アオイ「氷柱様お帰りなさいませ。胡蝶様がお待ちです。」
氷彗「ありがとうございます」
神崎さんは怪我をした患者さんの元へ走って行った。
と言われても…
氷彗「(胡蝶さんの部屋どこ…)」
開けてはいけない部屋がありそうぐらい大きな屋敷だし…どうすればいいんだ…?
伊之助「あ?」
あ、ぶつかっちゃった。
氷彗「ごめん」
伊之助「…何してんだ」
氷彗「胡蝶さんの部屋がわからなくて」
伊之助「んじゃあ俺様が教えてやるよ!」
氷彗「ありがとう助かる」
伊之助くんはズタズタと歩く
伊之助「あ」
氷彗「ん?」
伊之助「また部屋わかんなくなったら俺呼べよ」
氷彗「…いいの?」
伊之助「おう!強そうだしな!!」
氷彗「…なにそれ」
伊之助「ここだぜ!」
氷彗「ありがとう、本当に」
伊之助「おう!」
胡蝶「氷彗さんお帰り」
氷彗「ペコリ」
胡蝶「初任務どうでしたか?」
氷彗「下弦以下の鬼が大量にいただけで特に手こずったりはしませんでした。…不死川さんもいましたし」
胡蝶「え?不死川さんと共同で?」
氷彗「はい」
胡蝶「そうだったのね。不死川さんとはどうだった?」
氷彗「最初はすごく怒られたのですが案外良い人だなって思いました」
胡蝶「よかったわ。不死川さん、すごく人当たりが強くて…ここでの話だけどすごく嫌われてるの。女性には優しいのだけれど…認めた相手しか優しくしないっぽいのよね」
氷彗「ですよね」
胡蝶「でも充実した初任務ならよかった。とてもハラハラしてたんですよ」
氷彗「申し訳ないです。もっと信頼されるように頑張ります」
胡蝶「ありがとう」
夜。私はいつものように外に出て月を眺めることにした。
「(今日は屋根上で見よう)」
と飛び跳ねた。
「あ氷彗さん」
そこにいたのは我妻善逸くん
氷彗「君は…善逸くんか」
善逸「名前知ってたんですか!?」
氷彗「うん。昨日炭治郎くんと話したときに紹介してくれた」
善逸「アイツ…いい仕事してくれちゃって…!!」
氷彗「…」
善逸「…氷彗さんってなんか不思議な音がする」
氷彗「音…?」
善逸「はい。俺耳が良くて人が感じていることとか大体わかるんです」
氷彗「…すごいね。不思議な音ってどんな音?」
善逸「んーなんか、゛本当の自分を隠しててその本当の自分が出せなくなってだんだん、なくなっていくように切ない音゛」
氷彗「…」
正直言えばドンピシャだった。
私は本当の私を隠している。だって本当の自分を出したところで利益はないから。
自分を隠してもう4年くらい経ってしまっている。
確かに私はもう過去の自分を忘れているかもしれない。
善逸「…まだ短期間ですけど俺氷彗さんが笑ったとこ1度も見たことないです」
氷彗「…そうだね」
私は昔から笑わない人だった。
何も感じないから。感じたところで笑えない。
善逸「笑うのはいいことっすよ。楽しいから笑うっていう言葉ありますけど俺「笑うから楽しい」なんだと思います」
氷彗「君にはわからないかもね」
善逸「え?」
氷彗「私の本当に感じていること」
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