔から煽るの好きだよな」
亮平💚「……は、」
笑おうとした声が、少しだけ掠れる。
その反応を見た蓮が、ゆっくり目を細めた。
亮平💚「どこまで変わってないか……試してみる?」
蓮🖤「……後悔すんなよ」
低く落ちた声。
その瞬間。
亮平がゆっくり腕を持ち上げた。
濡れたシャツの擦れる音。
細い指が、蓮の首筋へ絡む。
挑発するみたいに、ぐい、と蓮を引き寄せる。
濡れたシャツ同士が擦れる。
近い。
雨の匂い。
熱い呼吸。
ぶつかりそうな距離。
亮平💚「……っ」
その瞬間。
蓮の目が、ゆっくり細くなった。
ぞくり、と。
背筋を熱が走る。
けれど、亮平は腕を離さない。
むしろ引き寄せるみたいに、さらに距離を縮めた。
蓮🖤「あとで泣くなよ」
亮平💚「それ、お前の方じゃない?」
低く笑った瞬間。
ぐらり、と。
二人まとめてベッドへ倒れ込む。
鈍いスプリングの音。
白いシーツへ沈んだ身体。
絡まった腕。
逃げ場のない距離。
亮平💚「……っ、ふは」
笑ってるくせに、呼吸が少し乱れている。
蓮は覆い被さるみたいな体勢のまま、じっと亮平を見下ろしていた。
亮平💚「わ、こわ」
笑っているくせに、声は少し掠れている。
蓮🖤「煽ったの、お前だからな」
耳元へ落ちた低音に、亮平の喉が小さく上下した。
逃げればいいのに、腕は離れない。
まるで、自分から捕まりにいくみたいに。
雨の残り香が、まだ二人の服へ微かに残っている。
雨の匂いが残る部屋。
近すぎる距離のまま、二人はしばらく動かなかった。
亮平💚「……っ、重」
冗談みたいに笑う声。
けれど、蓮の身体は少しも退かない。
白いシーツへ沈んだまま、亮平はゆっくり蓮を見上げた。
濡れた黒髪。
熱を孕んだ目。
乱れた呼吸。
その全部が、妙に生々しい。
亮平💚「翔太にバレたら、どうすんの」
蓮🖤「……」
一瞬だけ、空気が止まる。
亮平は逃げ道を与えるみたいに、わざと軽く笑った。
亮平💚「俺ら最低じゃん」
その言葉に、蓮の喉が小さく上下する。
けれど。
蓮🖤「今更だろ」
低く落ちた声。
次の瞬間、亮平の背中へ腕が回った。
ぐ、と。
さらに逃げ場がなくなる。
亮平💚「……っ」
笑おうとした呼吸が、少しだけ乱れた。
蓮🖤「お前だって退かねぇくせに」
耳元へ落ちる低音。
近い。
近すぎる。
亮平の指先が、無意識みたいに蓮のシャツを掴む。
その反応を見た蓮が、ゆっくり目を細めた。
雨の湿気を含んだ空気が、重たく肌へまとわりつく。
雨の夜。
クイーンサイズのベッドの上で、二人はもう、どちらからも離れなかった。
コメント
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なぜどのペアも二人きりになると盛るのか🤔
急なAI😅これなぁに???誰か知ってる? ところでまだ観てないけど、スノtubeに驚愕している🤣タイムリー過ぎるUNOきてビックリ😳😳😳翔太が居ないことだけが悔やまれる🤣💦