あと少し……
あと少し……
仕事をしつつ時計をチラチラと盗み見る。
今日は朝から落ち着かない。
ううん、もう3日前からずっとこんな感じ。
とうとう今日という日が来てしまったのだ。
「どうしたの、奈緒。さっきからずっと時間ばかり気にして」
麻美には悟られまいと気を付けていたはずなのに、最後の最後で気づかれてしまった。
「や、別に。あと少しで定時だなって……」
咄嗟のことに上手い言葉が出てこなくて、明らかに怪しい目で見られている。
「で、誰と待ち合わせ?」
案の定、誤魔化しきることはできなくて麻美にバレてしまった。
「え?」
「もしかして辻井くん!?」
戸惑う私に麻美は嬉々とした顔で聞いてきた。
麻美の察し通り今日、会う約束をしているのは浩太。
本来なら別に隠す必要はない相手だけど、浩太を紹介してもらった日以来、麻美から過剰な追及を受けていて、これ以上変な勘繰り***************
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