テラーノベル
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スクロールのような記録アイテムを操作して、映っている映像を確認する。
そんな事をしながらも、女の子同士のキャッキャウフフな写真がありませんようにと願っていた。見たら間違いなく殺される。
パーティーの写真には、瑞樹先輩も映っていた。一応周りに愛想を振り撒いているが、かなり浮かない様子だ。長い付き合いだから、そういった感情は手に取るようにわかる。そしてその傍にはいつも龍平が映っていた。ある意味不自然なほど、必ずだ。
……こうしてみると、あいつはずっと先輩の傍を離れていなかったんだな。
そして同じチームになって迷宮に潜ったという。そしてその結果――いや、詳しい事は知らないが、聞く限りでは決してあってはならない事が起きたらしい。
間違いなく、あいつも一緒にいたはずだ。関係者なのか? だとしたら……俺はあいつを許すわけにはいかない。
だがそうやって写真を見ていると、すこし不自然な点に気が付いた。
いや、今更気が付いたというのもおかしな話だ。正確には1枚目からずっと探していた。だけどどこにも奈々が映っていないのだ。
「なあ、奈々って子を知らないか? ええと――」
映像を先輩に切り替える。
「この人にそっくりな子なんだけど。ただもちょっと幼い感じがするかな」
「名前は知っているよ。有名人だからね。何でも相当強力なスキルを得たらしいんだけど、そのスキルの扱いが不安定だったからここにはいなかったと思うよ。確か10人の誰かが直々に指導するって聞いているね」
「その後見たことは?」
「教官組の誰かとあと何人かでチームを組んで迷宮にも入ったらしいけど……」
なんか段々と不機嫌になってきた。やっぱり他の女性の話をするのは失礼なんだろうか?
というかどことなくいい雰囲気だったし、間違いなく失礼だ。
ここはしっかりと取り繕っておかないとな。
「この瑞樹先輩と、奈々っていう子は幼馴染なんだ。一緒にこの世界に召喚されたんだけど、説明した通り俺は特殊な状況だったからね。元気でやっているか気になっていたんだよ」
「ふーん……まあいいけど。どっちにしても、両方とも交流は無いかな。でも横に映っている男――龍平とは何度か会っているよ」
「何処で?」
「こいつの今の立場はさっき話しただろ。アンタが地上で暴れた後、召喚者達に探索と抹殺命令が出てね。私らも庁舎に呼ばれてその説明を受けたんだけど、その時にアンタの特徴なんかを説明していたのが彼だよ。かなり熱く語っていたね」
「何て言っていた?」
「必ず肉片一つ残さず抹消して欲しいって。そうでなければ、再生する可能性があるってさ。人間とは思わない様にとも言ってたっけ」
その辺りは、外した俺の偽の体からそう推測したのだろう。考えてみれば、龍平に頭を吹き飛ばされたり、奈々にバラバラにされたりと散々だった。
ある意味、俺のスキルが大々的に公表されていなくてホッとすると同時に疑問でもあるけどな。
「咲江ちゃんは、ずっと地上勤務なのかい?」
「ま、まさか。あれからどの位経ったと思ってるの。迷宮にも潜ったし、他にも色々やったよ。でもまあ、似たようなものかな。大変動直後で表層にお宝が沢山あるからね。普通のみんなは数日潜って数日休むの繰り返し。私が今ここにいるのは貧乏くじを引かされただけ。まあ……仕方ないんだけどね」
なんだかそういう咲江ちゃんの姿に暗い影を感じた。
ここはこれ以上追求しない方が良いだろう。
「俺の探索なんかは?」
「精鋭なんかは相当深くまで行っているみたいだよ。教官組で地上に残っているのは殆どいないんじゃないかな? でも教官組には、他にもなんだか特別な命令が出たみたい。詳しい事は知らないよ」
教官組か……そういや木谷は無事戻れたのだろうか?
あの有益な情報をくれた後だったらサングラスは壊さず返しただろうが、まあ仕方が無い。約束通り、無事を祈っていてあげよう。
「それじゃあ、私はもう行くよ」
「良いのか? 雨が止むまで待っていた方が良くないか?」
「あまり慣れ合っているのもどうかと思うよ。こ、今回は服のお礼にみ、見逃してあげるだけなんだからね!」
真っ赤になりながら俺のシャツをバサッと脱ぐと、修復した自分のシャツに素早く着替えた。
なんとなく恥ずかしがるポイントが違う気もするが、着替え中にちらっと見えた肌には傷一つ付いていない。
かなりホッとした。これで懸念材料が一つ消えたな。
「じゃあね」
「ああ、またな」
ひたちさんには口説けと言われたけど、俺と彼女の関係はこれでいい気がする。
恋人でも友達でもないけど、あえて敵対はしない。
もちろん、状況が許さなければ戦うしかないさ。でもそんな日が来ない事を願う。
再び出会った時には、また話をしたいものだ。
こうして俺達は別れた……はずであった。
だがそうはならなかった。
音もなく、突然に咲江ちゃんの動きが止まる。
そしてゆっくりと、不自然なほど自然な形でバシャッと水溜まりに倒れ込んだ。
泥水の中に広がっていく血が、状況を静かに物語っていた。
ぴよくん☘️💫
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たーくん
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コメント
1件
あっ……最後、急すぎて心臓止まるかと思った……! 咲江ちゃんとのやり取り、なんか距離感が絶妙で良かったのに、あの展開はないわ……。龍平の執着っぷりもぞわっとするし、奈々が映ってない不自然さも気になる。続きが待ちきれないよ……😭