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4「願いはその胸に」
「え、おれ?らっだぁだけど」
目の前で血を流す人間を見ながら答えた。
「あ、そーだ!おれ友達探してるんだよね」
怪我をしていない方の人間たちは、なにかを思い出したのだろうか、絶句している。
暫くして、彼らは一目散に元きた道を走っていった。
「ねぇ君、おれと友達に…って、もう死んでるか」
人間の、虚な瞳がこちらを見ていた。
「あ゛」
「…まだ息あったんだ、痛そ〜」
彼の伸ばした手が何かを求めているかのように動いた。
おれはその手を掴む。
その瞬間。
人間の胸から光が迸って、辺りを包んだ。
「うわぁ゛〜〜ッッ!な、なに?何事?」
「…ウルサ」
「わ゛、あ…え?」
声が聞こえた方向は、下で蹲る肉塊ではなく、上からだった。
いつの間にか強烈な光も落ち着いていて、空には半透明の何かが浮いていた。
ソレは目の前の人間だったものと似た顔をしている。
「え?どゆこと?…幽霊?」
「オレモワカンナイ」
「えぇ〜?さっきの光となんか関係あんの?」
「…ネガイノイシ」
「願いの石?それが反応してそうなっちゃったってこと?」
「タブン」
面白そうな石だな。
「その石ってどこにある?」
「胸ポケットニイレテタケド…」
肉塊をひっくり返して服の中を漁る。
出てきたのはただの灰色の石の破片だった。
「あー壊れちゃってるか」
「願イノ石ハ持チ主ノ願イヲカナエル。…イビツナカタチデ」
「え?」
「ナル、ナリタイ。トモダチ」
トモダチ…友達か!
「っしゃぁ〜!」
1人目、みどり。