ある、雨の日の夜
俺はコンビニへアイスを買いに出かけた
期間限定のアイスも買え、満足して寮に帰っていった
その帰り道の途中
『ねぇ』
「ん?」
突然かけられた声に思わず反応してしまった
後ろをふりかえっても何も無い
あ、これ心霊現象的なあれ??
やばくね??
野生の勘が働いたかどうか分からないけど普段の俺なら感じない危機感を感じ
その場から猛ダッシュ
しかし後ろから
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタッ
足音が聞こえた
誰か知らんけどそいつも走っているようだ
って何冷静に考えてんだ俺!
やばいだろ!
とりあえず逃げなきゃ
しばらく走り寮が見えてきてひと安心…
とはいかなかった
後ろの足音が止む気配もない
が、しかし急に足音がしなくなった
諦めたかなと思い後ろをふりかえってしまった
……
俺は勢いよく玄関に飛び込んだ
ちょうど風呂から上がったらしい先輩方が目を見開き驚いていた
そりゃそうだ、後輩が玄関に飛び込んできたんだから(ガチで飛んだ人)
「どったの太一?」
天童さんが面白がるように聞いてきた
「いえ、何も?」
「なぜ疑問形?」
話しても信じて貰えないだろうと思った俺は
咄嗟に嘘をついた、でも少し唇が震えてしまっていた気がする
疑問形だったこと、山形さんに突っ込まれた
なんもないのかー、と天童さんが残念そうに言う
何も無い方が良くないか?いや、あっちゃったけどね!
天童さんの声を初めに、ほかの面々も早く寝ろよ〜などと言いながら自室へ帰っていく
でも1人、瀬見さんだけがこちらをじっと見ていた
あの事件(?)があってから2日
俺はどこへいても視線を感じるようになった
風呂にいても、自室にいても、外周へ行っても
食堂へ行っても、体育館へ行っても
気の所為にしときたい
……あれがみているのだろうか
あれとは
全体的に黒くじんわりと湿っているような肌をした目がなく皮膚が熔け骨が見えているモノの事だ
さらに2日後
……だんだん視線が濃くなってる気がする
じろりと絡みつくような視線に思わず吐き気がする
今日の二時間目
理科の実験をしていた
「ッッ!太一!!」
ドスッという鈍い音と共に
解剖用のナイフが床に突き刺さる
1本じゃない数十本だ
解剖用ナイフを運ぼうとし、転んだ生徒が放り投げてしまったようだ
「大丈夫!?川西くん怪我は!?」
先生が飛んできた
白布が後ろに思いっきり引っ張ってくれたおかげで怪我無しですめた
ほんとありがとう賢二郎
そういえば何かと今日は車に轢かれそうになったり、棚が降ってきたりしたな
今部活の休憩時ということもあり
涼もうと体育館の入口に向かおうと目を向けた時
いた
居たんだ
アレが
ひゅっ、と息を呑む音が聞こえた
やっぱりあいつだ
身体中が金縛りのようなもので動けなくなった
怖い、怖い、怖い、怖い
助けて
そう思った瞬間
俺の意識が途切れた
瀬見sida
4日前の夜
太一が玄関に飛び込んできた
俺は思わず息を飲んだ
何故かって?、それは
太一に怨念のような黒いモヤが
背中にまとわりついていたから。
俺は昔から霊が見える体質らしく
小さい頃からおかしなものが見えていた
小さい頃は律儀に怖がっていたが
慣れるとなんだ、霊じゃん驚かせんなよ
的な扱いになっていき
現在に至る。
少なくとも俺がいきたきた中で怨念がまとわりついてるやつは多々いたが
ここまで強いやつは初めてだ
多分地縛霊が集まって呪を強くしたんだろう
怨念はそこまで強くなれないんだけどな
どれだけ集まったんだろうか
そんなことは置いといて、このままだと太一が
死ぬかもしれない
そしてさっき太一が突然倒れた
熱中症でもなく脱水症でもない
これは、…危ないかもしれない
目をうっすら開けると白い天井が見えた
……保健室?
少し違和感を感じ右隣を見ると眠ってしまっている賢二郎がいた
心配かけたな……
それはそう、太一が倒れた時
白布の取り乱し方は尋常じゃなく
救急車の代わりに警察にかけそうになったりしていた(後に太一は愛されてんなぁと語る)
涙目になりながら「太一」とずっとよんでいたこともあり
これじゃ部活に身が入らんと監督に言われ
こうして保健室にいるほどなのだから
「賢二郎」
「……ぁん?」
おいおい893かよ
「(がバッ)!!太一!起きたのか!」
「太一くん起きましたよ〜」
「良かった…心配したんだからな、」
珍しくデレてる
「心配かけてごめん」
「良い、監督に報告してくる」
「お願いする」
今1人になりたくない
悪い予感がする
……言葉に発しない方がいいよな、言霊とかあるかもだし?
ふと窓に目をやると
……居た
ふざけんな
強気な気持ちと反対に
体はカタカタと震える
アレと目が離せずにいると
ガラッ!!
ドアが開きチームメートが入ってきた
「太一大丈夫かよ」
「心配したんだからな!」
「川西さん大丈夫でしたか!?」
「大丈夫か?」
さっきの恐怖心から解放され
へたっと体の力が抜けた
みんなが優しく声をかけてくれてる中瀬見さんが
「少し太一と2人で話がしたいけどいいか?」
そう言ってきた
なになに告白〜?wと天童さんがからかっていたが
違うわやめろ!と瀬見さんが否定した
みんな大人しく2人にしてくれた
「早速だけどお前何で狙われてんの」
唐突すぎるよこの先輩
何が何だか分かんないけど心当たりはあるから尚更怖い
「何に狙われてんですか」
「地縛霊?」
まじか、俺地縛霊に狙われてんだ
地縛霊なんて、花子くんだけにしろよ(わかる人にはわかる)
「……分かりませんが心当たりなら」
と、あったことを全て話した
「完全に返事をしたとこからアウトだな」
「ですよね」
普通返事しちゃうよね
日本人だし?(?)
「このままだと太一死ぬ」
「WOW」
突然な死亡宣言
まだお嫁に行ってないのに(裏声)(真顔
セミさんが言うには、あと少ししたらさらに強度がまして
殺されるらしい
怖
ふざけてるのは心を落ち着かせるためであって本心は
恐怖に満ちている
「瀬見さ、ん俺、どうすれば」
「大丈夫俺の言ったことを守ってくれればたすかる」
「守ることってなんですか」
「今日はもう帰って布団にくるまってろなんなら頭までいけ」
「俺はその後勝手に鍵借りて部屋入るから」
それ、犯罪では?不法侵入ですよ
「声をかけてきた奴や、ドアを叩いて開けてと言ったやつは、無視しろ」
「監督や、同輩でも?」
「あぁ、今日はとにかく部屋から出ないこと」
「俺は声かけずに行くから」
「俺がまだ居ない時俺の声が聞こえたら」
「合言葉を使え、」
「俺らの主将は?」
「白鳥沢なら誰でも答えられるはずだ」
「わかりました」
ん、?瀬見さんこの部屋に来るんだよな?賢二郎はどうなるんだ?
「瀬見さん、賢二郎は、」
「俺が説得して俺と天童の部屋に今日だけ行ってもらうようにするわ!」
それは助かる
「あいつ、瀬見さんにベッド貸してくれるかな」
「……多分無理だな!」
「いい笑顔ですね」
賢二郎を説得したらしい瀬見さん
「俺のベッド…別にいいですけど(心底嫌そうな顔)どうせならたいちと寝たらどうです?」
と、言葉をいただいたらしい
コンコンコン 夜、ノックが聞こえる
「太一?おーい俺だよ瀬見英太」
「鍵もらうの忘れちまってさ!入れてくんね?」
「おーい太一?」
瀬見さんの声がドアの向こうから聞こえる
でもあれは違う瀬見さんじゃない…
だって瀬見さんは俺の隣で寝てるから
瀬見さんはほんとに俺のベッドに入ってきてこうして寝息を立てているんだから
じゃあ、あれは誰……?
誰、誰なの
「せm((」
「静かに…声を出すな」
俺が瀬見さんを起こそうとした時
寝ていたはずの瀬見さんが声を出すなと言ってきた
「怖いだろうけど辛抱だ」
瀬見さんが優しく安心する声で喋りかける
瀬見さんの声は好きだな
痺れを切らしたのかドアの前の瀬見さん(偽)が、
「アケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロ」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
震えが止まらない……怖い
同じ声のはずなのにどこか無機質な声に変わった
(怖、い…こ、わい)
涙が出てきた
俺は必死に声を抑える
瀬見さんは不安な俺をそっと優しく包み込むように抱きしめてくれた
「…、?」(瀬見さん?)
「大丈夫大丈夫」
お母さんのようにポンポンと背中を一定のリズムで叩いてくれる
安心感パネェ
いつの間にか
睡魔が襲ってきた
相変わらず扉の向こうでは
あけろコール&超高速ノックが繰り出されている
が、だんだん瞼が重くなっていって……
「よし、寝たな」
「アケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
「……チッ太一が何したってんだ!!」
「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!」
「太一に危害加えるんなら容赦はしねぇよ?」
ドアを開ける
翌日
太一のベッドで2人ですよすよ寝ているところを白布が発見
「起きてくださいはっ倒しますよ」
「おはよ…朝から物騒だな賢二郎〜」
「太一、お前、瀬見さんから聞いたんだけど、地縛霊引き当てたらしいな」
「そうなんだよなぁ」
「力にはなれないけど相談とかしろよな」
この小説よく賢二郎デレるな((
「ありがと」
そして無事、元の生活に戻れました
「天童、お前気づいてたろ」
「バレちゃったか〜!英太くんと同じで」
「俺も霊感あんだよね〜」
「だよな、そうじゃなきゃ」
「あんな驚き方しないよな」
「そーだねー」
「やっぱりあれほっといたらいけない系だった?」
「ほっといたら死ぬ系だった」
「WOW」
太一が玄関に飛び込んだ日
瀬見以外に天童だけ一瞬嫌なものを見る目を太一の背中に向けていた
瀬見はそれを見逃さなかった
英太くんすげぇな!
END
はい!終わりです!
久しぶりのハイキューホラーです!
急に太一くんが弱っているとこを見たくなってしまったので書きました!!(おい
いやぁ、瀬見さんお強い
まさか天童さんも見えているだなんてびっくりですね!!ね!!
今回は白布をデレさせました
今、沢2年(白鳥沢2年)にハマってます!!(いらん情報
初めて小説を書くのに1時間半かかりました
考える時間も必要だったので結構かかりましたね!
では次の話まで!ばい!
コメント
2件
セミセミかっけぇ
地縛少年花子くん☆((((すいませんでした、、、、、あと凄く読みやすかったです