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#めめこじ
雫
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ゆんしょ
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絶対辰哉
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翌朝。
昨夜の雨が嘘だったように、空は晴れていた。
辰哉は会社のエントランスで立ち止まる。
(昨日のこと……夢じゃないよな)
照と本音を話した。
「今も好き」
その言葉を、お互いに伝えた。
なのに。
付き合ったわけでもない。
復縁したわけでもない。
関係はまだ曖昧なままだった。
────────
「おはよう」
聞き慣れた声に振り向く。
照がコーヒーを片手に歩いてくる。
💛「早いな」
💜「照も」
少し照れくさい。
昨日までの「気まずさ」とは違う。
本音を知ってしまったからこその照れだった。
💛「行こう」
💜「うん」
二人は並んでオフィスへ向かった。
────────
昼前。
部長が会議室へ全員を集める。
「プレゼンの日程が早まった」
社員たちがざわつく。
「三日後だ」
💜「え?」
「先方の都合でね」
部長は照と辰哉を見る。
「二人には今日から外回りもお願いする」
💛「分かりました」
💜「はい」
忙しくなる。
二人で過ごす時間も、さらに増えることになった。
────────
午後。
取引先へ向かう営業車の中。
運転するのは照。
助手席には辰哉。
仕事の話をしながら目的地へ向かう。
信号待ち。
ふと照が口を開いた。
💛「昨日、ちゃんと寝れた?」
辰哉は少し笑う。
💜「寝れた」
💛「よかった」
💜「照は?」
💛「あんまり」
💜「なんで?」
照は前を向いたまま答える。
💛「いろいろ考えてた」
💜「……俺も」
短い会話。
でも、お互い何を考えていたのかは聞かなくても分かった。
────────
打ち合わせは無事に終わった。
帰り道。
近くのカフェで資料を整理することになる。
店内は静かだった。
ノートパソコンを開き、修正を進める。
💜「ここ直した方がいいかな」
💛「うん、その方が伝わりやすい」
仕事になると息がぴったり合う。
昔からそうだった。
「失礼します」
店員が飲み物を運んでくる。
「ごゆっくりどうぞ」
店員が去ったあと、辰哉はコーヒーカップを手に取った。
一口飲む。
💜「……苦っ」
思わず顔をしかめる。
その瞬間。
照が吹き出した。
💛「変わってない」
💜「笑うなよ」
💛「ブラック頼むから」
💜「大人になったら飲めると思ったんだよ」
💛「無理だった?」
💜「全然」
二人で笑う。
その笑い声は、五年前と同じだった。
────────
会社へ戻る途中。
駅前の横断歩道。
人混みの中を歩いていると、不意に誰かが辰哉へぶつかった。
💜「あっ」
体勢を崩しかける。
その瞬間。
照が咄嗟に辰哉の腕をつかんだ。
💛「大丈夫?」
距離が近い。
辰哉の鼓動が速くなる。
💜「……ありがと」
照はすぐに手を離そうとした。
けれど。
辰哉の指先が、無意識に照の袖を軽くつかんだ。
一瞬だけ。
二人とも動きを止める。
辰哉は慌てて手を離した。
💜「ご、ごめん」
💛「……」
照は何も言わない。
ただ、少しだけ嬉しそうに笑った。
💛「うん」
その笑顔を見て。
辰哉も自然と笑っていた。
少しずつ。
本当に少しずつ。
止まっていた時間が、また動き始めていた。
コメント
1件
うわあ、これは……じんわり来ましたね。第7話、素晴らしかったです。 雨上がりの爽やかな朝から始まって、照との距離感が「気まずさ」から「照れ」に変わっている描写が絶妙でした。ブラックコーヒーを「大人になったら飲めると思った」シーン、めちゃくちゃ辰哉らしくて思わず笑顔になりました。五年経っても変わらない部分があるって、すごくリアルで温かい。 そして信号待ちの「ちゃんと寝れた?」のやり取りと、横断歩道での腕をつかむシーン。無意識に袖をつかんだ辰哉の指先と、それに嬉しそうに笑った照。あの「うん」の一言だけで、二人の気持ちが通じ合ったのが伝わってきました。 「止まっていた時間が、また動き始めていた」で終わるラストが美しすぎます。次の話が待ち遠しいです!