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Bonjour、いつきさんだよー!!
英領初、アサくんのいる小説を書く!!
短編集で出そうと思ったら短くなかったから読切で出すよ
しかも、フラアサで出そうと思ったらフラとアサの絡みが少ない大事態ww
フランシス兄さんが主です
腐向けかはわからん
ジャンヌが出てきます
苦手な人は逃げてね
ご本人と歴史にはあんまり関係ないと思う・・・たぶん
まあ、行ってらっしゃい!!
イギリス宅の地下
ここには大昔の古い本から最近の新しいものまでいろいろ揃っている。
フランスはイギリスのアフタヌーンティーの時間に合わせて自作の菓子を持っていった。
グチグチ文句を言いながらも家にあがらせてくれた
イギリスがアフタヌーンティーの準備をしている間、こうして暇つぶしをしているのだ。
「こいつん家の皮肉たっぷりな本から外国の物まで、随分丁寧に揃えてあるのね〜」
そんな言葉をもらしながらもほんの文字をひとつひとつ眺めていく。
だが、1つフランスの目にとまるものがあった。
それは昔、自分の心を揺さぶらせたある少女の文字
もう見ることは無いと思っていた、待っても来てくれなかったあの子の文字。
フランスは震えた手でその本を取る。
どうやらその本は、彼女がイングランドに捕まってからの日々を書いた日記のようだ。
本を開いて文字をなぞる。
やはり彼女の文字。
今までなぜイギリスは教えてくれはしなかったのか、そんな怒りが心の底でふつふつと湧いてくる。
それと同時にやっと見つけたという喜びがある。
日記にはフランスという国への愛の言葉で埋めつくされていた。
彼女の思いに胸を打たれていると、やはりそのページ数は少なく彼女が処刑される前日になってしまった。
5月29日
いつも通り国の化身が来た。
しかし、いつもとは違い牢の周りにいた兵を戻らせた。
私は暴力を振るわれるのかと思って覚悟をしたわ。
でも、違かった。
すると彼は牢のドアの前に座って言った。
「お前は、それでいいのか」って。
私、耳を疑ったわ。
だって彼フランス語で話してくるんだもの。
それでも私は言った。
「いいのよ。私はフランスを愛してる。裏切るようなことはしたくないの」
したら彼は「そうか」って。
しばらく間が空いてから彼から口を開いた。
「最後だし、少し話そうぜ」って。
今まで聞いてきた彼の言葉の中でいちばんやさしい声だったと思う。
「俺は今まで仲間を本当の仲間だと思って仕事をしたことがない。そのせいか、お前と違って俺はすぐに仲間を裏切ることができるやつだ。でも、1度だけ心の底から信頼している奴がいたんだ」
「誰なの?」
気になって聞いてみると、少し間を開けてから言ったの。
「フランスだ」
意外だったわ。
今の敵に信頼を置いていた時期があったなんて。
「俺がまだ小さい国だった時、優しくしてくれる奴なんていなかった。でもあいつは、俺のことを唯一優しくてくれたんだ」
彼は牢のドアを開けて私のことを真っ直ぐ見つめたわ。
その姿は、ただの優しい青年のように見えた。
私と同じ、ただ自分の国を愛する人。
彼は私の隣に座り小さな声で言った。
「でもあいつは俺の気持ちを裏切り侵略してきた」
顔は見えなかったがきっと悲しい顔をしていたんだと思う。
大切なものに裏切られるのは何よりも悲しいから。
「それでもお前は、あいつを信じ続けるのか?」
そんなことを聞く彼は小さな子供のようにも見えたわ。でも、言ったの。
「ええ、そうよ」
彼は立ち上がって私の顔を見て言った。
「…そうか」
そんな彼の顔はまるで私を自分の国民を見るかのように微笑んだの。
彼の本心に触れたような気持ちだった。
きっと彼はフランスが好きなのね。
敵同士でもどうしようもないくらいに。
彼は牢の外にあった机からワインを取って注いだ。
そして、私の前に置いた。
「それじゃあな、祖国を愛する勇敢な1人の少女に」
だから、我が祖国。
彼を許してあげて。
自分の国民を守るために心の中で戦っていた彼を。
Avec amour pour notre patrie.
「おいクソ髭、準備出来たからはやくこい!!」
中庭からフランスを呼ぶ声がする。
「なんだよ、眉毛が俺に命令しないでくれる?」
「なんだと?!」
フランスは優しく日記を棚に戻した。