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## 第30話:連携攻撃
岩礁地帯の闇を切り裂く、赤いビーム・サイズの軌跡。漆黒の機体『ノワールレイス』が放つ威圧感は、ゼスト隊の4人を圧倒していた。
「クソッ、速すぎる……! ゼロ・システム、こいつを捕らえるルートを吐き出せッ!!」
ゼロが叫ぶと同時に、ウイングエックスのコクピット内に、血管が浮き出るような鋭いノイズが走った。緩和装置が限界を超えて火花を散らす。
ゼロの視界に、二十、三十と重なり合う**「未来の残像」**が映し出された。敵を撃破する最短ルート、相打ちになるルート、そして自分が首を撥ねられるルート――。
「あぐっ……あぁぁぁぁっ!!」
膨大な情報量が、ゼロの脳を内側から焼きにかかる。どれが真実で、どれが幻影か。ノイズの奔流に飲み込まれ、ゼロの指先が麻痺し始める。
「新入り! 意識を保て、そいつの動きは俺たちが止める!」
カイルのバスターヴァイスが前に出た。背部のハイパー・ギガ・キャノンが唸りを上げ、岩礁を削り取るほどの斉射を開始する。
「ジュード! 逃げ道を塞げ!」
「合点承知……光学迷彩展開、シャドウ・エッジ、消えるぜ!」
ジュードの機体が闇に溶け込み、ノワールレイスの四方を旋回しながら実体弾の機銃を浴びせる。カイルの圧倒的な面制圧と、ジュードの不可視の牽制。二人のベテランによる「鉄壁の連携」が、漆黒の死神を狭い谷間へと追い込んでいく。
「なめないでよ……ガンダムは、あんたたちだけじゃないんだから!」
セレスのヴィヴァーチェが、マゼンタの光を引いて加速した。二振りのビーム・レイピアを交差させ、ノワールレイスの鎌を弾き飛ばす。
「今よ、ゼロ! ぼうっとしてんじゃないわよ!!」
セレスの叱咤が、ゼロの混濁した意識を繋ぎ止めた。
重なり合う三十のルートが、仲間の援護によって一つ、また一つと消去されていく。カイルが敵の回避先を潰し、ジュードが死角を埋め、セレスが敵の武器を封じる。
「……見えた……! 仲間の動きに重なる、たった一つの『勝利』!!」
ゼロは歯を食いしばり、血走った目で操縦桿をねじ伏せた。
ウイングエックスが急降下し、岩礁の影からノワールレイスの胴体目掛けてバスターソードを突き出す。
**ガギィィィィィィィィン!!**
だが、ノワールレイスはそれを左腕の装甲で受け流し、至近距離でゼロのコクピットを見据えた。
メインモニターがノイズと共に切り替わり、敵機の内部カメラが捉えた「パイロット」の姿が映し出される。
「……なっ!?」
ゼロは息を呑んだ。
そこにいたのは、漆黒の髪をなびかせ、燃えるような紅い瞳で冷たく微笑む、**ミラと全く同じ顔をした少女**だった。
『――不純物。……あなたの目に見えている未来は、本当の未来じゃない。私が、ここで全てを終わらせてあげる』
少女の唇が動くと同時に、ノワールレイスから血のような赤い感応波が吹き荒れた。その衝撃波に弾き飛ばされ、ウイングエックスは岩壁に激突する。
「ぐわぁぁっ!! ……あいつ、ミラじゃねえのかよ!? なんで、なんでアイツと同じツラしてやがる!!」
驚愕と混乱がゼスト隊を襲う。
ノアと名乗る少女は、その紅い瞳に狂気を宿し、さらなる高出力のビームを充填し始めた。
**次回予告**
かつてない強敵、ノアの圧倒的な力。
ミラと同じ顔を持つ少女への動揺が、ゼロの判断を狂わせる。
「私の機体は、あんたたちのとは違うのよ……!」
家族を救うために奪った『ヴィヴァーチェ』。
その深淵に眠る、禁断のブースト機能が今、マゼンタの閃光と共に解き放たれようとしている
次回、『深紅の執着、泥濘の刃』
**「セレス、無理だ! その加速に、あんたの体が保たねえ!!」