「くぁぁあ…」
そんな馬鹿みたいな声を出す俺は今、
人生が終わったと思う
中学を卒業し、それなりの学力の高校へ
入学したが、コミュニケーションの低さが
要因となったか、友達がいない
教師に顔すら覚えて貰えない
それほど自分は影が薄いだろうか
そのうえ、成績が特別良い訳ではなく
定期テストや実技でもいつも平均より
少々上なくらいである…
そんな情けない自分も、今は社会人…
というより、職を異常に求めるゾンビみたいな
状態だ
なぜ人生が終わったかって?面倒臭いが…
いちから説明しよう…
約2ヶ月前…
「え、なんなんだあんたは」
友達がいない…というのは少々極端だったか、
ひとりやふたりくらい、自分にはいた
その時、8時くらいに友人と居酒屋で
団欒し、帰るところであったが
どこかで道を外したであろうヤクザもどきに
絡まれてしまった、察したであろうが
喧嘩は最弱である!
「お前金持ってなさそうだけど、なんなの?」
と、3人のうちのひとりが問うてきたけれど
逆に聞きたい、なぜ自分には金も地位もないか
「そんなの、俺がいちばん知りたいわ」
そう叫ぶと、3人の顔が強張り、詰めてきた
「は?そんな口聞けるほど、お前は偉いの?」
「偉くはない、ただの反論だよ」
ゴッ…
俺の頬に、何度も味わったような鈍痛が走る
あの頃を思い出してしまった、最悪だ
「誰か…地球上の誰でもいいから、俺を救ってくれよ…」
そう小さく呟いた
「?、今なんてぇ!?」
いきなり、俺の頭で何かが切れた
俺は3人のうちの、いちばん偉そうなバカの
顔面をぶん殴った
「ぐぉ…クソ野郎…」
俺はそこから逃げた、全速力でね
どこまで逃げただろうか、息切れがすごい…
そこからか、ずっと逃げる生活が始まったのは
俺が殴ったヤクザもどきは、ここら辺では
まぁまぁ名の知れたほうらしく、未だ追われている
「はぁー…」
とんでもないため息だ、通行人の2人が振り向いたくらいだ
…
「高羽さん、あなたを殴ったのはあいつでしょうか…」
クロネアの潜入員、坂田敦は、治を観察していた
「あぁ、あの日、あいつに殴られた時の屈辱が拭いきれないんだ…あいつを攫って殺す」
「…分かりました」
あー、クロネアの潜入員も全然楽じゃないな
最近、やらかして、全線に立つ戦闘員から
潜入員にまで成り下がってしまった
さて、時織治…だっけ、不運だと思うけれど
今日、死んでもらおう、ここで仕事をすれば
地位も上がるかも…
「やぁ!」
!?、なんだ、俺に話しかけたのか?
時織治は驚いた
「いやさぁ、君不幸そうな顔してるし
どうせ職もないでしょ?」
時織治は目を見開いた
「え、なんでそれを」
突然話しかけてきた男は、懐から紙を取りだした
「これ、これみて、部屋掃除のバイト
金が入るんだ、1回やってみるってのは
どう?」
時織治は困った、確かに死ぬほど職は欲しいが、この男はどこか怪しい
「あ、今俺の事怪しんだでしょ」
時織治は焦った
「え、いやそんなことは…」
「まぁ、怪しむのも無理はない、決して
君に危害を加えるような人物では無いよ」
…
時織治はしばらく悩んだ後、言った
「わ、わかった、やろう」
「そうこなくちゃ」
そういうと、男はある方向へ歩き出したので
俺はついて行った
坂田敦は困った、観察していた男が、少し目を離したうちに消えている
「やば、見逃した…」
またやらかした、せっかくクロネアで
地位上昇のチャンスだったのに、まぁいい
あいつの行きそうな場所は全て把握してある
徹底調査だ
「あぁ、俺の自己紹介をしていなかったね、
俺の名前は鰄郎だ」
「鰄郎…さん」
正直、治は聞きたいことが山ほどあったが、
それはあとにしようと鰄郎について行った
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